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[ブロードウェイ感想] Lempicka


概要

 Tamara de Lempickaという1920年代と1970年代の2度ブームを呼んだ実在のポーランド人画家(女性)の波瀾万丈な半生を描いた2024年新作ミュージカル。Directorが5年目を迎えたHadestownと同じRachel Chavkin。主演2人がトニー賞にノミネートされているにも拘わらず、3か月余りで閉幕してしまったもはや幻の作品。Lempickaは一応キュビズムにカウントされるのだそう。ちなみにMadonnaも彼女の作品のコレクターの一人。

好きなところ

 とにかく新しい、似たものが思いつかないチャレンジングでハイセンスな作品だったのです。音楽は強めのソロが次々に入るパワフルなもので、歌詞が洗練されていて世界観に没入できる。舞台の作りもLempickaらしいシャープで構築的なデザイン。クィアのキャラクター、女性の多様性、ロシア革命&ナチズムの影という濃い時代背景をがっつり盛り込みつつ、テーマとしてHadestown同様「機械&お金」と「人間性&愛」が対比されつつ、かと言って対立はせず、しかしながら「満たすことができるのは目の前の一つのキャンバスだけ」に最終的に着陸させる、という今っぽさ。憧れこそすれ共感要素がほぼないTamaraのキャラクター(金と地位と名声と美貌を備えてかつ超情熱的でハードワーカーなつよっつよキャラ)でありながら、感情移入できるようになっているのはセリフやストーリーの緻密さとも思う。カッコいい、重くないけど濃い、若干難しい!というのが、もう好みど真ん中でした。どうかちょっとでもファンが今からでも増えて欲しいので動画を。

同じ監督の作品のグレート・ギャツビーのミュージカル「GATSBY American myth」が現在ボストンで8月まで公演しているという。めちゃくちゃ観たい、、観に行った人どうかレポートしてください、、

推しのHadestownはこちら


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