呼吸の本|星野道夫『旅をする木』 6 井出志穂 2024年3月17日 22:49 星野道夫さんの『旅をする木』は、呼吸の本。文字の先に、呼吸がある。紙の先に、海の風がある。「今」しか見えない。星野さんの描く世界は、「今」だけ。目の前にあるもの。さっき起きた出来事。今の自分に与えられている感情。まっすぐな視線で、星野さんが授かった「今」をひたすら描いている。深い森の頂にある湖みたいに、私の脳内ノイズを断ち切ってくれる。万物愛に満ちた彼の視点を借りて、私は地球で深呼吸する。 ダウンロード copy この記事が参加している募集 読書感想文 184,986件 #読書感想文 6