【悲報】主人公のトオル、アメリカ人にボロクソ言われる【受動性の具現化】ねじまき鳥クロニクルを英語版wikiで読む #11

今回からはMain charactersを精読していきましょう!

While this book has many major and minor characters, these are among the most important:

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沢山の登場人物がいるなかで、これらは特に重要です。
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Toru Okada: The narrator and protagonist, Toru is a passive and often apathetic young man living in suburban Japan. 

protagonist
主人公。

passive
受動的な。

apathetic
無関心な。
apathetic aをとったら pathetic 情けないです

suburban
郊外の
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岡田亨はナレーターで主人公です。トオルは受け身でしばしば無感心な若い日本の郊外に住んでいる男です。

なんていうか・・・すごい罵倒ですね笑
もし人に「君って受け身でしばしば無関心な若い男だね」なんて言われたらもう、なんていうか完全にヘコむ自信があります。
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He is Kumiko's husband and continually follows the orders or wishes of others.

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彼は久美子の夫で、絶え間なく(continually)命令(the orders)や他人の願い(wishes of others)に従っています(follows)。

いや、そこまで言うほど従ってるような印象ないんだけどなぁ。
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Toru is portrayed as an average man and the embodiment of passivity.

portray as 〜
(人やものに対して)〜であると表現する
名詞にすると ポートレイト portrait
肖像画という意味らしいですが、人物を対象とした写真をポートレイトといいますね。

embodiment of 〜
〜の具現化

passivity
受動性

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トオルは平均的な男(average man)かつ受動性の具現化であると表現されている。

やれやれ。いよいよ受動性の具現化というパワーワードまで飛び出してきました。
友達に「おまえって平均的かつ受動性を具現化したようなやつだな」というと簡単にケンカすることができそうです。
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He is a legal aid who is considering a law degree but has chosen to leave his job at a legal firm.

legal aid
司法扶助 なんかググってもよくわからないのですが、弁護士見習いをパラリーガルというみたいなので、そっちのほうが表現として正しいのかな?

firm
事務所 
firmは他にも 引き締まった 強固な しっかりとした などの意味にもなるみたいです。

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彼は弁護士見習いで、弁護士資格を取ろうと検討している(considering)が、法律事務所を去ることを選んだ。
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He spends his days doing house chores, cooking pasta, listening to the radio, and searching for their missing cat.

house chores
家事 
choreで毎日の雑事という意味。

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彼は家事やパスタを作ったり、ラジオを聴いたり、いなくなった猫を探して日々を過ごしている。

日本人の感覚では、家事の中にパスタを作ることが含まれそうな気がしますが、アメリカでは家事(house chore)と料理すること(cooking)は明確に区別されているのかもしれないですね。
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At the beginning of the novel, his life is mundane.

mundane
ありふれた日常

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小説の冒頭では、彼の生活はありふれた日常です。
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Toru spends a lot of time alone and the reader can see that he is not in control of many aspects of his life.

aspects
側面 

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トオルはたくさんの時間を一人で過ごし、読者は彼が生活の多くの側面でコントロールしていないことを見ることができます。
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His search for their missing cat that leads him into interesting adventures

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彼の探している猫が、彼をおもしろい冒険に誘います。
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と、いうところでプロタゴニスト・トオルの紹介が終わります。

いやぁなんて辛辣な!

この人物紹介にこそアメリカ人の視点が多く現れているように思えます。

おそらくアメリカ人の考えるヒーロー像の対極にいるのがトオルなんでしょう。

小説をよみながらイライラしてる様子が容易に想像できます笑

日本人の僕からすれば「そんな批判されるほどか?」と首をかしげたくなりますが、アメリカ人からすれば「oh ソンナの受動性の具現化デスヨ〜」と言いたくなるのでしょう。

ここで日本版wikiを見てみると興味深いことがわかってきます。

僕(岡田亨、おかだ とおる)
以前は法律事務所の事務員をしていたが、現在は無職。叔父から安く借りている世田谷の家で、妻と猫と住んでいる。
30歳で身長172cm、体重63Kg。カラマーゾフの兄弟の名前をすべて言え、炊事、洗濯、掃除などの家事や水泳を好む。

どうですか?
人物に対する視点がまったく違いますよね?

日本人的視点の特徴:

1 社会的ステータス
を重んじる。

世田谷の家とかわざわざ書く必要ある?
あとカラマーゾフの兄弟の名前をすべて言るとか作中でなんの意味もなさないどうでもいい情報なんですが、彼が「頭がいい」ということを暗に示すために載っています。(カラマーゾフの兄弟全部言える俺頭いいマウント)

2 その人がどういう年齢なのかめっちゃ気にする。

→これは儒教の影響かな? 
芸能界とか田中美佐子(61)みたいな感じでめっちゃ年齢全面に押し出しますが、本当に失礼ですよね。

3 身体的特徴知るの大好き

→身長172cm、体重63Kとか原作にあったか?というレベル。
よくみるスリーサイズとかもどうでもよくないですか?
人の美しさなんて自分の目で見て判断すればいいじゃないですか。
数値化することで、身体的バランスが取れていることを知り、綺麗だと感じているということは、自分の感覚をあまり信用していないのかな?

いやぁ、なんか結構ボロクソ書きましたね笑

まとめると

アメリカ人
・自主性を重んじる(受動的な態度が許せない)
・他人の見た目やステータスに興味ない。(一切言及してないですからね)
・家事の範囲に「パスタを作ること」は含まれない。

日本人
・相手の年齢や、身体的特徴気にする。
・相手がどこに住んでいるかなど社会的ステータスを気にする。
・相手が「どのように考え、どのように人生を選択しているか」にそもそも興味ない。(一切言及されてないですからね)

ということがわかりました。

それにしても、村上春樹がなぜこんなにも海外で人気があるのかが、よくわからないですよね。

僕は村上春樹大好きなのですが、アメリカ人とかイライラしながら読んでそうで、人気な理由がよくわからないですが、そのあたりもこれから考察していければと思ってます。

それでは、今日の復習いきましょう。

Main characters
While this book has many major and minor characters, these are among the most important:
Toru Okada: The narrator and protagonist, Toru is a passive and often apathetic young man living in suburban Japan. He is Kumiko's husband and continually follows the orders or wishes of others. Toru is portrayed as an average man and the embodiment of passivity. He is a legal aid who is considering a law degree but has chosen to leave his job at a legal firm. He spends his days doing house chores, cooking pasta, listening to the radio, and searching for their missing cat. At the beginning of the novel, his life is mundane. Toru spends a lot of time alone and the reader can see that he is not in control of many aspects of his life. His search for their missing cat that leads him into interesting adventures.

それではまた!


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