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音の建築 - 空間にはすでに音がある -

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表参道ヒルズ、東京銀座資生堂ビル、グランフロント大阪、電通ビル、愛知万博、浜名湖花博…多数の空間や建築を「音」の切り口からプロデュースしてきた井出 祐昭。音と建築について、その極…
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2024年6月の記事一覧

#2 素っ裸でいくと素っ裸で返ってくる | 音の建築 -空間にはすでに音がある-

空間、人、モノ…どんな対象にも深い所にエネルギーがあるというお話を前回しました。 空間の場合、空間に入った第一印象でそれが分かります。「こうしてくれ」と言ってくれているようなものなのですが、それを感じ取るには少しコツがいります。今回はそのお話をします。 素っ裸でいくと、素っ裸で返ってくる「音のプロデュース」の最大のコツがあるとすれば、初対面の時に自分を素っ裸にして、相手の中にあるもの、外に出てくるものを感じること。 「素っ裸」がポイントになります。 空間にはコンセプトや表

#1 空間にはすでに音がある | 音の建築 -空間にはすでに音がある-

深い所にあるエネルギーを引き出す空間にはすでに音がある。本シリーズのサブタイトルでもあるこの言葉、その意味から解説していきます。 私の仕事は、ある空間、ある人、あるモノを音で表現するという側面があります。その際に上手くいかないパターンがあって、それは何かというと、実は「音を付け加える」という考え方です。これは水と油になることが多いのです。 音のプロデュースなのにどうして?と思われる方もいるかもしれませんが、これが、45年間ずっと同じ考えでやってきたことなのです。 私は、