紙の上の自由連想 5/30
ぼくには教養がないから何もかもがわからないんだけど、世の中のいろいろなものには隠された意味が存在しているらしかった。うまくついていけないような世界をなんとなく歩いて、楽観的な見方をして、いまここにいる。
カーテンを開けないままの部屋で何事も笑い飛ばすしかできなくなって、信用できなくてまじめにはなりたくなかった。傷ついて壊れてしまった人達はまじめだったと思うのだけれど、壊れないために笑い飛ばすのを続けているぼくは相当まじめなんじゃないかな。
苦しみを引き受けたくてもできないようなぼくは、盲目で揺れているだけで、通り過ぎる何ものも記憶に留められなかった。美しくなりたかったけど、うつくしいがわからなかった。
言わなくていいことをだらだらと話して自己を防衛するような悪さは、ぼくを確立させて、そこから離れられないくらい心地よくさせた。どうでもいいという気持ちが先立って、選ぶことが難しかった。どうにでもなってしまえばいいって、壊してもらえないかなって思っていた。結局、異質なものは異質なままで取り込めなかったけど。
5/28 恋愛相談を受けて考えたこと
身体がいつのまにか私の手には負えないものになっていて、それをひどく怖がるようになってしまった。心と身体が分離して私はどこにいるのか探していた。
触れてはいけなくて触れざるを得なくて
触れようとすれば逃げていき、触れてしまえばそこでおわり。
ああどうやったって私は孤独だった。
知らないふりをして触れた身体は熱すぎて
近寄れば近寄るほどとても遠くて、私には何も見えなくなってしまった。
純粋に肉で満たされた海で溺れそうになった。
だけどもうもがこうともしなかった。
私のなかに入ってきた海水はゆるやかに広がって私を満たし、私を凪へいざなってしまった。
何も見えなくて、聞こえなかった。そのことに安心した。もう傷つかなくてすむのかな、すべてが穏やかにあるままだった。
何も感じていないようなふりをしてバスに乗り込んでも、ひりひりする傷口は塞がらないままだった。
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