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オーストラリア 養育計画の事例

 この記事は、チャイルド・サポート・オーストラリア(Child Support Australia)の「Parenting Plan Examples」を翻訳したものです。
 離婚後共同親権(監護)制度への移行が現実味を帯びてきました。具体的なイメージを把握するのに、この記事が参考になるのではないでしょうか。

養育計画の事例

 養育計画、同意命令、養育命令の例はここで入手できるので、参考にして下さい。

  • このサンプルやテンプレートは、別離中の親で、子どもの養育をめぐる話し合い、正式なメディエーション、オーストラリア家庭裁判所の手続きに関与している場合に役立ちます。

  • 事例では命令の実質的な部分を取り上げています。予備的な部分(名前など)については、家庭裁判所の同意命令キット(こちら)を参照してください。

 オーストラリアでは、両親が別離している子どもの養育に関する取決めは、以下のように文書化される場合があります。

  • 養育計画(法的拘束力はないが、将来の裁判において影響力を持つであろう、両親間の署名入りの合意書)

  • 同意命令(両親によって事前に合意された法的拘束力のある家庭裁判所の命令書)

  • 養育命令(訴訟手続きと審問の後、家庭裁判所が下した暫定または最終的な命令書)

 いずれの文書にも欠かせないのは、(ⅰ)子どもがそれぞれの当事者と過ごす時間(通常の時間や休日を含む)-訪問スケジュールを参照、および(ⅱ)子どもに関する主要な長期的決定について誰が責任を持つか(同等、共同責任の可能性を含む)です。

A.養育計画の事例(同等な子育て)

両親は以下のことに同意する。

  1. 両親は、2010年4月18日に生まれた子ども、サム・エドワーズに対して平等な共同親責任を有している。

  2. 本規則に別段の定めがある場合を除き、子どもが2週間ごとに父親とともに暮らす時間は、⒜第1週の月曜日午前9時から水曜日午前9時まで、⒝第1週の金曜日午前9時から第2週の月曜日午前9時まで、および⒞第2週の水曜日午前9時から金曜日午前9時までである。

  3. どちらの親も、子どもとの休暇を目的に年に4回までこれらの命令に詳述されている通常の取決めを一時停止することができます。但し、以下の条件を満足するものとします。⒜2週間以上6ヶ月以内にもう一方の親に通知すること、⒝休暇の期間は2ヶ月以内にすること、⒞休暇の期間にクリスマスや「特別な日」を含めないこと、⒟休暇はオーストラリアの夏季休暇で10泊、その他の期間は6泊までとすること。

  4. 学校の授業時間外に発生する監護交代については、特に合意がない限り、子どもといる親がもう一方の親の住居まで子どもを送り届ける。

養育計画のサンプルに関する注意事項

  1. 「同等、共同親責任」とは、子どもがどの学校に通うかなど、主要な長期的な問題について、両方の親が一緒に相談し決定することに同意することです(ag.gov.auを参照)。

  2. 両方の親が、同等の時間の養育に同意しています(2週間毎に7泊の養育)。

  3. サンプルである養育計画には、学校の学期にそれぞれの親と1週間の休暇を取ることや夏休みに長期休暇を取得することが含まれています。

  4. それぞれの親は、監護交代時にもう一方の親のとこに子どもを送っていくことに同意しています。この方法は、子どもにとって、最も力が入り、ストレスの少ない方法です。なぜなら、子供は、迎えを待つ代わりに、準備ができた時に親のところへ行くからです。

B.同意命令の事例(混在する責任)

同意の上、以下のように命ずる。

  1. 父親は子どもの教育に関して単独親責任を有するが、その他の点については、それぞれの親が子どもである2010年4月18日生まれのサム・エドワーズと2011年3月28日生まれレイチェル・エドワーズに対する親責任を保持するものとする。

  2. 両親は、子どもたちが母親と同居していないときは、以下のように父親と同居するよう適切な措置をとるものとする。第1週目は、日曜日の午前9時から月曜日の午後3時まで、および水曜日の午後3時から金曜日の午前9時まで、第2週目は、火曜日の午後3時から木曜日の午後3時までとする。

  3. 学校休暇中は、通常の取決めを停止し、子どもたちは、⒜学期最終週の金曜日午後3時から翌週土曜日の午前9時まで母親と、そして、⒝土曜日午前9時から翌週日曜日の午前9時まで父親と暮らすものとする。

  4. ここでなされた他の命令にも拘らず、両親が別途合意しない限り、子どもたちは以下のようにそれぞれの両親と過ごすものとする。⒜毎年、母の日には母親と、父の日には父親と、母の日または父の日の前の土曜日の午後6時から月曜日の登校前まで(登校日でない場合は午前9時まで)一緒に過ごすこと。

  5. 両親が別途合意しない限り、⒜各奇数年、子どもたちは12月24日午後5時30分から12月25日午後2時30分まで父親と過ごし、12月25日午後2時30分から12月26日午後5時30分まで母親と過ごすものとし、⒝各偶数年、子どもたちは12月24日午後5時30分から12月25日午後2時30分まで母親とともに過ごし、12月25日午後2時30分から12月26日午後5時30分まで父親と過ごすものとする。

同意命令サンプルに関する注意事項

  1. 両親の合意により、主要な教育上の決定は父親が行いますが、その他の主要な問題が発生した場合は、両方の親が決定します。

  2. 養育は9:5(2週間ごとにママと9泊、パパと5泊)で行います。

  3. 同意命令の事例では、子どもたちが学校の学期の間に1週間、それぞれの親と過ごすことを定めています。

  4. 母の日、父の日という「特別な日」には、子どもたちは1日中、それぞれパパ、ママと一緒に過ごします。

  5. クリスマスには、子どもたちは両方の親と会います(年毎に時間を交互にする取決め)。

C.養育命令の事例(母親が決定)

裁判所は以下のように命じる。

  1. 母親は、子ら、即ち2010年4月18日に生まれのサム・エドワーズと2011年3月28日に生まれのレイシェル・エドワーズの主要な長期的な問題について単独親責任を有するものとする。このような問題には、子らの⒜教育、⒝宗教的および文化的な教育、および⒞健康管理が含まれるが、これらに限定されない。

  2. 各親は、子らがその親に監護されている間、子らの世話と発達に関する日々の決定について個別に責任を負うものとする。

  3. 2017年4月1日から2019年3月31日まで、本命令に別段の定めがある場合を除き、子らが2週間ごとに父親と過ごす時間は、⒜第1週の月曜日午後3時30分から午後6時まで、⒝第1週の土曜日午前9時から午後5時まで、および⒞第2週の水曜日午後3時30分から木曜日午前8時までとする。

  4. 2019年4月1日以降、本命令に別段の定めがある場合を除き、子らが2週間ごとに父親と過ごす時間は、⒜第1週の月曜日午後3時30分から火曜日午前8時まで、⒝第1週の土曜日午前9時から午後5時まで、および⒞第2週の水曜日午後3時30分から木曜日午前8時までとする。

  5. 母親は、子が父親と過ごす各期間の開始時に子を父親の住居に送り届け、父親は、当該各期間の終了時に子を母親の住居に送り届けるものとする。

  6. 母親は、一度に2週間を超えない範囲で、年間4週間の休暇を子らと過ごすことができ、子らと過ごしたい休暇期間を1ヶ月前に父親に通知するものとする。

  7. 父親は、一度に5日を超えない範囲で、年間14日の休日を子らと過ごすことができ、子らと過ごしたい休日期間を1ヶ月前に母親に通知するものとする。

  8. 各親は、子らの前または近くで、もう一方の親を誹謗中傷しないこと。

養育命令サンプルに関する注意事項

  1. 家庭裁判所は、主要な長期的決定に関して、母親に全ての意思決定権を割り当てています。

  2. 父親は、日常的にどのように子供たちの世話をするかに関しても、自分の意思で決定することができます。

  3. 家庭裁判所は、父親に2週間に3回の訪問(1回の宿泊を含む)という限られた時間しか子どもと接する機会を与えていません。

  4. 訪問時間は段階的である(子どもが大きくなるにつれ、父親と過ごす時間が長くなる)。2年後、養育命令の事例では、2週間に2回の宿泊を含む。

  5. 命令案では、子と共にいる親は、監護交代時にもう一方の親に子どもを送り届けることを要求しています。

  6. 通常の子育ての取決め以外に、母親は年間4週間の休暇の間、子どもを預かることができます。

  7. 父親も時々、通常の取決めとは別の期間に子どもを預かることができます。

  8. 裁判所は、両親が子どもの前で互いを批判しないよう付け加えており、これは、恐らく裁判手続きで提起された問題であったためと思われます。通信プロトコル、薬物乱用、子どもに適切な活動、および子どもの世話をする人を含む多くの問題に、詳細な行動命令を出すことができます。

(了)


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