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急性淫

夏の日がこどもを透過する。青い日射しで太陽をいっぱいにしたい。あなただけが持ち得る寂しさの震度で、ブランコに乗って揺れていたかった。甘いチョコレートはきらい。切って貼ってを繰り返す夜を嗤ってから、なにもかもを許してほしい。そんな気持ちが伝染すればいい。

浅く探したこころの縁取りは、いつのまにか淫靡に変わった
まじわる言葉の意味だって明日には灰になってしまう人生だから、わたし独りで夜を走った
「これも嘘と笑って、孤独も阿呆に信じ込ませてよ」
身体と声に拘束されるだけされて、それだけで一生は果ててしまって、苦しみはいつも藍染めだったから、黒いインクを頭からかぶった
影になりたかった
「そんなことを最期に言うくらいなら殺してほしかった、死ぬ勇気なんて持ってないから」
借り物のさよならを繰り返して、捕らわれたこころが無限に死んでしまう
愛している、愛してた。殺伐と抱き合って壮絶にねむる日々は巻き戻して擦り切れてしまった
「どうか誤魔化さないで、その指から貰えばどんな嘘だって本当に出来るの」
息を止めて走るほど、わたしがわたしでなくなって
寂しさだけが速度を増して、撫でる、肺を、そっと、望んでもいないのに、朝がやってくる、夜を侮辱しながら
息を吐いて約束を吸い込んでそれでおわりにしたい、なにもかも
こんなにも遠くから
あなたの片鱗に
そっと伸ばした手

これは濃縮された殺意のうたであって、けっして勘違いしてはいけないよ、おまえ、わたしの成分はもうこの世に残っていないとしても
同じ言語を交わして、まじり会えない惑星で、ずっと迷子のままでいよう
記憶が言葉を飛ばして口をつぐんで遠ざかる、鬱。脆い輪廻に置き去りの水子。あなたに忘れられた、わたしが忘れたあなたの横顔をずっと見ている
知ってる、夢だって
急いで走馬灯を追い越そう、生き急ぐ影に覆われるまえに先端へと崩れて帰ろう


久しぶりにちゃんと詩を。

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