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\無事修了/自分にとってのXデザイン学校

最終回は「オズの魔法使い」形式の各チーム発表で、講義はなかったので全体を振り返ってXデザインにどう取り組んできたかを書いてみる。

最終アイデアの振り返り

毎月、講義の後のワークでいろんな手法を実践し失敗を体験させてもらっては、何がわからないかすらわからない、とモヤモヤしてきた訳だけど、残り3回くらいの時期に突然、本当はこれをすべきだったあれをしたらよかったとか自分で思いつくようになった。
といっても、その後毎回の講義までに全然時間が足りない。とにかく時間がなかった。

ヒアリング▶︎リサーチ▶︎要素洗い出し▶︎価値の定義▶︎解決策決め▶︎評価▶︎調整

ほんとはこうやってみたかった。でも実際には、不十分なヒアリング・ズレたリサーチによって、その後のプロセスがどうこねくりまわしても何も出ない状態になってしまい、そうと気付いた時にはもう案は固めてしまわないといけない段階にきていた。

せめて出来たかもしれないなあ、時間の配分ミスったなと思うのは、最後の案でのプロトタイプを1度も想定ユーザーに触ってもらえていなかった点。もしくは開発者目線のプロトタイピングでもよかったかもしれない。そのためには前段のペルソナ/シナリオ法をやり直す必要があったので断念したのだけど、案を固める判断をもう少し早められていたらと、たられば後悔が残る。

パワープレイでなんとか形にしきったこと自体はチームワークを評価できると思う。なおかつ、これじゃあゲームチェンジになっていないよなという、しっくりこない感覚を全員同じ温度感で持てていたこともよかった。

組織で考えると、このフェーズは価値を定義し形づくってみて、自分たちの組織が向かう方向性を確認するためにある。きっとその次は実現可能性、収益性、リスクなどを点検していくのだろう。か?
ここで、価値の核心(や自社のアセット)を言語化しておくことで、調整するうちにせっかくの価値をうっかり削ってしまうことが防ぎやすくなりそうだなと思う。

それにしても企業さんにいただいた課題が難しかった!やりがいの塊でした。
企業さんの既存事業や体制などのわからないことに答えてくださったり、ワーク中に声をかけてくださったりと本当にあたたかく見守っていただいてとてもありがたかったです。

遠隔でのチームワークと活用ツール

最終発表の準備では、お互いになんとなく把握している得意分野をうまく分担できた。
うちのチームは6人中、他の地方から通うメンバーが3人とリモートでのコミュニケーションを工夫する必要があった。にも関わらず、最後まで空気はすごく良かったし思った意見やわからないことをわからないと言えるチームができていたと思う。
ここについては対面でもテキストコミュニケーションでもオンラインMTGでも初動でいかにどうでもいいちょっとしたことをどんどん率先して発言していくかだと思う。
また、コミットするバランスを仕事の忙しさはもちろん完全なプライベートの遊び予定なんかも含めて個人にゆだねて、誰かが忙しいときは他の誰かがやるよー!と声を挙げる空気づくり、どんなにアイデアがまとまらなくてもごはんや睡眠はちゃんと確保しようという心がけw、みんな本業がある中で進めていくプロジェクトとしてはこのへんの余白づくりも大事だったと思っている。チームでMTGをやりはじめたごくごく最初の頃にこうしようよ!と皆で提案し合って足並みを合わせられたので、すごくよかった。

ツールは作業が具体化するにつれて少しずつ追加されたけど、おおよそこのあたりを使っていた。レンダリングのような、流石にローカルで進めないと重たい作業以外は基本的にクラウドツールしか使わなかったので、それぞれの作業や進捗が誰でも好きなときに見られるようになっていた。(平日の夜にひとり作業していてふとメンバーのアイコンに気付き、お、見てる見てる、と「視線」を感じながらスライドとか作るのはなかなか好きだ)

Googleドライブ
スプシやスライドは何も考えず新規作成すると個人の「マイドライブ」に入ってしまって、都度そのファイルを共有しない限り他の人からは見えない。必ずこのドライブ内でファイルを作ろう、とルールを最初に決めた。
Googleドキュメント
MTG中にアジェンダと決定事項(次のタスクと期限)をGドキュメントにメモして、参加できなかった人への共有や参加者同士の認識合わせに使っていた。
Googleスプシ
コースの序盤では、ディスカッションの内容を分類してメモしたりしていた。途中でMiroに移行してからはスプレッドシートはほとんど使わなかったかも。
Googleスライド
発表用資料に使った。他のメンバーが作成したプロトタイプ画像や動画を挿入/差し替えする必要もあったし、オンラインで話しながら内容を固めることも多かったのでちょこちょこ同時作業していた。
Figma
うちのチームの案ではスマホと別にもうひとつ筐体があってそっちのUIもあったため、2名でそれぞれの制作を分担していたのと、他のメンバーもMTGでそれを見ながらこここうしてはみたいな提案したりしていた。初めて使うメンバーがほとんどだったけど、マニュアルなしでやれていたと思う。
Miro
アイデア出しなどの発散的な会話、上位下位関係分析、CVCAを描くような作業はだいたいここでやった。MiroのURLだけ共有してもなかなか見る暇のない忙しそうなメンバーがいたら、PDF書き出しか次のタスクに関わる重要部分だけスクショしてFBメッセに投げたりしていた。
Zoom
オンラインでのMTGはたぶんすべてZoomで行った。最初のほうはカメラONで使っていたが、後半みんなグロッキーになりはじめた時期には、女性も数名いたしすっぴんがとか寝巻きがとか面倒なのでカメラOFFでもいいっしょと音声のみで進めたりそのへんは適当に。途中で食事休憩はさんでから後半戦とかもあったw
FBメッセ
メンバー全員がXデザイン学校のFBグループに入っている状態でコースが始まるので、自然とチーム内のやりとりはFBメッセになった。MTGがない日でも、参考になりそうな記事やどうでもいい雑談をしていた。(見てほしい議事録とかが流れるときもあったけどこのプロジェクトレベルだとどれだっけ〜で済むのでそこまで支障なかった)
Slack
発表資料を作りはじめるタイミングで並行する作業がいっきに増え、なおかつ差し替えや変更の頻度が高かったためFBメッセからSlackに移行した。普通に最初からSlackでもよかった気もするけど、うちのチームは普段の業務でSlackを使っている人ばかりではなかったので、馴染みのないツールをこのためだけに導入して序盤の会話が減るよりは、途中切り替えの形でよかったのかなとは思う。

個人的に数百名規模で全員リモートワークの企業に約3年勤めてきた身としては、コラボレーションは遠隔でもできるが信頼関係あってこそ。
そして信頼関係を深めるにはオンラインならオンラインのやり方がある

ただ、質的調査についてはその現場を複数の目で見たいし、ホットなうちに分析まで持ち込みたいので、正直その場で物理的に一緒にいられないのは致命的だと思う。講義翌日に大阪で集まったりしたからその点もなんとかできるけど、遠方からの参加なので集まる候補日が講義がある週末に限られてしまうつらさはあったかな。

投資額

いいお金の使い方をしたと思っている。今自分に必要なものを得られた実感があり、この額を投じてよかったとすごく思えている。
まず、福岡に住んでいるため(大阪人だけど)、毎月博多-大阪間の往復となる。考える労力が嫌なので毎月同じ時間のこののぞみ、と決めて早割で購入してきた。エクスプレス予約利用者なので仮に予定が変わっても5分前まで変更できるし早く取って損はない。
それから、個人的に身体がそんなに強くないため、確実に睡眠がしっかり取れる宿でないと体調を崩す懸念があって、何がどうなっても風邪とかマジでひきたくないマンなので宿は一定以上の金額のところを取りたかった。1ヶ月前くらいに予約することで多少は費用を抑えたかもしれない。
また、Xデザイン学校の懇親会は、いわゆるそれと少し違っていて、他者と感想を交わすことで自分の学びを反すうするリフレクションの場になっていて、必ず出ることを一応意識していたためその参加費も毎回必要だった。あとはまあ、当日ちゃちゃっと昼食を取ったりももちろんする。
ざっくり考えると、金額的には下のようになる。

宿泊費、新幹線往復代:¥30,000
昼食、懇親会など食費:  ¥5,000

そして1年間で講義が10回、うち1回をやんごとなき事情で欠席してしまったので(ものすごく悔しい!損した!!)9回分と考えると、
¥35,000×9回=¥315,000。早期割引で支払った学費が20万円なので、トータルで約50万円を金額的に投資したことになる。ひぃ!
なんなら、講義外で自主的にMTGしたり作業を進めたりしてきた分の時間を時給で換算したらもっとコストはかかっていることになる。

とまあこんな感じだけど、過去学びのために払ったお金で一番、具体的な行動を促すお金だったなあとすごく満足度が高い。
さてさて、自分はこの先どうこれを回収するのか?自分にとってはとても大事な、心に留め置きたい金額になった。

Xデザインで学んだこと

ひとつは姿勢かなと思った。
ユカタンの産婆さんが、テクニックを学ぼうとして学んだりマニュアルを読んで産婆さんになっていくのではなく、産婆である母や祖母たちのそばで「発達」していく話を浅野先生がしてくれた。
ベーシックコースでは全回を通してワークがあるので、見よう見まねで形を真似てやってみて失敗して、あれこうかな?と自分なりに調整して、という経験ができる。質的な価値に向き合おうとする人間ならまず持っているべき姿勢のようなものを知ることができたと思う。
ユカタンの産婆さんの話はここにも紹介されていた↓

HCD-Net コラム「学習と発達(浅野 智氏)」
https://www.hcdnet.org/hcd/column/post_7.html

あとは、浅野先生の目を追体験できることが大きかった。同じものが視界にあっても自分には見えていないこと、また同じ話を聞いてもそこを捉えるのか!という発見が1年を通して続いた。先生が街を歩いているときはその後ろをシャドーイングすると大変おもしろい。w

手法やテクニックなどの知識は書籍などから得られるけれど、この2点は1年間通ったからこそ感じられたことかなあと思っている。

いや、濃かった〜。ひとまずは無事修了。

先生、みなさま、一年間ありがとうございました!

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・・・番外編

段ボールを演じたのは人生初だった。
(人工物のアクティングアウト)

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今日もツボりすぎて泣いてた人w

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アクティングアウトの相棒?が無残な扱いを受けていたw

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おつかれさまでした〜!また近々!

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