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【Project Focus】零細漁業従事者の生産性向上と漁港の衛生・労働環境改善に貢献< 無償資金協力 >

プロジェクト名:ギニア カポロ漁港整備計画
コンサルティング:OAFIC株式会社
施工:大日本土木株式会社


 ギニア共和国沿岸部は西アフリカ最大の大陸棚を有する好漁場であり、水産開発の高い潜在性を持っている。同国の海面漁業の生産量は約 19.2 万トンであり、海面漁業従事者の9割超を零細漁民が占め、漁業生産性の安定化のためには零細漁業の生産性向上が課題となっている。ところが、既存の零細漁港が過密になり、加えてコナクリ市東部地域における急激な人口増加に伴い消費需要が高まっていることにより、新たな漁港の整備が急がれていた。
 カポロ漁港はコナクリ半島の北部で最も大きな零細漁業拠点の一つであり、人口増加が著しい地域にも隣接していることから、零細漁業従事者と消費者にとって重要な拠点であるが、水揚護岸や冷蔵、加工などの基本的な施設が整備されておらず、満潮時に利用が制限されるなど非効率な水揚作業に加え、不衛生な環境下で水産物加工・流通が行われており、水産物の品質低下の原因となっている。
 この状況を改善するため、2013年ギニア政府よりカポロ漁港の整備に必要な無償資金協力の要請がなされた。2014 年のエボラ出血熱発生に伴い現地調査が中断されたが2016 年に調査再開・設計し、2017 年に交換公文(E / N)が日本・ギニア両国間で取り交わされ、2019 年12 月に施工業者と工
事契約が結ばれた。工事は、コロナ禍の影響による一時中断、再開後はコロナ禍中での実施、クーデター発生など苦難続きではあったが、2022 年11 月に施設は無事完成した。
 本計画により同漁港における水揚げ・水産物取扱保蔵施設などの整備を通じて、衛生環境と労働環境の改善が期待される。

寄稿:大日本土木(株) 作業所長 横山 信一

鳥瞰写真
完工時全景
荷捌き場及び高架水槽
管理棟
着工前

本記事掲載誌のご案内

本記事は国際開発ジャーナル2023年6月号に掲載されています。
(電子版はこちらから

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