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【Project Focus】ザンビアにおける元難民の現地統合元難民と一緒に平和な未来を描く

プロジェクト名:ザンビア“HOPE” 元難民の現地統合支援プロジェクト
(株)コーエイリサーチ&コンサルティング


元難民の生活再建を支援する 
 2011年、ザンビア政府は、国内に滞在している元難民の現地統合のた
めのプログラムを発表した。対象はアンゴラ人・ルワンダ人1.4万人で、元
難民と呼ばれる人々だ。現地統合のプロセスは難民居住地から近隣の新たな
土地への再定住、法的・行政手続き、経済的な自立など多くの難題が伴う。
“JICA HOPE”プロジェクト(HOPE)は、元難民が尊厳と平和をもって生活を再建できるようにする方策を開発することが目的だ。現状分析調査や、再定住に係る行政手続きの改善、再定住地のコミュニティ開発などがパイロット事業で実施されている。
 ザンビアにおける現地統合の成功は、難民問題の恒久的な解決策のモデルとなることが期待される。


3.4万人の難民・元難民が暮らす同国最大のメヘバ難民居住区


木工業の職業訓練をしている 若者グループ


元難民の持つ力を引き出す
 生活再建の障害の1つに元難民の援助依存症がある。当社(株)コーエイ
リサーチ&コンサルティング(KRC)は、南スーダンやスーダンのダルフール地域、アフガニスタンなどさまざまな紛争影響地域でプロジェクトを実施してきた。その経験から、元難民や地域コミュニティには自らの問題を解決できる力があると当社は信じている。
 HOPEが重視するのは住民との対話だ。対話を通し、自らの力に気付か
せ、それを行動につなげる。その結果は、力を合わせて建設した小学校や起業した若者グループ、新たな販路を見つけた農民などに表れ始めている。「今までわれわれは誰かが決めたことに従うだけだった。でも待っているだけでは未来は築けない」元難民はそう語る。
 当社は、この気持ちが開発の基礎であると考える。彼らと一緒に平和な未
来を描いていく、それが平和構築におけるKRCのコンサルティング精神である。

SHEPアプローチを適用した 農業普及



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本記事は国際開発ジャーナル5月号に掲載されています。
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