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3歳未満の子どものアタッチメントと養育時間

この記事はファブリシウス准教授から承諾を頂き、最新論文「Attachment and Parenting Time for Children Under Three Years of Age」を翻訳・公開するものです。今回の翻訳と無料公開の承諾にあたり、教授に深く感謝の意を表します。

ウィリアム・V・ファブリシウス
心理学科
アリゾナ州立大学
アリゾナ州テンペ
William.Fabricius@asu.edu

発達心理学と法律のオックスフォードハンドブック(オックスフォード大学出版局)」
アリソン・レドリッチとジョディ・クアス(編)に、2022年に掲載予定。

略歴

 ウィリアム・ファブリシウスは、アリゾナ州立大学の心理学准教授であり、法と行動科学の提携教員でもある。彼の研究は国立衛生研究所の支援を受けており、小児期および青年期における社会的認知発達、青年期および若年成人の心身の健康における父親の役割、および親の離婚後の子どもの監護権に関する社会政策に焦点を当てている。2013年にアリゾナ州の子どもの監護権に関する法律の改正に貢献し、平等な養育時間を支持した。

謝辞

エイブラハム・サギ=シュワルツとマリヌス・ファン・アイゼンドールンから、初期の草案に関する有益なコメントと提案が寄せられた。

キーワード:

乳児アタッチメント、平等な養育時間、親子関係、監護権政策、男女平等

概要

 アタッチメント理論は、乳幼児が養育者とどのように感情的なつながりを持つようになるかに関する現在の標準モデルである。本章では、アタッチメント理論や研究から導き出される、子どもの出生後に一度も同居しなかった両親か、あるいは別居前に一定期間同居していた両親の3歳未満の子どもの宿泊子育て時間に関する法的方針への示唆に焦点を当てる。
 第一に、現代アタッチメント理論の基本原理を紹介し、次に、子どもが健全な社会的、感情的、ストレスに関連した身体的健康を発達させるためには、親子関係から得られる感情的安心感が重要であるという研究結果を簡単に紹介する。第2に、乳幼児の泊り掛けの養育時間に関する最近の激しい議論を概観し、関連する研究と知見を議論する。第3に、理論や知見の現状から導き出される意味を考察し、3歳未満の子どもの養育時間の平等化を促す政策を支持することが分かった。最後に、養育時間を平等にすることは、子どもの長期的な健康という観点から子の最善の利益に貢献するだけでなく、男女の平等にも貢献することが主張される。したがって、男女の平等は、平等な養育時間を前提とした一貫した新しい監護権政策を見出すために必要な原則的な法的枠組みを提供する可能性がある。

はじめに

 シドニー大学法学部教授のPatrick Parkinsonは、2011年に出版した「家族法と親子関係の不解消性」の中で、1960年代から1970年代にかけての離婚革命は、離婚を元夫婦が自由に別々の人生を歩むことのできるサッパリとした解消として確立しようとしたが、別の大きな文化変化に正面からぶつかった、という論文を発表した。第二の大きな変化は、子どもの健全な成長には父親が重要であり、そのためには離婚後の「親子関係の不解消性」を受け入れることが必要である、という認識である。現在、多くの国で、文化的規範は、子どもが関わる離婚を、単純な大人の関係の解消ではなく、むしろ、子どもと両親の関係を維持するために、継続する大人の関係を再構築するものとして捉えるようになった。Parkinsonのテーゼは、法制度が文化的な変化についていけなかったというものである。Parkinsonは、一貫した新たな監護権政策を見出すための基盤となる原則的な法的枠組みや「離婚の意味における哲学的変化」(42頁)が出現しておらず、「改革を達成するには不十分なコンセンサスか、矛盾に満ちた法律に通じる不満足な妥協のいずれか」(9頁)に帰着すると主張している。2006年のオーストラリアの監護権法改正で大きな役割を果たしたParkinsonは、そのことを知っているはずである。
 法的なコンセンサスが不十分で、満足のいく妥協ができないというParkinsonのテーゼは、本章「3歳未満の子どものアタッチメントと養育時間」のトピックに十分示されている。このトピックの最近の歴史的背景は、選ばれたアタッチメント着研究者へのインタビューを取り上げた「アタッチメント理論、別居、および離婚」に関する「家庭裁判所レビュー」特別号(McIntosh、2011) に由来している(より長い歴史については、Warshak、2018 を参照)。その後、Kelly(2014)、Lamb(2012)、Ludolph(2012)は、編集者のMcIntoshがアタッチメント研究者の様々な意見を反映していないコメンテーターを選んだと批判した。この特集号の直後には、トピック「アタッチメント、脳科学、離婚と子ども」に特化した2012年年次家庭調停裁判所協会(AFCC)会議を開催した。特別号と会議の両方が、非常に幼い子どもの監護親(通常は母親)から離れた宿泊型養育時間について警鐘を鳴らした。
 AFCC指導部は2013年にフォローアップのシンクタンク会議を開催した。この会議は19人の社会科学者と精神保健実務者、12人の法律家、1人の実践主義教育者で構成され、警鐘を鳴らす根拠となった限定された研究を評価し、実践と政策への影響を検討することを目的とした。しかし、シンクタンクはコンセンサスを得ることなく、研究がこの問題に決着をつけていないと結論づけ、「家庭裁判所レビュー」の第2回特別号(Pruett & DiFonzo, 2014)で報告されているように、幼い子どもの泊り掛けの養育はどの位が理想的か規定することを避けた。
 それにも拘らず、3人のシンクタンクのメンバーは、彼らの間でコンセンサスを追求し(Pruett, McIntosh, & Kelly, 2014;McIntosh, Pruett, & Kelly, 2014)、泊り掛けの養育時間は非常に低頻度にすることを推奨する、生後3歳までの子ども向けの個々の診療に関する詳細なガイドラインと一般的な方針を提案した。一方、Warshak (2014) は、この問題をより広い学界と法曹界に注目させ、その結果、生後3年間に子どもが頻繁に泊り掛けの養育をすることは、父子関係に有益であり、母子関係に害を及ぼすものではないことを支持する、110人の心理学者と家族法学者が、別のコンセンサス・ステートメントに署名した。更に、Nielsen (2014) は、乳幼児の泊り掛けの養育時間に反対する支持者が、このトピックに関して為された4件の実証研究を誤って伝えていると主張した。
 最後に、70人の著名なアタッチメントの専門家が、2011年に発行された「家庭裁判所レビュー」の最初の特別号から10年後にコンセンサス・ステートメントを発表した (Forslundら, 2021)。アタッチメントの専門家たちは、泊り掛けの養育時間に関する議論におけるアタッチメント理論の誤用に対するNielsenの批判を繰り返すだけでなく、重要なことに、アタッチメントに関する主流の科学的知見を提示し、個々の子ども保護事件は勿論のこと、個々の離婚事件において、訓練を受けていない監護権評価者が、アタッチメント研究者が研究目的で長年かけて開発した科学的手段を使用しようとすることの危険性に警告を発した。その研究目的とは、アタッチメント発達の基本的なメカニズムを理解するために、一方では子どものアタッチメントの安定と不安定、他方では親のアタッチメント関連行動を測定することである。Forslundら(2021)は、世界中の児童保護機関において、定義が不明確で主観的に評価された「アタッチメントの不安定」を利用して、子どもを家庭や安定した里親のもとから連れ出す傾向が強まっていることに、力強く、そして正当に反発した。Forslundら(2021)の批判は、子どもの監護権決定における主観と文化的バイアスに関する最初の批判(Rodham, 1973)の系統を直にひくものであり、1973年以来連綿と続くこうした批判の最新版である(例えば、Emery, Otto, & O'Donohue, 2005)。しかし、私たちの目的からすると、Forslundら(2021)は、非常に幼い子どもの泊り掛けの養育時間に関する政策提言に対し、同時期に蓄積したアタッチメント理論や研究の相当な財産を引き出すコンセンサスを取らなかったことになる。
 歴史的な背景に照らして、この章をアタッチメント理論の簡単な概要から始める。次に、3歳未満の子どもの泊り掛けの養育時間に関する研究について説明する。最後に、アタッチメント理論と、3歳未満の子どもの泊り掛けの養育時間の政策と実践に関する研究の意味についての議論で締め括る。

アタッチメント理論

 乳幼児が親とのアタッチメント関係をどのように築くかについての現代的な理論は、イギリスの精神科医ジョン・ボウルビー(1969; 1973; 1980)の研究によるものである。アタッチメント理論によれば、人間の乳児は、あらゆる大人と積極的に関わり始め、自分の世話をしてくれる大人を好み、そしてその後のアタッチメントをゆっくりと育むように生物学的にプログラムされている。アタッチメント関係を築くことで、乳児は悩んだときにシグナルを発し、アタッチメントのある人物から癒される反応を期待し、それを得ることができる。このような信号と反応のサイクルは、乳児の生存を保証するだけでなく、安全基地と呼ばれる安心感を築き上げ、幼児が謂わばアタッチメントのある人物が自分の背中を押してくれるという自信と信頼をもって、物理的・社会的世界を独立して探索し始めることを可能にする。アタッチメント理論に基づき、安定した親子関係は、社会的スキル、メンタルヘルス、自尊心、教育達成度、人間関係の成功、生涯収入など、多くの分野における健全な発達の最も信頼できる予測因子のひとつである(Lamb & Lewis, 2010)。
 現代の研究では、強い親子関係がもたらす好ましいアウトカムのリストに、身体の健康が加えられている(Ranson & Urichuk, 2008; Troxell & Mathews, 2004)。アタッチメントの発達に伴う乳児の信号と世話をする人物の反応のサイクルは、乳児の発達中の生物学的ストレス反応調節システムのセットポイントを確立する役割も果たしていることが、アタッチメントと身体の健康との関連に関する研究から示唆されている。ストレス反応がうまく制御されていると、脅威や危険に対応することができ、危険が去ると健康的なベースラインの平衡状態に素早く回復することができる。
 アタッチメントと身体の健康との間に関連性があることは、他の実験手順の一環として、乳児期の早い時期に母親から短時間ながら繰り返し引き離された子ネズミに関する気づきで示されたのが最初だった(Caldiら, 1998)。再会すると、分離された子ネズミは、分離と再会を繰り返していない子ネズミよりも、より多くの母親の癒し行動(舐める、毛づくろいをする)を受けた。このように人為的に強化された分離と再会のサイクルは、母乳が必要な子ネズミの脳の化学的性質を変化させ、その結果、将来のストレッサーに対する反応をより制御し、ベースラインへの回復をより早くし、年齢に関連する衰退をより穏やかにし、寿命をより長くする結果となった。
 アタッチメントと慢性的なストレスに関連した身体的健康との関連に関する公衆衛生文献の初めての調査は、2002年にRepetti, Taylor, and Seemanによって報告された。彼らは、1960年代にさかのぼる大規模な公衆衛生学的研究に、子ども時代の支援不足や養育不足が、数十年後に高血圧、心臓病、糖尿病、肥満、一部の癌などの深刻な慢性疾患の発生率の上昇につながるという証拠を発見した。Repettiら(2002)による他の研究では、養育不足と慢性疾患の関連性の1つとして、子どもの発達中のストレス応答システムの調節不全が指摘されている。ストレス応答調節の重要な構成要素のひとつにコルチゾールというホルモンがある。コルチゾールなどのストレスホルモンが瞬時に分泌されると、人を「闘争か逃走か」に駆りたてるのに役立ち、ストレスホルモンが適時に再吸収されると、健康な平衡状態に戻る。応答と回復のセットポイントが乱れると、子どもは慢性的な低レベルのストレスホルモンにさらされる時間が長くなり、心血管、代謝、免疫の各機能に障害をきたす可能性がある。調節不全は早い時期に確立され、その後持続する可能性がある。生後数ヶ月の期間に、母親が乳児のシグナルに示す感度が低いほど、ストレスフルな出来事の後の乳児のコルチゾールの回復が遅くなる(Albersら, 2008) 。若い成人期に、子ども時代に家族関係が悪かったと答えた大学生は、血圧が高く、ストレスに対するコルチゾールレベルも高かった(Luecken、1998)。
 誤解されがちなアタッチメントの3つの重要な側面は、生後2歳までは普遍的なアタッチメントの発達時期であること、安定したアタッチメントと不安定なアタッチメント、複数の養育者に対するアタッチメントである。
発達時期。生後6ヶ月頃までの初期には、乳児は一般的に大人に対して無差別に反応し、交流することに喜びを表し、ある養育者から離れて別の養育者に加わることにストレスを表さない。乳児の包容力の理由は、生後6ヶ月の間、乳児は養育者と見知らぬ人とで異なることを期待する認知能力がまだ発達していないためである。全てのものが新しく、興味深いものであり、特に人はそうである。
 しかし、生後7ヶ月から9ヶ月頃になると、乳児は特定の養育者に対する期待を徐々に獲得し、見知らぬ人を警戒し始め、養育者に対する感情的アタッチメントを確立していることが次第に明らかになる。生後9ヶ月から24ヶ月の間、乳児はアタッチメント関係を維持し、その恩恵にあずかることに完全に取り組む。動揺したり悩んだりしているときは、その大人たちに安らぎを求め、動揺したり悩んだりしていないときは、その大人たちに遊びの交流を求める。
 従って、生後7ヶ月から24ヶ月頃までは、通常の養育者からの予期せぬ長期間の分離を避けるための最も重要な時期である。乳児がアタッチメントを持ち始めた大人がいなくなることは、乳児にとって長期的かつ慢性的な脅威として感じられる。見知らぬ人が現れたり、親が部屋を出ていったりするなどの急性の脅威は、苦痛を知らせ、なだめるような応答を受け取ることで対処できる。しかし、不在にしているアタッチメントを持つ人物にシグナルを送っても聞き入れられない。乳児の認知、感情、および生理学的システムは、その特定の親からの応答を予測することを学習していたのに、応答がない状態が長く続くと、そのシステムは混乱する。分離が長引くほど、乳児はより混乱し、見捨てられたと感じ、乳児の発達中のシステムがストレスホルモンの慢性的な放出にさらされる時間が長くなり、誰かを信頼することの危険性について無意識のうちに生涯にわたる教訓を学ぶ可能性が高くなる。ボウルビーの初期の研究では、幼児が入院によって数日間親から引き離された場合でさえ、子どもの激しい苦痛と親子関係の混乱が、子どもが帰宅した後に6ヶ月も続くことが示された。この結果を受けて、小児科病院の方針が変更され、子どもの入院中に親が同伴することが認められるようになり、当初は医療界の抵抗があったが、現在では社会的規範となっている。両親からの引き離しに関する同様の調査結果は、1990年代までに放棄された慣行である、両親から離れた共同センターで毎晩寝ていたイスラエルのキブツの子どもの研究から得られている。研究者は後に、これらの子どもたちの親へのアタッチメントに長期にわたる障害があることを発見した (Aviezer, Sagi, & van IJzendoorn, 2002; Aviezer, van IJzendoorn, Sagi, & Schuengel, 1994)。
 ボウルビーの第二次世界大戦後の孤児院に関する初期の研究は、里親や養子縁組政策の改革につながり、生後6ヶ月頃までに恒久的な親と早期に一緒に居ること、それが不可能な場合は、生後24ヶ月頃まで一時的な里親に預けておき、それ以降は恒久的な親と一緒に居ることを強調した(早期施設収容の影響に関するコンセンサス・ステートメントと現在のレビューは、それぞれDozierら、2014;van IJzendoornら、2020を参照)。約7カ月から24カ月までの期間にアタッチメント関係を確立し、維持することの重要性を確認できるのは、1990年代初頭にイギリスの家庭に養子に出されたルーマニアの孤児の研究である。ルーマニアの孤児院では、個人的な養育が異常に奪われていたにも拘らず、乳児が生後6ヶ月以前に養子に出された場合、日中のコルチゾールレベルと養親へのアタッチメントは、養子縁組家族の対照群と差がなかった。一方で、生後6ヶ月以降に養子縁組をした場合は、イギリスの中流家庭への養子に根本的に変わったにも拘らず、日中のコルチゾールレベルと施設養護特有のアタッチメント障害の有病率は対照群と比べて有意に高く、コルチゾールレベルとアタッチメント障害はともに養子縁組時の年齢が上がるにつれ増加した(Gunnar, Morison, Chisholm, & Schuder, 2001; Rutter, O'Connor, & the English and Romanian Adoptees Study Team, 2004)。施設養護に特有のアタッチメント障害は、養父母へのアタッチメントが発達しなかったことを程度の差はあれ反映しているようで、見知らぬ人の前では純情ぶる、ヘラヘラする、過度に活発、過度に興奮する行動を特徴としていた。
 安定したアタッチメントと不安なアタッチメント。乳児は生物学的に養育者に対するアタッチメントを発達させるようにプログラムされているが、長期間養育者と分離するとは進行中のアタッチメントが崩壊し、特定の個人に向けられた養育が欠如するとアタッチメントを開始する機会が妨げられることが分かっている。しかし、正常な養育環境であっても、すべての親子のアタッチメントが同じであるとは限らない。単に定期的で一貫した養育を受けるだけで、乳幼児の安定に対するアタッチメントのニーズが満たされると考えるのは間違いである。アタッチメントは安定であることもあれば、不安定であることもあり、養育時間の規則性や量だけでは、安定したアタッチメントが発達するのに十分ではない。不安定の割合は、子育ての文化差によって異なるが、常に相当なものであることが分かっている(異文化間の検討については、Mesman, van IJzendoorn, & Sagi-Schwartz, 2016参照)。例えば、アメリカの中流家庭では、親子アタッチメントのうち、安定したアタッチメントに分類されるのは約3分の2である。つまり、約3分の1が不安定に分類される。安定した親子アタッチメントを確立できない率が33%ということは、アタッチメントの発達が言語の発達と異なることを示している。どちらの発達も生物学的にプログラムされているが、どの集団においても、3分の1の子どもが自分のコミュニティの言語を流暢に話せるようにならないというようなことは寡聞にして聞かない。養育者との言葉の意思疎通において十分流暢に言葉を話せるのに対し、養育者との社会的意思疎通においてはアタッチメントの安定性が十分ではないのであろう。
 親子アタッチメント関係の安定と不安定は、両者の関係への貢献度を反映している。親は乳児のシグナルにどれだけ反応するか、また、乳児はイライラしやすいか、どれだけ早くなだめられるか、それぞれ異なる。親と乳児の両方の行動によって、乳児のシグナルに対する親の応答が鈍くなると、不安定なアタッチメントが発達しやすくなる。シグナルと応答のサイクルに混乱が生じるのである。訓練された研究者が行った実験では、アタッチメントが不安定な幼児(不安定回避型と呼ばれる)の中には、悩みがあっても親にシグナルを送らず、親がなだめる応答を始めることも期待しない子がいることが明らかになった。まるで親からの慰めを期待することを諦め、その代わりにその親に対して苦痛の感情を隠しているように見える。他のアタッチメントが不安定な幼児(不安定抵抗性とラベル付されている)は、苦痛のシグナルを送るが、親が反応してもなかなか慰められようとしない。それどころか、親がなだめようとしている間に、その親に対して攻撃的な行動をとる。どちらの場合も、子どものストレス反応系が健全な平衡状態に戻ることは容易ではない;その代わりに、怒りによって不均衡な状態に保たれる。怒りは、どちらのタイプの不安定なアタッチメント型でも、それぞれ密かに、そしてあからさまに表現される。アタッチメントシステムにおける怒りの役割はよく分かっていないが、養育者への警告メッセージとして機能する可能性がある。恐らく一部の親がこのメッセージを理解し、より効果的なシグナルと応答のサイクルを確立できるようになると、子どもの幼少期における不安定なアタッチメントがより安定する可能性がある。同様に、最初は安定していたアタッチメントが、長期の分離の結果だけでなく、子育ての質が低下した結果、より不安定になることもある。回避型アタッチメントと抵抗型アタッチメントは、大人になってからも容易に観察することができる。不安定なアタッチメントの過去を持つ成人は、否定的な意図をパートナーに帰する傾向があり、引きこもりや攻撃という形で怒りの反応を示す傾向がある。
 不安定なアタッチメントは、Repettiら(2002)がストレスに関連した心身の健康問題が人生の後半に予測されることを発見したのと同じ種類の危険な家庭環境の多くに起因している。例えば、Flinn and England (1997)は、幼期から青年期にかけてのコルチゾール反応プロファイルの異常、免疫力の低下、病気の頻発は、健全なシグナルと応答のサイクルを妨げ、不安を助長する親子の意思疎通パターンの種類、即ち、親からの注意が得られないか、得られたとしても不規則であること、肯定的で愛情深い意思疎通が少ないこと、否定的な意思疎通が多いことに遡ることができると報告した。一方、家庭環境は、どのような親と乳児にとっても、安定したアタッチメントを確立し、維持することを難しくする可能性がある。Flinn and England (1997)は、母親が頼れる仲間や親族のサポートが殆どない場合、子どもがプラスになる子育てを受ける可能性は低くなると報告している。また、離婚や両親の高葛藤により、子育ての質が低下し(Sturge-Apple, Davies, & Cummings, 2006)、子どものコルチゾール反応性に悪影響を与え(Davies, Sturge-Apple, Cicchetti, & Cummings, 2007)、子どもの心の安定が脅かされる。一方で、葛藤の減少につながる家庭環境の改善は、子育てを強化し、親子関係をより安定的なものにする(Cummings & Davies, 1994)。
 複数の養育者へのアタッチメント。二人親家庭の乳児は、父親が乳児と過ごす時間が一般に短いにもかかわらず、母親と父親の両方に対して同時にアタッチメントを形成し始める(総説はLamb, 2002を参照)。Parke and Sawin (1980)は、初期の研究で、学歴に関係なく、父親も母親と同じように新生児にミルクを与えることができることを発見した。それ以来、研究者たちは、父親と母親が乳児のシグナルに対して同様の感度を示すことを一貫して発見している(例えば、Cabrera, Shannon, & TamisLeMonda, 2010)。従って、乳児が父親と同じように母親に安定したアタッチメントを持つ可能性が高いことは驚くまでもない。例えば、Kochanska and Kim(2012)は、生後15ヶ月の時点で評価した100人の子どものうち、40人が母親と父親の両方に対して安定したアタッチメントを持ち、18人が両方の親に対して不安定なアタッチメントを持ち、42人が混合型(母親に対して安定したアタッチメントを持つが父親に対しては不安定なアタッチメントを持つ子どもが16人、父親に対して安定したアタッチメントを持つが母親に対しては不安定なアタッチメントを持つ子どもが26人)だったことを明らかにしている。子どもの性別は、乳児が母親と父親のどちらに安定したアタッチメントを持っているかとは無関係であった。
 生物学的および神経学的な要因が、母親と父親への平等なアタッチメントを支えている。生物学的な変化は、男性を交尾の努力から、父親になることへの準備にシフトさせるようである(Bakermans-Kranenburg, Lotz, Alyousefi-van Dijk, & van IJzendoorn, 2019; Feldman, Braun, & Champagne, 2019)。例えば、テストステロン値のレベルは恋愛関係中に減少し、妊娠中も減少し続け、男性が父親になることに移行すると更に減少する(Corpuza & Bugental, 2020; Meijer, van IJzendoorn, & BakermansKranenburg, 2019も参照)。同様のテストステロンの減少は、他の父性哺乳類(Reburn & Wynne-Edwards, 1999)および父性鳥類(Wingfield & Farner, 1993)でも起こる。男女とも、子どもが生まれる直前にはプロラクチン(多くの種で赤ちゃんの泣き声に対する父親の反応と父親の養育に関連)、コルチゾール(乳児に対する母親の親和行動と関連し、父親の親和動にも関連すると考えられる)の濃度が高く、子どもが生まれた後は性ステロイド(テストステロンまたはエストラジオール)の濃度が低くなる(Story, Walsh, Quinton, & Wynne-Edwards, 2000)。早期から肯定的な父子社会的意思疎通の歴史があることを示す一つの指標として、父親とその5~6歳の子どもが協力的に問題解決を行う際の脳活動のリズミカルな同期が高まることが見出されている(Nguyenら.2021)。これらの知見は、母親を対象とした同様の過去の知見と相等しい。脳の同期性は、協力的な社会的意思疎通の際に、相手の行動と自分自身の意図や行動を継続的にモニタリングすることを容易にするために重要であると考えられている(Perner, Aichhorn, Kronbichler, Staffen, & Ladurner, 2006)。
 父親の子育てが子どもの発達に与える影響に関する他の研究でも、両親へのアタッチメントの重要性が証明されている。メンタルヘルスに関しては、子どもの問題行動、うつ、不安の進展において、母子のアタッチメント関係と父子のアタッチメント関係が同様の役割を果たすことが一貫して示されており(Deneaultら, 2021)、更に、2つの安定した親子関係から受けるメンタルヘルス上の恩恵は、1つの安定した親子関係のみから受ける恩恵を上回ると考えられる(Daganら)。また、早期の父親の関与は、母親の関与、子どもの性別、一人親か二人親かの家族構成とは無関係に、子どもの教育達成度と関連している(Flouri & Buchanan, 2004)。更に、子どものストレスと健康に関連する変数に関する最近の研究では、乳児期の父親の子育ての影響が明らかになった。例えば、乳児期に父親が関与する割合が高いことは、2歳児のコルチゾール値のレベルが低いことと関連している(Mills-Koonceら, 2011)。父親が生後12ヶ月の乳児の世話を分かち合うことに積極的に関与し、本人が直に献身的に取り組むことで、慢性的なストレスの影響を和らげることができ、生物学的にストレスに過敏な子ども、あるいは9歳時点でメンタルヘルスの問題を抱えるリスクのある子どもを保護することができる(Boyceら、2006;Robbyら、2021)。生後10ヶ月の時点で、父親の高感度な子育てが、母親の高感度な子育てよりも、困難な問題解決課題におけるフラストレーションに対する感情反応をうまく管理する乳児の能力と、実際に密接な関係があることが判明した(Martins, Soares, Martins, & Osorio, 2015)。生後27ヶ月の時点において、子どもの性別、子どもの気質、遺伝的影響を統制した上で、母親の子育て行動と父親の子育て行動の両方が、4歳半と6歳における子どもの自己調整能力とストレス管理能力を予測した(Bridgettら, 2018)。
 父と子が共有する時間は、子育てに対する父親の積極的な関与の重要な側面として浮上することが多く、離婚や別居後の養育時間という一般的な問題に関連していると言える。例えば、母親や実父、継父の側では、共有活動、支援的行動、情愛は、ストレス反応系の調節不全と関連する子どもの行動問題の減少を予測する(Amato & Gilbreth, 1999; Amato & Rivera, 1999)。青年期の共有活動への父親の頻繁な関与は、若年成人期のストレスに対するコルチゾール反応性の低下を予測する(Ibrahim, Somers, Luecken, Fabricius, & Cookston, 2017)。離婚後の家庭において、父親の支援行動(即ち、手助け、楽しい活動への参加、肯定的なフィードバック、アドバイス、感情的サポートの提供)が高いと、青年期の自尊心と問題対処能力への自信が強化され、その結果、若年成人期のストレスに関連した身体的健康の向上が予測される(Ibrahim, Luecken, Jewell, Somers, Wolchik, & Sandler, 2021)。
 まとめ。2歳までに、乳幼児は最初の人間関係を構築し始める。2人の養育者がいれば、子どもはそれぞれと独立した関係を築き、両方から、あるいはどちらからも、あるいは一方のみから情緒的な安定を得るようになる(最新のレビューはDagan & Sagi-Schwartz, 2021参照)。親子アタッチメント関係の最初の安定と不安定は最早変えることができないというわけではなく、変化する可能性があり、親の継続的な応答性と利用可能性によって安定を維持する必要がある。安定した親子関係は、将来のメンタルヘルスの重要な要素となり、心と体の密接なつながりを考えると、将来のストレスに関連する身体的健康にとっても同様に重要な要素である。裁判所は、親子関係の将来を予測することはできないが、子どもの幼少期には、両親の継続的な利用可能性を優先させることで、害を及ぼさずに済む。

乳幼児の泊り掛けの養育時間に関する研究

 先行研究。不十分なコンセンサスと不満足な妥協についてのParkinsonのテーゼは、上述した2014年の活動の慌ただしさに最も明確に示されている;即ち、乳幼児の泊り掛けの養育時間に関するガイドライン(Pruett, McIntosh, & Kelly, 2014; McIntosh, Pruett, & Kelly, 2014)、別のコンセンサス・ステートメント(Warshak, 2014)、乳幼児の泊り掛けの養育時間に関する4件の研究という小さな経験則に対する多くの批判(例えば、Nielsen、2014;引用文献一覧はEmeryら, 2016参照)である。
 不十分なコンセンサスは、Emeryら(2016)が表明している。彼らは、これまでの泊り掛けの養育時間に関する議論において、「政策的な意味合いを推測するには研究内容が不十分である」(144頁)と助言した。実際、4件の研究のうち、泊り掛けの養育時間に伴う母子関係への弊害を示す証拠を発見したものはなかった。唯一、幼児のアタッチメントを評価するための標準基準であるストレンジ・シチュエーション法(Solomon & George, 1999)を用いた研究では、月に1回以上父親と宿泊する家庭と、昼間に1回以上訪問するが宿泊はしない家庭の間でアタッチメント分類に有意差はなく、更に、宿泊グループでは、それぞれの親への愛着と宿泊の期間、回数、開始年齢に関する8項目のどの尺度にも関連は見られなかった。4件の研究のうち、2件はアタッチメントを有効な尺度で評価しておらず(McIntosh, Smyth, & Kelaher, 2013; Tornello ら, 2013)、4件は親子関係を全く評価していなかった(Pruett, Ebling, & Insabella, 2004)。アタッチメントの不安定が反映される筈の宿泊と子どものアウトカム指標との関連について、これら4件の研究の中で得られたその他の知見は、限定的で矛盾していた。即ち、宿泊と持続の困難やより問題となる行動との関連性(McIntoshら, 2013)は、社会的問題の減少(Pruettら, 2004)および積極的な行動(Tornelloら, 2013)の増加との関連と矛盾し、1歳時の喘鳴および過敏性との関連との関連と矛盾し、2歳時の喘鳴の減少および健康状態の向上と矛盾した(McIntoshら, 2013)。これら4件の研究において、少なくとも39件の他の統計検定では、傾向レベル(即ち、p値 = .10)であっても、宿泊との関連は認められなかった。
 不満足な妥協は、様々なガイドラインの著者の間で見受けられた(詳細な分析については、Warshak, 2018を参照)。具体的には、1歳半までは、母親が恩恵を預かる場合を除き、泊り掛けはしない(McIntosh, 2011)から、全ての親に週1回の泊り掛けの制限を設ける(McIntosh, Pruett, & Kelly, 2014)、養育計画に合意できず裁判に持ち込んだ親に週1回の泊り掛け制限を設ける(PruettとMcIntoshの「乳幼児の外泊決定のチャート(CODIT)」ガイドライン)までの幅広い提案である。2歳児と3歳児については、提案内容は、全ての親に週1回の泊り掛け(McIntoshら, 2015)、合意できない親に週1回の泊り掛けの制限を設ける(Pruett, McIntosh, & Kelly, 2014; Pruett, Deutsch, & Drozd, 2016)、親が合意できないという理由だけで泊り掛けに制限を設けない(Kelly, 2014)と様々だった。
 最新の研究。アタッチメント研究界(Forslundら, 2021)による最新のコンセンサス・ステートメントでは、生後数年間に渡り養育時間を平等にすることが、安定したアタッチメントの割合の高さと関連するかという疑問は解決されていない:「アタッチメント研究者-今回の著者も含む-の間で異なるのは、『最も身近な』養育者との関係が、子どもの人生の最も早い時期に安全な避難所として特に重要なのではないか、そして、子どもが認知機能の発達により、最も身近な養育者から離れることに耐えられるようになるまで、その養育者に-監護権者の決定という文脈で-、結果的に子どもとの時間をより多く割り当てるべきではないかということである」(12頁)。
SolomonとBiringin (2001)に始まる過去20年間、アタッチメント研究者は、生後数年間に渡り平等な養育時間は、安定したアタッチメントの割合の高さと関連するのか、という疑問に答える研究を求めている;しかし、Forslundら(2021)は、「アタッチメント研究界は、裁判実務に関連するトピックやサンプル(例えば、時間配分、宿泊、子どものアタッチメントに関連する親同士の衝突)についての十分な研究を行っていない」(21頁)と指摘した。私たちの知る限り、Fabricius and Suh (2017)は、当初の4件の研究以降に登場した、非常に幼い子どもの泊り掛けの養育時間に関する唯一の新しい定量的研究である。この分野の研究に対する強い関心と必要性を証明するように、Fabricius and Suh(2017)は、2017年に「心理学、公共政策と法」誌のウェブページから最もダウンロードされた論文であり(Michael Lamb, personal communication, March 31, 2018)、リサーチゲートでは2021年末までに1万以上の「読者数」を達成した。
 Forslundら(2021)は、少なくとも3つの要件を満たす研究を求めた。:アタッチメントの専門家と実務家の協力;宿泊とアタッチメントの関連性が、親の葛藤、親の協力、子どもの発達年齢のレベルの違いによって影響を受けるかどうかの検証;裁判所の決定への影響についての慎重な検討である。Fabricius and Suh (2017)は、これらの要件をほぼ満たしていた。私たちは、非常に幼い子どもの泊まり込み養育時間について警鐘が鳴らされた2012年に研究を開始した。共同研究の呼びかけに沿い、私たちは初期段階で、アタッチメント理論およびアタッチメント研究の第一人者であり、「家庭裁判所レビュー」(Sroufe & McIntosh, 2011)2011年特集号の主要寄稿者であるAlan Sroufeに相談した。彼は、泊まりがけの養育時間の効果は、生後1年の間に開始した場合に最も強く現れると示唆した。そこで、1年目、2年目、3年目に泊り掛けの養育時間を開始した家庭を比較するため、時間をかけて十分な数のサンプルを作成した。また、親同士の葛藤と親同士の協力のレベル別に、泊り掛けの養育時間の平等とアタッチメントの関係を調べた。最後に、本研究の結果がどのような意味を持つのか、Sroufeに相談した。
4件の先行研究では、泊り掛けの養育時間との短期的な関連性しか検討していなかった。その場合、一時的な適応問題と親子関係へのより永続的な影響とを区別することは困難である。アタッチメント理論は常に、乳児期の経験が、どのように幼少期から成人期にかけて影響を及ぼすかを説明することに主眼を置いており、如何に治療や政策への介入をよりよく理解することを目的としている。そこで、長期的な関連性を評価するために、3歳前に両親が別居した大学生(N=116)を募集した。この戦略は、縦断的なデータを収集するために20年待つことなく、長期的な関連についてある程度の洞察を得ることができたが、それは同時に、幼児期のアタッチメントを標準的な尺度で評価しなかったことを意味する。結果として、本研究はForslundら(2021)が採用した焦点から外れ、そこを簡単に言及されただけだった。
学生たちは、それぞれの両親との現在の関係について報告した。従って、従属変数(即ち、若年成人期における親子関係の安定)に関するデータは、過去に遡るものではなかった。最も重要なことは、私たちは両親も募集し、彼らは、様々な制御変数については勿論、予測変数(即ち、それぞれの子どもが3歳まで共有した父親の家での養育時間)についても報告したことである。これは、予測変数と従属変数のデータを異なる報告者から入手するという厳格な要件を満たすもので、McIntosh, Smyth, and Kelaher (2013)やTornelloら(2013) の場合のように、母親が宿泊と子どもの行動の両方を報告する場合には満たせない。
 両親からのデータは過去に遡るものであるため、想起バイアスの影響を受ける可能性がある。遡及的データの客観性を確立するための厳密な要件は、異なる報告者が互いに同意していることである。私たちの全ての遡及的変数において、母親と父親の独立した報告書は、互いに(場合によっては学生の報告書とも)高い一貫性を有しており、今回のようなサンプルでは複数の報告者の間で同様の一貫性があるというFabricius and Luecken(2007)の知見を再現し、客観性をある程度保証するものであった。
 代表性については、離婚した親を持つ若年成人の大学サンプルが、離婚した子どもの「成功例」として特徴づけられることが時々あるが、少なくともメンタルヘルス面では必ずしもそうではない。「アルコールおよび関連疾患に関する全国疫学調査2001-2002」(N = 43,093)で実施した対面式面接では、大学生年代のほぼ半数が過去1年間に精神疾患を抱えており、全体の割合は大学に通っている人と通っていない人の間で差がなかったことが明らかになった(Blancoら, 2008)。また、Laumann-BillingsとEmery (2000)は、比較的裕福なバージニア大学の学生をサンプルとし、メンタルヘルスに関する標準的な尺度、のみならず、両親の離婚に関する長引く辛い感情という新しい尺度において、低所得層のコミュニティの青年や若年成人(その多くは虐待や極度の貧困を含む混沌とした家庭環境を持っている)と差がなかったと報告している。一方、Laumann-BillingsとEmeryの大学サンプルは、中流階級から上位中流階級(平均世帯収入=105,715ドル)だったが、私たちの大学サンプルは、アリゾナ州立大学から抽出した。この大学は「アリゾナの社会経済的多様性に見合った利用しやすさ」を使命とする目標の中に掲げている。(https://newamericanuniversity.asu.edu/about/asu-charter-mission-and-goals)。その目標は、2006年に私たちが得た大規模なサンプル(N=1,030)に反映されている。その中で、学生に、それぞれの親について、「あなたの[母親/父親]の世帯(新しい配偶者がいる場合はそれも含む)の経済状態は今どうなっていますか?」と尋ねた。尺度は「完全な貧困」から「非常に裕福」までの10段階である。母親世帯の中央値は、尺度の中間値(即ち、「殆ど全く僅かに余分なものを買うのに足る金額(即ち、50ドル以下)と偶に高額な余分なものを買える金額(500ドル以上)」)であった。父親世帯の中央値は、その一段上であった(「殆ど全く僅かに余分なものを買うのに足る金額と、幾つかの高額な余分なものを買える金額」)。学生たちの報告は、大学の財政支援課から提供された家計状況に関する「連邦学生援助の無料申請(FAFSA)」データと高い相関があり、客観性がある程度保証されていた。FabriciusとSuhの研究に戻る。学生はそれぞれの両親との現在の関係について、5つの異なる側面を評価した:家族の問題に対する親の責任の帰属(Laumann-Billings & Emery, 2000)、親の温かさと反応の表現(Parker, 1989)、一緒に時間を過ごすことの楽しさ、関係の全体的な親密さ、親にとって重要であるという感情(Velez, Braver, Cookston, Fabricius, & Parke, 2020)。5つの測定は全て、母子関係を反映する因子と父子関係を反映する因子の2つの異なる因子を利用したものである。各因子の学生のスコアは、学生がそれぞれの親に対して現在どの程度安心感を抱いているかを示す合理的な指標となる連続的な尺度であった。両親は、別居前と別居後5年までの親同士の葛藤の頻度、教育水準、泊り掛けの養育時間について合意したか(75%)、反対したか(25%)を報告した。また、同意しなかった親は、両方の意見が一致せず、一方の親が譲歩したので、もう一方の親の思い通りになった、あるいは、メディエーション、監護権評価、弁護士主導の交渉、裁判所の審理で最終決定が下された、と報告した。更に、両方の意見が一致しなかったが、その理由は、父親は自分の家で子どもと泊り掛けで過ごす時間を増やしたいのに、母親は父親の家で子どもが泊り掛けで過ごす時間を減らしたかったからと報告する親もいた。同意しなかった親は、結局、同意した親と同数の泊り掛けの養育時間を過ごすことになり、両グループとも、子どもが2歳の時点で、子どもの14%がそれぞれの親と同数の宿泊をした。また、親は、子どもが5歳から10歳、10歳から15歳の時の父親との養育時間を報告した。これは、子どもが3歳になるまでの養育時間の影響を分離するには、その後の養育時間の影響を統制せねばならないためである。
 父子関係では、父親との宿泊日数が多いほど(両方の親の家での宿泊日数が同じである場合を含む)、それに応じて父子関係安定因子のスコアが高くなる、という線形的な「用量反応」関係が見られた。母子関係では、父親との泊り掛けの養育時間が多くなっても母子関係安定因子のスコアは低下せず、それどころか、父親との泊り掛けの養育時間が月に2~4回以上あり、かつ父親との昼間のみの養育時間が長いほど、母子関係安定因子のスコアが高くなった。泊り掛けの養育時間と長期的な親子関係の質との正の関連は、乳児が両方の親とアタッチメント関係を築いている場合に予想されることである。
 結果として、乳幼児期に両方の親との泊り掛けの養育時間が平等であった若年成人は、両親をより身近に感じ、幼少期にそれぞれの親が温かく対応してくれたことや一緒に過ごすことが楽しかったことを記憶する傾向が強く、家族の問題で両親を責めることが少なく、それぞれの親にとって自分が重要であるとより確信していた。
 これらの調査結果は、子どもの性別、父親との日中の養育時間、幼少期と青年期の父親との養育時間の年間割合、親の教育、別居後5年間の親の葛藤、別居時の子どもの年齢、泊り掛けの養育時間に関する意見の相違を考慮しても、両親ともに変わらない。幼少期と青年期の養育時間を規制することは、3歳までの間の「失われた」泊り掛けの養育時間を、その後の養育時間で埋め合わせることができないことを意味する。日中のみの訪問では、父子関係への恩恵はなく、昼間の面会が多くても、泊り掛けの養育時間が少ないことを補うことはできなかった。泊り掛けの養育時間と両方の親との親子関係の間には、⒜学歴が高いか低いか、⒝葛藤が多いか少ないか、⒞子どもが1歳未満で別れたか1歳か2歳で別れたか、⒟泊り掛けの養育時間に合意し、恐らく自発的に行ったか、合意せず、どちらかが不本意ながら押し付けられたかに拘らず、同じ正の相関があることが明らかである。つまり、教育水準が高い親、葛藤が少ない親、子どもが1歳以上である親、泊り掛けの養育時間に同意している親にとってのみ、泊り掛けの養育時間が「作用した」とは言えないということである。
 更に、親同士が葛藤だったり泊り掛けの養育時間に合意できなかった場合、親同士が低葛藤だったり泊り掛けの養育時間の場合と同程度の父子関係の安定性を得るためには、より多くの父親との泊り掛けの養育時間が必要であった。同様に、親が低学歴であったり、子どもが1歳になるまでに別居している場合、親が高学歴であったり、子どもが2、3歳になるまでに別居している場合と同程度の父子関係の安定を得るためには、より多くの父親との泊り掛けの養育時間が必要であった。
 泊り掛けの養育時間が親子関係の安定に長期的な恩恵をもたらす可能性があるのは、発達上もっともなプロセスである。泊り掛けの養育時間で養育者の役割を担うことで、父親は子どもについて学ぶことができる。このことを裏付けるように、乳幼児を持つ父親に対する12の介入の有効性を記述した14件の論文のレビュー(Magill- Evans, Harrison, Rempel, & Slater, 2006)は、父親が子どもと共に積極的に活動に参加したり、子どもを観察することによって、子どもとの意思疎通や子どもに対するポジティブな認識が高まることを示した。George and Solomon (2008) は、子どものアタッチメントシステムは、大人の養育システムによって補完されることを示唆している。そうであれば、アタッチメント研究者(Forslundら, 2021)の現在のコンセンサス・ステートメントの言葉を借りれば、
 「養育者から子どもとの時間や養育の責任を真剣に奪うことは、結果的に、子どもが養育者とのアタッチメント関係を発達させ維持する能力に影響するだけではないかもしれません。また、養育者の養育システムにも悪影響を及ぼし、養育システムが阻害される可能性があります」(14頁)。
 母子関係への恩恵としては、父親との泊り掛けの養育時間により、乳児を一人で世話することから解放され、母親がより高いレベルの応答性のある養育を維持するのに役立つ可能性がある。これは、上述したFlinn and England(1997)の調査結果、「母親の積極的な養育は、仲間や親族のサポートによって促進された」を思い起こさせる。これらの調査結果によれば、このような支援は、育児に関する実際的な支援をするという形で提供できる。

アタッチメント理論と研究を、乳幼児期における泊り掛けの養育時間の政策に反映させる

 アタッチメント理論からの示唆。アタッチメントの発達過程は、生後6ヶ月(この月齢まで一人の養育者から離れ、別の養育者と一緒になることに乳幼児がストレスを感じない)までに両親が別れる場合、アタッチメント理論の観点からは、平等な泊り掛けの養育時間を開始することに懸念を抱く必要はないことを示唆している。生後6ヶ月までは乳児に新しい養育者を紹介することも可能である。これには、未婚で同居していない父親と母親で、早い時期に父子関係が確立されたケースに当て嵌まる。父親の子育ては、一般的に政策の議論では見過ごされており(Maldonado, 2014)、アタッチメント理論を政策に応用する議論でも焦点から外れている(Kelly & Lamb, 2000)。一緒に暮らしたことのない両親がともに養育できる場合、アタッチメント理論の観点からは、生後6ヶ月までの平等な泊り掛けの養育時間に懸念は生じない。
 また、アタッチメントの発達経過は、生後7ヶ月頃から24ヶ月頃までは、通常の養育者からの予期せぬ長期の分離を避けるべき、乳児にとって最重要な時期であることを示唆している。2014年からの提案されたガイドライン案の殆どは、この時期に何らかの「ステップアップ」計画で、全ての父親との泊り掛け養育時間を徐々に導入することを想定していた。子どもの出生から半年以上経ってから父親の子育てが確立されたケースでは、父親との泊り掛け養育時間を徐々に導入することは、アタッチメント理論に合致していると言えるだろう。しかし、別れる前に父親が母親と同居していた場合、泊り掛け養育時間を「徐々に導入」することは、突然の長期の親子分離を避けるべき時期に、まさに父親との「即時分離」を経験させることになる。
 アタッチメント理論を使って裁判所に助言する一部の専門家の間では、母子アタッチメントの安定に害を及ぼすリスクを第一に強調し、父子アタッチメントの安定に対する恩恵の可能性を第二に強調するバイアスが根強く残っている。Kelly and Lamb (2000)は、このバイアスの起源を次のように説明している:
 「このように、日々欠かさず両方の親と会うことに慣れていた乳幼児が、突然、一方の親(通常は父親)と週に1回(あるいは2週間に1回)、数時間だけ会うようになった。このような取決めは、ボウルビィの初期の推測に基づき、乳幼児には重要なまたは主たるアタッチメントが1つしかないという誤った理解により、子の最善の利益に資するかのように専門家がしばしば表現した。その結果、初期の児童発達研究は、検証されていない精神分析理論に従って、母親と乳児にのみ焦点を当て、父親は子どもの発達と心理的適応にとって極めて周辺的で不必要な存在であると推定された。結果として生じる監護権の取り決めは、乳児と父親の関係の連続性が犠牲にし、子どもにとって長期的な社会情緒的かつ経済的影響を及ぼした」(304頁)。
 実証研究からの示唆。両親が揃った家庭においては、質の高いアタッチメント研究により、乳幼児は母親と同様に父親とも安定したアタッチメント関係を築ける可能性が高いことが一貫して明らかにされている。伝統的な訪問スケジュールが、安定した父子関係の発展を妨げてきたという証拠は、ダメージを受けた父子関係が離婚で最も頻出するアウトカムであるという事実に由来する(Amato、2003)。父子のアタッチメントの不安定を無意識のうちに助長する訪問スケジュールは、親子のアタッチメントを安定させるため、子どもを母子関係のアタッチメントだけに依存させることになる。両方の親と平等な養育時間を確保することで、子どもは少なくとも1つ、あるいは2つの安定した関係を持つ可能性が高くなる。このことは、平等な養育時間を確保すれば、若年成人期の親子関係は離婚家庭と両親が揃った家庭とで同等であるという調査結果に反映されている(Fabricius、2003; Luecken & Fabricius、2003)。
 Fabricius and Suh (2017)の調査結果では、平等な泊り掛け養育時間といずれかの親子関係への長期的な弊害との間に関連性を見出せなかったが、代わりに両方の関係に恩恵を与えることが明らかになった。従って、この調査結果は、アタッチメントの弊害が泊り掛けの養育時間と関連するという仮説を強く否定するものであり、「生後18ヶ月未満の乳幼児は、主治医から離れる泊り掛けの(中略)アタッチメントは極力控えるべき」(Sroufe & McIntosh, 2011, 472頁)という政策的合意とも矛盾している。政策的合意について私たちと議論する中で、Sroufeは「あなた方の結果は勿論、私の結論を適正化することにつながるでしょう」と判断した(personal communication, September 21, 2016)。
 Fabricius and Suh(2017)の調査結果は、親や裁判所に対して、親の精神疾患や以前から子どもの生活に不在だったなどの情状酌量の余地がある場合を除き、多くの人に頻繁な泊り掛け養育時間に慎重になるよう促したり、殆ど泊り掛けの養育時間がない状態から始め、数年かけて徐々に「ステップアップ」して頻繁な泊り掛け養育時間にするような政策を支持していない。若年成人期における最も良好な親子関係は、子どもが3歳になる前に両方の親の家で平等に泊り掛けの養育時間を過ごしていた親子関係であった。この長期的な関係は、幼少期や青年期の養育時間とは無関係であり、アタッチメント理論の素晴らしい検証を構成している。
 また、この調査結果は、両親の葛藤、泊り掛けの養育時間についての意見の相違、子どもの年齢が1歳未満であることは、注意を要すべき状況ではないことを示している;それどころか、このようなケースでは、父子関係に同じ恩恵をもたらすために、より多くの泊り掛けの養育時間が必要だった。重要なのは、裁判所が母親の反対を押し切って泊り掛けの養育時間を命じた場合でさえ、母子関係と父子関係の両方に恩恵をもたらすという結果が、古典的なスタンフォード監護権研究(Maccoby & Mnookin, 1992)の同様の結果と似ていた点である。Fabriciusら(2012)は、スタンフォード研究の入手可能な公開データでは、共同養育を行う親の大多数が、メディエーション、監護権評価、裁判、または司法による強制を経て、共同養育を受け入れねばならなかったと報告した。それにも拘らず、養育時間を共有した親は、数年後、最も適応した子どもを持っていた。これらの調査結果は、一方の親が同意しない場合でも、乳幼児の泊り掛けの養育時間を頻繁に設けることを奨励する政策を実証的に支持するものである。
 最後に、泊り掛けの養育時間を先送りするという逆向きの政策は、歴史的に発展してきた社会規範と対立することになる。1980年代には、2歳未満の子どもの3分の1が、別居したり離婚したりした父親と泊り掛けで時間を過ごしていた(Maccoby, Charlene, Depner, & Mnookin, 1988; Seltzer, 1991)。FabriciusとSuhのデータでは、1990年代半ば、将来大学生になる子どもの親の半数以上が、子どもが1歳のときに泊り掛けの養育時間を提供し、2歳のときには3分の2近くが泊り掛けの養育時間を提供しており、親は子どもが3歳になるまで泊り掛けの養育時間を減らすどころか、寧ろ増やしていたことが明らかになった。このことから、泊まり掛けの養育時間がものになることを親が見出していたことを示唆している。

結論

 文脈とつながり。アタッチメント理論は偉大な科学的進歩の一つであり、基礎科学の公衆衛生への偉大な応用の中に早くからその地位を占めていた。小児科病棟の乳児は、長い間、高い確率で成長不良や原因不明の死亡に悩まされていた。ボウルビーと彼の同僚たちは、アタッチメントを形成しようとする乳児の生物学的欲求に、突然、しかも長期にわたって干渉する力を認識していた。しかし、医学界は乳児の情緒的な生活には無頓着で、代わりに細菌感染を防ぐことに焦点を当てていたため、小児科病棟から親を排除する伝統的な方針が無意識のうちに弊害を及ぼしていたかもしれないと考えたくないのは当然だった。しかし、親から完全に分離されてから数日後、乳児が急速に感情を失っていく様子を撮影したフィルムが政策転換の一助となり、小児科病棟の親への開放は一旦始まると瞬く間に広まった。
 現代の研究では、アタッチメントの不安定がストレス反応系の不全障害とますます詳細に関連し、その結果、長期的なストレスに関連した慢性的な心身の健康問題につながることが分かっている。慢性疾患は、個人にとっても社会にとっても大きなコストである。このように、アタッチメント理論は公衆衛生に更なる貢献をもたらす可能性を持っている。
 Forelundら(2021)は、ダメージを受けた親子関係とその後の人生におけるストレス関連の心身の問題との間の文献で十分に裏付けられた関連について、読者に指摘することはなかった(Ranson & Urichuk, 2008; Repetti, Taylor, & Seeman, 2002; Troxel & Mathews, 2004)。そのため、アタッチメントの不安定と身体の健康を結びつける機会を逸した。彼らは代わりに、アタッチメントの心理学や実験室でのアタッチメント測定の誤用について裁判所に助言することに焦点を当て、その全てが、特に児童保護サービスの規制に関して、重要で必要なことであった。しかし、アタッチメント研究者のコンセンサス・ステートメントは、身体の健康との関連性を示すことなく、家庭裁判所が、幼い子どものそれぞれの親に対する発達中のアタッチメントを守ることの重要性を、裁判所が考慮すべき無数の他の因子と比較検討するのに役立つことは殆どない。
 これまでの知見の一貫したパターンから、幼少期の平等な養育時間から若年成人期の安定した親子関係、そして長期的な健康へとつながる連鎖が明らかになった(レビューについてはFabricius 2020; Fabriciusら, 2012を参照)。今回の知見は、乳幼児期における平等な養育時間が、将来の人間関係の土台を作るというユニークな役割を担っていることを示している。ダメージを受けた親子関係による長期的な健康リスクは、幼い子どもの親に対する発達中のアタッチメントと子どもの将来の健康を守るために、平等な養育時間を奨励する政策に反映されるべきである。
 アタッチメント理論を発展させ、検証しようとする動きの中で、研究者は便宜上、母子アタッチメントにのみ焦点をあててきた。その結果、1970年代に監護権基準が、幼い子どもは母親と一緒にいるべきだという「テンダー・イヤーズ・ドクトリン」から、性別に囚われないことを意図とした「子の最善の利益基準」に変わったとき、残念なことに、家族法における伝統的なジェンダー・バイアスが、当時のアタッチメント研究によって覆ることはなかった。離婚した父親とその子どもとの週末ごとの訪問が、規範のままだった。アタッチメント理論が医学界に適用されることによって嘗て齎された公衆衛生上の恩恵は、家族法界にも同様に適用される必要がある。
 前向きに考える。1970年代に始まった、父親の育児への関与の重要性を認識する文化的な変化は、今日、離婚後の平等な養育時間を支持する国民の態度にそのまま反映されている(Braverら, 2011;Fabriciusら, 2012;Votruba, Elman, Braver, & Fabricius, 2014)。また、現在世界の多くの国で進められている、平等な養育時間を支持する法的推定の推進にも反映されており、最近ではベルギーとアメリカの2つの州で制定された(2013年にアリゾナ州、2018年にケンタッキー州、アリゾナ州の法律の評価についてはFabricius, Aaron, Akins, Assini, & McElroy, 2018参照)。しかし、Parkinson(2011)が指摘するように、法的な議論は、離婚後に新たな人生を追求する自由と、子育てという観点から元配偶者とのつながりを継続することのトレードオフ、あるいは「母親の権利」と「父親の権利」とのトレードオフという観点から組み立てられることが多いようである。
 新しいアイデアの歴史的発展でよくあることだが、両者が強く、しかし両立しない主張をしている場合、それは両者が何かを見失っていることを示唆している。この場合、両者には共通しているものがあり、それが両者を焚きつけている。これは男女平等を目指す文化的変化の根底にある。以前制定した無責離婚と監護法における性別に囚われない子の最善の利益基準という法定基準の変化の背景には、男女の平等があった。男女平等は、監護権政策改革に関する現在の議論を導くために必要な、原則的な法的枠組みを提供するだろう。平等な養育時間は、子の最善の利益と男女平等の両方に資するものである。平等な養育時間がより大きな男女平等をサポートするという強い主張がある(David, 2019)。平等な養育時間を反証可能な推定とする立法は、家族法における男女平等を紛れもなく支持するものであり、家庭裁判所を超えたより大きな社会に影響を与えるだろう(育児に関する社会規範を形成する家族法の役割に関する議論は、Maldonado, 2005を参照)。家族法における男女平等の主張は、単に父親の育児への関与と男女平等に向けた現在進行中の二重の文化的変化の表現に過ぎないと一般大衆は認識し、受け入れるだろう。育児に対する親の責任が同等であるという期待や社会規範を正当化し、成文化することで、職場における他の男女平等政策に連鎖的に影響を与えるだろう。
 平等な養育時間は、子どもの長期的な健康という点で、子の最善の利益となり、そのうえ男女平等にも貢献する。従って、男女平等は、平等な養育時間を前提とした一貫した新しい監護権政策を確立するために必要な原則的な法的枠組みを提供することができるだろう。これにより、元配偶者はより平等な土俵で別々の人生を追求することができ、同時に、子どもは生まれてからずっと両方の親を自分の人生に維持することができる。

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