紙の上の自由連想 5/29

鬱を散らしたいので紙の上で自由連想に挑戦する、日記を始める

人を傷つけるような強さも人に傷つけられるような弱さも失ってしまいました。それがよいことなのかわるいことなのか存じ上げません。

辺り一帯を支配していたのは、ここには何もないという安心感で、寝転んだ身体はベッドに沈み、目を開いたままの心は水圧で縛られました。
何もかも信じたくありませんでした。それは何もかもを信じて生きてきたからでした。記憶は解けて宙に浮かび、捕まえようとしたらするりととろけていきました。本当のことと嘘のこととが入り混じったアルバムは濁った池のようで、目を凝らしてみても明るさはひとつも見つけられませんでした。次第に暗さに慣れて行き、洞窟でしか暮らせなくなっていました。影だけを信じようとしてずっとひとりでお遊戯していました。

箱庭作りを繰り返す私たちに できることはほんのわずかで ミニチュアは壊されて 棚の中はからっぽ 締め出されてぼくはひとり 歩き回ってしかばねに 赤く染まったシーツも 洗わないまま出かける


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