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IAに地方から参加して変化した視座

中澤拓也
岡山大学 経済学部


門を叩かないことには始まらない、
重要なのはファクト

 私が identity academy に応募する前は、ゴールドマンサックスをはじめとする 国内外の名だたる企業で活躍されている講師陣や首都圏の優秀な学生が集まっている IA に対して、 東大や早慶でもなければ旧帝大でもない地方国公立から 応募しても通らないのではないかと不安を感じていました。しかしながら、エントリーフォームにエッセイを提出したところ面接に進み、 そして 無事に合格を頂くことができました。 実際には想像していたことと反対であり、多様性が重視されていることを肌で感じました。

 この経験を通じて、可能性がないかもしれないから端から挑戦しないのはもったいない、興味があれば地方だとか言い訳をせず、怯まずに門を叩いてみることが重要なのだと痛感しました。 I Aではリスクマネジメント、特にダウンサイドとアップサイドについて何度も考えますが、冷静に考えれば応募することによるダウンサイドはありません。むしろ挑戦することによって得られるリターンが増えるのであれば、 門を叩かない手はないとすら考えるようになりました。加えて、周囲の声を鵜呑みにして はいけないということも実感しました。ファクトは何か?を考える機会も IAでは頻繁にあります。多くの人が言っているから、新聞に書いてあるから、有名人が言っているからではなく、自分の手でファクトを見つけ出し、そして自分の目で見て確かめることが重要なのだと強く感じるようになりました。

コミットメントの重要性

 続いて、 IAでの 4ヶ月間を通じて気付いたのはコミットメントの重要性です。 IAに参加する学生は多様な舞台で活躍しており、更には本業である学業に加えて研究や就活など、学生の中では忙しく過ごしている人が多いのが現状です。IAの求める人材像にも「コミットメントを強く維持できる人」と書かれている通り、 IAでは高いコミットメントが求められているのは言うまでもありませんが、 それでも上記の理由 および 4ヶ月という期間の関係もあり、参加者の中でも段々とコミットメントの程度に差が出てきます。恐らくこれは、入社した企業や配属された研究室でも同じことが言えるのではないでしょうか。最初は熱量やモチベーションが高くとも、時間の経過とともに低下していき、それに伴いコミットメントの程度も低下していくのが現状です。

 このような現状を見る中で、高いコミットメントを長く維持することが重要であると実感しました。課題は質を高いものを必ず提出期限までに提出する。 講師陣からのメッセージや話題提供に反応する。日々の小さな変化をキャッチし、シェアするなど、挙げればキリがないほどにコミットする機会は存在します。当事者である私達は気づきにくいかもしれませんが、想像以上に誰がどの程度コミットしているかは見られています。そして学費が完全無料である IAにおいて、高いレベルでのコミットメントこそが参加者が IAに返すことができる最も大きなものの一つであり、それと同時に評価される点でもあるのだと実感しました。

地方からの参加における差別化

 選考をを突破し、地方からの完全オンライン参加でも高いコミットメントを心がけましたが、周囲は優秀な学生ばかりであり、いかにして差別化を図るかが私の課題でした。ここで少しIAのカリキュラムについて説明させて頂くと、IAはポートフォリオゲーム、ビジネスプラン作成、企業分析と主に3つの柱が軸とされており、それぞれに関係する課題が出題されます。参加者が提出した課題のうち、良かったものや講師の方が面白いと思ったものが選ばれ、講義で発表します。プログラムの前半は発表者に選ばれることはほとんどなく、他の参加者の素晴らしい発表を聞く度に周囲の優秀さに気圧されそうになりました。。

 しかし、そこで諦めては地方からIAに挑戦した甲斐がありません。発表者の発表および講師の方々の講評を聞き、どこが良い点でありどこが私に不足しているのか、どこを真似できるのかを分析しました。その一方で、4ヶ月という期間で他の人の発表を分析してレベルアップすることを目指していては追いつくことはできない、良くて何とか追いつくレベルにしか到達できないと考えました。そうして、他の参加者が持っていない、もしくはまだ見せていない要素は何か?地方だからこそ他の参加者が持っていないもしくはまだ見せていない要素は何か?地方だからこそ出せる強みは?私にしかない強みは何か?と差別化にしかない強みは何か?と差別化のの方法を考えました。

 その結果、カリキュラムの後半には発表の機会を頂くなど、IAに参加する前に比べてスキルアップを実感したのに加え、私の中で考え方や視座が大きく変化していることに気付きました。特に印象深く記憶に残っているのは、IA理事の重光さんの課題で首都圏の学生が目を付けないであろう地元企業に目を付け、発表を評価して頂いたことです。

自分の軸を持ち、突き抜けること

 私がIAに入りたかった理由でもあり、IAに入ることで最も達成できたことの一つが自分の軸を持つことです。まさにIAのMissionでもある「人生のあらゆる選択を、自信をもって意思決定できる人をつくる」が実践され、私の視座に大きな変化が起こったと考えています。IAのカリキュラムでは主観と客観の行き来が重視されており、講義では上述のリスクマネジメントに加えて意思決定、デザイン思考を学びます。座学および実践、そして多様な業界のトップランナーによるトークセッションが組み合わせられており、主観と客観の行き来へと巧みに誘導されます。

 これによって、主観を大事にしつつも客観的な視点でリスク・リターンを考え、自分の軸を持って意思決定できるようになりました。IAの卒業に際して私が感じたのは、自分の軸を持ち、そして何かで突き抜けられる人材になることの重要性です。IAに参加するまではビジョンや軸が定まらず、幅広い活動に手を付けてきた私ですが、講師の方々、そして素晴らしい仲間たちに恵まれながら4ヶ月を過ごしたことによって見つかった軸を大事にし、自信の持てる意思決定をして道を切り拓いていこうと強く感じるようになりました。このような考え方や視座の変化も全て、地方から完全オンライン参加させて下さったIAの皆様、そして距離を超えて仲良くしてくれた3期生の皆のおかげです。

 最後になりましたが、お世話になった事務局および講師の皆様、そしてIAに関わる全ての方にこの場をお借りして厚く御礼申し上げます。

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