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アメリカ合衆国の共同監護について

 法制審議会家族法制部会の参考人資料転載、第4弾です。アメリカの最新の状況を報告された山口亮子氏の資料を法務省ホームページの議事録説明資料とを組み合わせて記載しています。

家族法制部会第5回会議(2021年7月27日)
アメリカ合衆国の共同監護について
関西学院大学 山口亮子

 関西学院大学の山口亮子です。私からはアメリカ合衆国の共同監護について御報告いたします。

0. アメリカ合衆国の子をめぐる概要
 アメリカ国勢調査によると、2020 年の推計人口は約 3 億 3300 万人、未成年者数は約 7300 万人。未婚で子が出生する割合は 40%。婚姻数に対する離婚数は約 50%、毎年約 100 万人以上の子が親の離婚を経験している。再婚率は約 70%。18 歳未満の子が両親と同居している割合は 70.4%、母子家庭は 21%、父子家庭は 4.5%、親戚その他は 4.1%。
 婚姻の有無に拘わらず、血縁上の親には原則として親の権利(parental rights)があり、子に対する扶養義務がある。親は子の養育に関して監護権(custody)をもつ1。

 まず,アメリカ合衆国の子をめぐる概要を挙げております。日本法との違いを主に申し上げますと,アメリカで未婚で子が出生する割合は約40%,離婚率は約50%であり, これに対し日本での未婚による子の出生率は約2%,離婚率は約35%となっております。 アメリカ法で親権といいますとペアレンタル・ライツとカストディという言葉がありますが,親であれば婚姻の有無にかかわらず持っているのがペアレンタル・ライツで,権利とともに扶養義務を有します。実際,子に対して権利,義務をカストディと呼びまして,日本民法の親権はアメリカの監護権に近いです。

1. 離婚後の親権・監護権制度に関して、現行制度の導入背景や変遷
①共同監護法成立の背景
 ・ 離婚法の改革(1960~): 有責主義から破綻主義へ移行して離婚数が上昇。
 ・ 婚姻/同居中の共同養育(1970~): 父親の子育て、母親の仕事継続による家族観・ジェンダー観の変化。
 ・ 離婚後の父親の権利思潮(1970~): 母親優先の原則への反発。
 ・ 単独監護制度の限界(1970~): 勝敗を作らない監護形態へ。子に対する責任の共有。離婚後の親の新生活。
 ・ 社会科学調査(1970~): 離婚後の親子の交流と子の利益の調査。
 ・ 共同監護法の成立(1979~): カリフォルニア州共同監護法(joint legal custody/joint physical custody)を皮切りに、ほぼ全州で立法化。
 ・ 共同監護から養育計画(parenting plan)へ(1990~): 両親が別居/離婚時に協議で個別具体的に子に関する養育計画書を作成して裁判所へ提出し、それが裁判所命令となる。

 続きまして,共同監護法成立の背景に行きます。アメリカは州ごとに家族法が異なりますが,全米として見た場合,次のような変遷が見られます。1960年代から各州で離婚法の改革が行われまして,有責主義から破綻主義へ移行しました。これにより離婚数が上昇しまして,子の監護についての関心も高まりました。この時期に家族観,ジェンダー感の変化も現れ,父親の権利思潮も高まりました。また,従来の単独監護法制では限界も見えてきましたので,勝敗を作らない監護形態である共同監護が望まれましたし,父母双方から子に対する責任の共有が望まれていました。再婚率は70%ありますので,親たちは自分の新しい人生を出発させるためにも,また,両親とも有職者である場合が多いですので,離婚後も子の面倒は双方で見るという必要がありました。さらに,この時期,心理学,行動学等による追跡調査やインタビュー調査が行われまして,離婚後の親子の交流と子の利益の調査が盛んとなりました。従来の単独親権では憲法違反の可能性もありましたが, 憲法訴訟を待つまでもなく,各州法は法改正を行い,共同監護法を定めていきました。その皮切りとなりましたのがカリフォルニア州の共同法的監護と共同身上監護です。1990年代には全州で立法又は判例法で共同監護法が成立しています。現在はジョイント・カストディという言葉を用いないところが多く,ペアレンティング・プランの作成により共同監護を達成しています。アメリカの離婚は全て裁判離婚ですが,両親が別居,離婚時に協議で個別具体的に,養育費を含め,子どもに関する養育計画書を作成します。そして, それを裁判所へ提出し,それを裁判所が認めることで,裁判所命令となっていきます。

②共同監護法の種類(裁判規範)
 ・ 州の政策: 頻繁かつ継続した親子の交流を促進することを州の方針とする。
 ・ 推定則規定: 親の合意があれば共同監護は子の最善の利益に適うと推定する。
 ・ 強行的規定: 共同監護が子に有害でない限り共同監護を付与する。
 ・ 選択的規定: 子の最善の利益判断に従って監護形態を決定する。

 裁判規範として規定されている各州の共同監護法の種類をここに挙げました。各州の立法にはそれぞれ特徴がありますが,次のような形態が存在します。各州によって共同監護の優先性は異なりますが,当初の立法から後退するのではなく,共同監護を子の利益として推定している州が増えています。それは,子どもの心身の発達のために,子は両親双方との関係が重要であること,経済的にも親双方が責任を果たすことが求められているからでして,子の教育は親の権利であり,親の責任であることが親にも国家にも認識されております。親の教育権に関しましては,一連の憲法裁判がありますが,現在,連邦法で,親には子の学校の成績に関する情報を閲覧する権利というものが認められています。アメリカの家族観というものは,団体ではなく妻と夫,父と子,母と子という個人的な結び付きの関係性で成り立っていると捉えることができると思います。なお,アメリカ法は親の養育や面会交流につきまして,先ほどお話がありましたように,子どもの権利構成は採っておりません。子どもの利益を飽くまでも州が保障するという形を採っております。

2. 共同監護の現状
①共同監護(joint legal custody/joint physical custody)の状況
1989 年カリフォルニア州: 共同法的監護 75.6%、共同身上監護 20.2%
1998 年ウィスコンシン州: 1:1~1:3 の共同身上監護8%
2002 年ノースカロライナ州: 共同法的監護 69.7%、共同身上監護 16.7%
2002 年アリゾナ州: 1:3~1:4 の共同身上監護 27%、1:1~1:2 の共同身上監護 15%
2007 年ネブラスカ州ダグラス郡: 共同法的監護 53%、共同身上監護 17%
2007 年ウィスコンシン州: 1:1 の共同身上監護 27%、1:3 の共同身上監護 18%
2008 年ワシントン州: 1:2 以上の共同身上監護 50%

 続きまして,2ページにまいります。共同監護の現状としまして,各州で調査された数値を挙げました。おおよその傾向が分かると思います。共同法的監護が約6から8割,共同身上監護が2割から5割ほどだと思います。しかし,共同身上監護といいましても,大体1対2とか1対3の宿泊から共同身上監護とみなしているようでして,必ずしも1対1,フィフティ・フィフティが強いられているわけではありません。1週間置きの週末に親子が面会交流して別居親宅に宿泊したり,長期の休みのときに別居親宅で暮らすというパタ ーンが多いようです。ペアレンティング・プランの中で共同身上監護とはせずに養育時間として捉えられています。

②共同監護の評価2
 ・ 子への調査: 共同身上監護を経験している子たちの方が単独監護の子たちより、精神的、行動的、心理的、身体的健康が優れている。父母の高葛藤に拘わらず、別居父宅への宿泊日数が長いほど、子は父と良い関係を保っている。2つの家は面倒だが両親と親密な関係を維持するための価値はあると答えている。
 ・ 母への調査: 共同監護と単独監護において、子の心身の健康状態に変わりはない。母の精神的不安、父母の高葛藤と子の精神状態には関連性がある。
 ・ 裁判官への調査: インディアナ州での 1998 年と 2011 年の調査では、あらゆる年代の子に共同監護がふさわしいと考える割合が増加した。87%の裁判官は、 両親が合意していなくとも共同法的監護を付与したいと答えている。
 ・ 総合: 多くの子は別居親と頻繁に会いたいと思っており、交流の頻度と親の紛争状態が、子の幸福感と関連している。高葛藤両親のカウンセリング後に、共同身上監護の子たちは単独監護の子たちよりストレス、不安、問題行動が少なくなっている。乳幼児期でも共同身上監護は悪い結果は出ていない。あらゆる年代で共同身上監護は子にとって良い結果を得ている。ただし、父の暴力があると、子と良い関係性は築けていない。

 共同監護の評価としまして,1980年代から2000年代まで,社会科学者によるインタビュー調査,資料調査が行われました。注にありますが,それら40個の調査をまとめたもの,また,そこに含まれる個別の文献を参考にしたものをここでは挙げております。 この調査では,未婚や離婚の違いなく無作為に抽出したサンプルだったり,離婚後のサンプルだったり,裁判所資料だったりしています。また,調査対象の数や期間も様々です。 個々の研究では親の年収や学歴,住居の距離,再婚の有無,子の性別,年齢等,多くの変数による細かい数値が出されていますが,取りあえず大まかにまとめてみました。
 これらの調査としましては,共同身上監護を経験している子たちの方が単独監護の子どもたちよりも精神的,行動的,心理的,身体的健康が優れているという結果が出されております。また,父母の高葛藤にかかわらず,別居親宅の宿泊日数が長いほど,子は父とよい関係を保っているということです。母への調査に関しましては,共同監護と単独監護, それを経験している双方の母親へのインタビューでは,子の心身の健康状態に変わりはないという結論です。また,母の精神的不安や父母の高葛藤と子の精神状態には関連性があると言われております。裁判官への調査としまして,インディアナ州で1998年と20 11年の調査が行われました。2011年にはあらゆる年代の子に共同監護がふさわしいと考える裁判官の割合が増加しています。また,2011年には87%の裁判官が,両親が合意していなくとも共同法的監護を付与したいと答えています。
 まとめますと,子どもの感覚としては別居親と頻繁に会いたいと思っており,交流の頻度と親の紛争状態が子の幸福感と関連しているようです。高葛藤両親のカウンセリング後に,共同身上監護の子どもたちはストレスや不安,問題行動が少なくなったと言われています。また,乳幼児期でも共同身上監護は悪い結果は出されていないということです。結論としまして,あらゆる年代で共同身上監護は子によってよい結果を得ている,ただし, 父の暴力があると子とよい関係は築けていないということです。しかし,先ほど菅原先生の報告にもありましたように,うまくいっているので共同身上監護はいい結果が出されているということは言えるとは思います。

③共同監護の実現を支えているもの
 ・ 州の方針: 婚姻外でも子は両親と頻繁かつ継続して交流すること、両親から養育を受けることが子の最善の利益であると推定する州法の存在☞行為規範となり、親は共同監護を前提として婚姻外の養育計画を立てる。共同監護を達成するために社会資源が整えられていく。
 ・ 養育計画書: 一律的な共同監護ではなく、養育計画書の作成により、両親は個別具体的に子に関する法的決定権の所在と子と過ごす時間を計画する。意見の対立、不履行が生じた場合の解決方法もあらかじめ取り決めておく。
 ・ 子の親との関係性の重視: 裁判所は、親の合意がない場合も、子と両親それぞれとの関係維持を尊重して共同監護を命じる場合がある☞親の合意形成へ。
 ・ 無断転居の制限: 別居親による子の監護および面会交流を阻害しないために、 同居親は転居前に別居親へ通知し、同意を得るか養育計画を作成し直す。
 ・ 情報発信の充実: 各州、各自治体、各裁判所はウェブサイトを通して、養育計画書の案内/見本/作成援助、ファシリテーターによる家族問題に関する法手続案内、親教育の受講義務、メディエーション案内、コンピューターによる養育費計算、DV 等各種裁判手続の案内、不履行時の手続、州法等を発信している。
 ・ 民間支援の充実: 専門職である離婚カウンセラー、臨床心理士、精神保健医、 エヴァリュエーター、親教育者、養育コーディネーター、メディエーター、弁護士、面会交流機関等が支援する。コンピューターによる養育計画書作成支援、両親間の情報交換ツールが発達している。
 ・ 研究の充実: 法学研究、社会科学研究、心理学/行動科学/精神医学等による研究/調査、脳科学の研究/調査、裁判の指針、各種団体/学界による指針が発表されている。

 3番目です。共同監護の実現を支えているものとして,以下,七つ挙げました。まず, 州の方針としまして,婚姻外でも子は両親と頻繁かつ継続して交流すること,両親から養育を受けることが子の最善の利益であると推定するという州の基本政策を州法に明示しているというのがアメリカ法の特徴です。これが行為規範となりまして,親は共同監護を前提として婚姻外の養育計画を立てることになります。そして,共同監護を達成するために社会資源が整えられていきます。共同監護が広がって40年以上がたっていますが,もはや共同監護は当然のこととして受け入れられており,それに向けて調整が図られているという現状です。
 先ほど述べましたように,養育計画書というものを両親は数ページにわたり,個別具体的に子に関する法的決定の所在や子と過ごす時間を計画します。意見の対立,不履行が生じた場合の解決方法もあらかじめ取り決めておくということになっています。
 親の合意がないのに,なぜ裁判所は共同監護を付与する場合があるのかといいますと, 裁判官は子と親,それぞれの関係性を重視すると言っています。ここでは,親が精神面で共同監護ができるか否かではなく,子どものためにいかに協力して,妥協して,子どものために暮らすかということが求められています。
 また,無断転居の制限ですが,別居親による子の監護及び面会交流を阻害しないために, 同居親は転居前に別居親へ通知し,同意を得るか,養育計画書を作成し直さなければならないとされておりまして,これも養育計画に書かれることになります。州法はほとんどのところで定めておりますので,これも常識として認識されております。
 情報発信の充実としまして,各州のホームページを見ると,共同監護がうまくいくための支援として,その充実度が分かります。例えば,養育計画書の案内や見本や作成援助などがありますし,コンピューターによる養育費の計算や,またDVなどの手続などが紹介されております。
 民間支援の充実もあります。アメリカで有名なように離婚カウンセラーとか,法律以前に夫婦関係の問題にどう対処するか,そして,子どもをめぐる調整機関というものが,ここに挙げているように様々あります。養育コーディネーターやメディエーターなどは大学院を出て幾つかの資格を得る専門職として位置付けられております。
 また,研究の充実は羨ましい限りで,法学研究や様々な社会科学,医学などの研究が進められておりまして,裁判所の指針なども詳細な資料が開示されておりますので,私たちはそれを見ることができます。

3. 高葛藤事案に対して
①紛争性の程度
 紛争性のない離婚50%、争いはあったが解決30%、メディエーションで解決10%、 調査後解決 5.2%、裁判中解決 2.2%、裁判官による判決 1.5%
②高葛藤の場合
 ・ DV、親密圏の暴力: シェルターへ避難する。裁判所で緊急保護命令を得て、 子の監護権、養育費/生活費/治療費支払い命令を得る。 離婚時の養育計画書作成は相手方と協議せず、各自裁判所に提出する。
 ・ PA(片親疎外): 裁判所での認定が困難。DV 加害者のでっち上げと非難される。PA に対して監護権変更を申し立てる場合がある。

 3番目の高葛藤事案に関してにいきます。紛争性の程度を調査したものによりますと,これはカリフォルニア州の例ですが,紛争性のない離婚が50%,争いはあったが解決したのが30%,メディエーションで解決が10%,調査後,これはエバリュエーションという監護評価を行って解決したものが5.2%,裁判中解決したのが2.2%,裁判官による判決が1.5%ということで,あまり日本の状況とは変わらないようです。
 高葛藤の場合の手続としまして,DVや親密圏の暴力がある場合には,被害者はシェルターへ子を連れて避難することになります。裁判所で緊急保護命令を得て,被害者には子の監護権が通常付与されまして,加害者には養育費や生活費,治療費などの支払い命令が出されます。離婚時の養育計画作成は相手方と協議せず,それぞれが書いて裁判所に提出するというふうになっています。DVとともに今問題となっているのが,PAといわれる 片親疎外というものです。DVの被害者からは加害者のでっち上げと非難されることもありますが,DVの主張がなかなか裁判所で通らないという理由の一つに,まれにDVの被害者が他方の親を遠ざけるために虚偽の証言をしているということがありまして,これが PAといわれるものとなっています。しかし,真正のDVの加害者が相手の主張をPAと言って監護権を得るということもありますので,もう裁判所では精神科医の証言が必要となってきまして,かなりここの場面では精神科の研究が進んでいると言われているところ です。

③高葛藤への対処
 ・ DV 教育: 裁判官、法律家、弁護士、エヴァリュエーター、DV 保護施設職員、 法学生等への DV 教育を州法で義務づけている。
 ・ DV 加害者への監護権付与制限: DV 加害者への監護権付与は子の最善の利益とはならないと推定する州法が広がっている。
 ・ 医的介入: DV/虐待加害者は DV/虐待治療終了まで面会交流の制限。PA に対する治療的介入、引き離された親子の再統合。
 ・ 第三者による支援: 虐待加害者と子の面会交流に対して第三者機関の監視、送迎。
 ・ 履行義務違反に対する法的措置: メディエーション、養育計画の再構成、裁判所侮辱、損害賠償、監護権変更。
 ・ 子どもの代理人: 親が直接子に父母の選択をさせることは子の利益にならないとされ、精神科医等による子の調査、裁判官室でのヒアリングにより子の意思の調査が行われる。弁護士は子の意思または子の利益を代理して、裁判所で主張を行う。

 高葛藤への対処としまして,まず,DV教育が必要とされています。アメリカでもまだまだ足りていないという認識です。専門家への教育,そして法学生,ロースクールの学生への教育が義務付けられています。立法におきましては,DV加害者への監護権の付与が制限されています。DV加害者への監護権付与は子の最善の利益にはならないと推定する州法が広がっています。しかしDVが認定されることがまず必要なのですが,それが第一の関門となっています。医的介入としましては,裁判所はDVや虐待加害者にDVや虐待治療終了まで面会交流を制限したり,PAによる引き離された親子の再統合のために治療的介入を命じたりすることもあります。DVやPAに関しては,もはや法律問題ではなく, 心理学や精神医学,脳科学による研究が進んでいる分野です。第三者による支援,これに関しましては,虐待加害者と子の面会交流に対して第三者機関の監視や送迎があることは既に我が国でも紹介されております。履行義務違反に対する法的措置としまして,メディ エーション,養育計画の再構成,裁判所侮辱,損害賠償,監護権変更などが用意されております。アメリカのほとんどの履行義務違反には民事的裁判侮辱,コンテンプト・オブ・コートが用いられまして,義務者は履行するまで過料か拘禁が科せられます。次に,子どもの代理人ですが,これは親が費用を負担しますが,これの制度も進んでおります。親が直接子どもに父母を選択させるということは子どもの利益にはならないとされておりますので,精神科医や裁判官及び弁護士による子に負担を掛けないヒアリングの方法も研究されております。

4. 意見が対立した場合の調整方法や解決の実情
 ・ 事前準備: 養育計画書に、意見が対立した場合の解決方法を取り決める。
 ・ 養育計画書再作成の支援: 各自治体が提供するガイダンス、子の年齢別・両親宅の距離別等の計画案、養育計画書コーディネーター、アドバイザー、マネジャー等による支援。弁護士、メディエーション等の第三者による仲介。
 ・ DV がある場合: 養育計画書作成は協議せず、個別に記入して裁判所へ提出する

 4番目,意見が対立した場合の調整方法や解決の実情。既に述べましたように,養育計画書に意見が対立した場合の解決方法を取り決めるようになっておりまして,弁護士を通じた調整やメディエーションがあります。養育計画書再作成の支援もその一つになっています。各自治体が提供するガイダンスや子どもの年齢別,両親宅の距離別の計画案,養育計画書コーディネーターやアドバイザー,マネジャーによる支援,そして,弁護士やメデ ィエーションなどの第三者による仲介というものが一般にあります。DVがある場合には, 養育計画書は協議せずに個別に記入して裁判所へ提出し,裁判所が定めるということになっております。
 アメリカにつきましては以上です。

(了)

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