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【株式投資】未だにカーボンニュートラルを目指さない企業に未来はない

本日の朝刊で日本でのカーボンプライシング(CP)、炭素税についての記事が掲載されています。

「炭素税1万円でも成長」 環境省会議で試算:日本経済新聞

カーボンプライシングとは

文字通り、炭素に価値を持たせることです。炭素○kgあたり□円といった形です。
二酸化炭素排出枠取引や炭素税などがカーボンプライシングにあたります。

炭素税とは

炭素税とは、二酸化炭素などの温室効果ガスを排出した際、その量に応じて課金される税金です。
二酸化炭素排出量が多いほど、払うべき税金が増えるため、企業は減らす努力をしないと利益が目減りします。これに早くから着手していた欧州は脱炭素がかなり進んでいます。

日本国内の二酸化炭素排出量


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環境省:温室効果ガス排出・吸収量算定結果
より引用
電気・熱分配とは、発電等の際に生じた二酸化炭素について、その電気を利用した事業者が排出したものとして分配すること。日本では火力発電が最も多いため、電気を使うほど二酸化炭素排出量が上乗せされる。

自動車産業を含む運輸部門、製造業などの産業部門や発電などのエネルギー転換部門は二酸化炭素排出をしているだろうことは目に見えやすく、想像しやすいと思います。
しかし実際にはそれら以外の商社、サービス業などの業務その他部門(非製造業)も一定量排出しています。
つまり、炭素税が引き上げられると、影響を受けない企業はほぼありません。

非製造業に注目すると、2019年の排出量は193万トンです。今回環境省での会議では排出量1トン当たり1万円課すラインまでは経済成長を阻害しないという試算が示されました。もし1万円の課税となった場合の税総額は193億円にのぼります。これだけ課税されると利益への影響は避けられないでしょう。特に非製造業では二酸化炭素排出量と売上が相関するわけでもないので固定費の増加と捉えられそうです。

今回示された試算は、その税収を省エネルギー投資に回した場合を想定しています。
その投資によって、経済成長を保てると言うわけです。その経済成長とは実質GDP成長率を指します。したがって、総合的に見ての成長であり企業単体を指していっているわけではありません。
つまり、二酸化炭素排出を続ける企業は税金を取られる一方であるというわけです。逆に二酸化炭素削減に勤めると、政府からの資金援助があるかもしれませんし、少なくとも課税額は小さくなります。

国際的に見た炭素排出

現在、欧州や中国がカーボンプライシングに積極的に動いています。
中でも国境炭素税は日本にとって非常に大きな問題です。というのも、日本の電気は火力発電の割合が多く、電気を使うだけで炭素排出をしていると見なされるからです。炭素排出が多い国から欧州に輸出をする場合、その排出量に応じて課金されます。
この課金額は、貿易をする二国間での炭素税の差額に準じて決まるため、国内で炭素税が引き上げられなかったとしても、ここで課金されます。
やはり、企業は二酸化炭素排出を減らす努力をしないと利益が確保できません。

まとめ

◆日本で炭素税引き上げ試算がなされ、1トンあたり1万円の課税なら経済成長を阻害しない
◆炭素税引き上げがされると、ほぼ全業種が影響を受ける
◆国内で炭素税が引き上げられなくとも、国境炭素税により結局課税される

日本では未だ、カーボンニュートラルは陰謀論だとか、環境意識の高まり程度に捉えられています。しかし世界の動きは確実に進んでいます。
炭素削減に勤める企業こそ未来に価値残る企業であることは間違いないでしょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。日々の学びや気づきから投資につながりそうなことを更新中です📝