マガジンのカバー画像

音の建築 - 空間にはすでに音がある -

7
表参道ヒルズ、東京銀座資生堂ビル、グランフロント大阪、電通ビル、愛知万博、浜名湖花博…多数の空間や建築を「音」の切り口からプロデュースしてきた井出 祐昭。音と建築について、その極…
運営しているクリエイター

2024年8月の記事一覧

#6 音楽は嘘をつけない。建物もそう。 | 音の建築 -空間にはすでに音がある-

前回は「そもそも本当に音がいるのか?」をテーマに、加える判断と加えない判断についてお話しました。 今日のテーマは「音楽は嘘をつけない。建築もそう」。 さあ、いったいどんなお話でしょう。 音楽は嘘をつけない?ミュージシャンや音楽家って、嘘ついてやっててもバレバレみたいなところがあります。音楽だけは絶対嘘がつけないんです。 どういうことかというと、音楽が外に出たとたん、素っ裸で外出ちゃうのと一緒なくらい、見る人が見るとバレているんです。 特に演奏なんかは、上手く弾こうと思っ

#5 本当に音が必要か? | 音の建築 -空間にはすでに音がある-

前回は「結晶化されたひとこと」で如何に現場と共有し、初志貫徹できるかをお話しました。 今日のテーマは、「そもそも本当に音がいるのか?」。実は音を加えることをやめる判断もしょっちゅうしています。 音を出さない判断綺麗な騒音 まず、空間には騒音がありますね。実は綺麗な騒音というのがあります。 そのものが出来ちゃってる。極論すれば、そのまま自然に行っちゃえば、そこで音の世界が出来あがっている、という状態です。 シリーズのサブタイトル「空間には既に音がある」に通じる考えです。