見出し画像

イエローストーン国立公園運転なしソロ旅

 シートン動物記で育ったせいでイエローストーン国立公園に長年憧れを抱いてきたものの、その立地と広さ、値段にショックを受け、公式サイトとTripadvisorとその他もろもろの中で情報迷子になってしまったペーパードライバーのソロトラベラーのお役に立てればと思い、2023年6月上旬の経験談を記事にしてみます。

行程

時期:6月上旬
宿:Cross Winds Inn(West Yellowstone空港から送迎あり)3泊4日
ツアー:Yellowstone Hiking GuidesのLower Loop Van Tour(2日目)とUpper Loop Van Tour(3日目)

費用:計約22万円($1=¥140換算、飛行機代・グッズ代除く) 
 内訳:朝食付宿泊代$936、ツアー代(昼食サンドイッチ、スナック、水 付)$292×2、Grizzly&Wolves Discovery Center(以降GWDC、NPO法人の保護施設)2日間有効の見学料$16.5、食費(初日夜のみ有名店でハンバーガーのテイクアウト、残りはスーパーで適当に買った冷食やお惣菜)

基本情報

 イエローストーン国立公園は世界で最初の国立公園で、Upper LoopとLower Loopと呼ばれる南北にそれぞれループ状になったコース(全体でデジタル表示の8みたいな感じ)があります。西側のエントランス周辺がWest Yellowstoneという今回宿泊したエリアで、West Yellowstone内はどこに泊まっても徒歩で後述の保護施設も、スーパーやレストラン、ギフトショップに余裕でアクセスできるので趣のある店構えと合わせておすすめです。ただし、West Yellowstone空港は6月からの夏季限定で、ソルトレークシティーからDeltaとUnitedが使えます。
 冬もアクティビティはあり、比較的安いうえオオカミ遭遇率が高いとかメリットはあるものの、雪深く寒いのでアクセスできる空港や宿、ツアーがだいぶ限られてました。ソロかつレンタカーもなしとなると、Amtrakのvacationツアーを使うくらいしないと足の確保が難しそうという印象でした。ちなみに、5月中旬までだいたいのところで雪がまだ残っていたらしい。
 1人でのハイキングはどのガイドさんも口を揃えて"Don't hike alone! Never!"ということで、ダメ、絶対。というかそもそもエントランスが高速道路の料金所みたいになので、まず徒歩で入る気にはならないですが。公園内も、観光地エリアやコースが決まっていてわんさか観光客がいるようなところは1人でプラプラできたとしても、そこに至るまでの道はただの道路と自然(大型草食・肉食野生動物含む)のみ。しかも1日に四季があると言われるくらい、天気が変わりやすいです。

見たもの(公園内)

 個人的には野生動物とイエローストーン=硫黄の岩、というイメージしかなかったのですが、よくガイドブックでみるダイナミックな間欠泉(The Old Faithful Geyser)やカラフルな温泉が集中していているLower Loopはコロコロと目まぐるしく風景が変わって面白かったです。かなり観光客で賑わっているので、海外口コミだとUpper Loopの方が動物がたくさん見られるし人も少ないしでおすすめ、というのを結構見たのですが、やはり初めてなら通ぶらないで王道のLower Loopは外せなかったなと。というかもう一度行ってもLowerは一周したい。
 Upper Loopの方はMammoth Spring以外主に山やセージがたくさん生えた丘なのであんまり風景に変化がなく専ら動物探しのコース。過去バイソンを繁殖させていたところや、カナダからオオカミを再導入した地点があり、「おおーここがそうなのかー」という感じはあるものの、、実際、コヨーテ、ワシ、グリズリー、オオツノヒツジ(メスのみ!)、鹿、プロングホーン(足速い縞模様の鹿じゃない四つ足)、アメリカアカシカ(エルク、いかつい鹿)、プレーリードッグ、(大量の)バイソン、を見ることができました。
 それにしても、観光客、子供含めてエルクと鹿とプロングホーンを瞬時に区別することに驚く。見分けは確かにつくけれど、鹿といえば奈良か宮島の方々しか知らない文化圏出身としては軽いカルチャーショック。バイソンは単純接触効果かだんだん大好きになりました。

ツアーについて

 予約したVan Tourは、早朝7時or6時出発で夕方2時~5時頃戻りで、非常に詳しいガイドさんが1人で運転しながら、解説しながら、要所要所で休憩や徒歩散策コースをはさみながら、Loopを1周してくれます。Van1台に乗れる最大12人程度が定員。2日とも1人なのは私だけでしたが、ガイドさんや一緒になったご夫婦や家族がフレンドリーで、長時間でも全く苦にならず。West Yellowstone内の宿泊施設どこでも送迎してもらえるというのが非常にありがたい。
 ちなみにガイドさんは、夏だけこの仕事をしているそうで。毎日結構ハードスケジュールとはいえ、憧れの働き方・副業だなと。

GWDCについて

 イエローストーン国立公園内の動物の保護をしているNPOの施設で、グリズリーの保護関係の展示と、ケガなどで保護されたのち、そのケガや性格から野生環境に戻るのが難しい個体の飼育環境をそのまま見られるようになっているところ。つまり、公園内で出会えなくても、ここで必ずハイイロオオカミとグリズリー(加えてカワウソ、ハゲタカ、ミミズク、ワシ、プレーリードッグ、他)が見学できるというわけです。グリズリーとオオカミエリアはなんとウェブカメでも見られます。オオカミ達は大抵日中は寝てますが。
2日目に、オブシディアン君(群れが苦手な若者)が鳥を捕まえようとするなど動いている姿を存分に見ることができて、一層オオカミ愛が深まりました。ほんと一挙一動可愛いしかっこいいし美しいのよ。

  さらに、ギフトショップが非常に充実していて、推しのブロマイドや写真付きグッズも購入可能。NPOということでグッズ収益が保護活動の支援になるので、通常のイエローストーングッズよりちょい高めとはいえ気持ちよく買い物できます。

 ということで、West Yellowstoneに泊まればソロでも(お金はかかるが)ツアー等で公園内も満喫できるし、天気が悪いなどで公園内が十分に回れなくても、GWDCも飲食店・スーパーも徒歩圏にあるので満足できる可能性が高いかな、という感じです。そして、Lower Loopはマスト。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?