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優しく咲けたのなら

みんなに助けを差し伸べるには

数多の手と暇と資金が必要だ。


正義や平和なんて抽象的で非効率。

いくら芽を摘んだって蒔かれた種は夥しい。


観念したつもりでも衣食住の揃った環境で

遠い世界を画面越しに眺めるだけ。


利他主義の根底は利己主義ではないのかな。

賢い正義は悪とされるけれど。

正義と正義の殴り合い。

救われるのは誰だろう。

冷たい、温かい。

救いたい、救われたい。

どうやら人に優しさを与える為には

まず自分に優しくある必要があるらしい。


自分を甘やかしたり自分に厳しくするのは

わりと簡単なことだ。

自己犠牲、おせっかい、偽善、これらも。


優しさとはなんだろう。考える。


ありのままを認めて受け入れること。


無理に前向きになろうとせず

未来に過度に期待せず

些細な心の声に耳を傾けること。


体が疲弊したのなら何も考えず眠って

怒りが沸々と収まらないのなら深呼吸をして

哀しいのなら無視せず頬を濡らす。


嬉しいなら、幸せなら誰よりも

自身を称賛するべきだ。


そういった特別ではないことが

目まぐるしい現代社会では難儀なのだ。


頭の隙間を埋める無尽蔵な情報が

神経を麻痺させていく。

心を蝕んで空っぽにさせる。


だからといって情報社会だし

働かなければお金は得られないし

人と関わらないことも不可能だ。


自分のことなどどうでもいい。

だから世界がどうなっても構わない。

愛すべき世界と朽ちていく。


そうかなあ。


受け入れることと何もしないことは
同じなのか。


ボランティアに参加する元気はないけれど

見知らぬ人に道を譲ってみた。

コンビニのお釣りを募金箱に入れてみた。

旅行客に写真を撮りましょうと提案してみた。


一日一膳、は不器用な我々に便利な言葉だ。

ありがとうを求めてはいなくとも
素直な感謝は心を満たす。
何者かになれた気がする。

こんなか弱い勇気が
歯車に油をさす。

赤子のような優しさが巡れば好い。

私のほんの柔い余裕が誰かの為となれば好い。


だから私は私に優しくありたい。

疲れ果てても諦めない。

立ち止まるのは休息なだけ。

目を逸らさずに胸に抱く。

私から、目の前のことから。


受け入れることと何もしないことは違う。


思考を捨てず目標を手離さず自分を愛する。


先人から繋がれてきたものは

明確な技術や知識だけではないはずだ。


想い。


私は、私を、世界を受け入れる。


自分への優しさが誰かへの想いになる。


そうした先に、豊かな実りを心に馳せよう。



#未来のためにできること

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