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サイレントヒル(カナダ+フランス:2006) #居石信吾の映画実況雑記

 対ミッドサマーホラー映画ブートキャンプ第二弾。皆様ご存知ゲーム「サイレントヒル」の実写映画化作品である。
 ストーリー的には1をなぞっているらしいのだが、あいにくというか幸いというか俺はサイレントヒルは4しかやったことがないのでストーリー的ネタバレを負うことなく観ることが出来た。

注意!

以下の文章にはネタバレしかありません。

なお、これは一人実況していたツイートを見ながら記憶で書いているので不正確なところがあったり時系列が正しくなかったりします。ご了承ください。



 開幕、シャロンという少女が夢遊病で崖の上に。下を覗き込むと、煉獄のような炎と錆びた鉄骨に佇む少女……。探しに来た両親に抱きしめられながらシャロンちゃんは謎めいて呟くのであった。「サイレントヒル」と。
 サイレントヒルは昔に大火事で焼けて出入り禁止された街。母親はそこへ娘を連れて行き夢遊病の謎を解き明かすつもりのようだ。父親には無断で。絶対にやめておいた方がいいと思うなァ。ちなみにサイレントヒルの詳細は母親がググッて調べたが検索履歴を消していなかったので速攻父バレする。みんなも注意しましょう。
 立ち寄ったガソリンスタンドでシャロンちゃんのお絵かき帳を見る母。そこには黒いクレヨンを多用したホラー映画で子供が描く怖い絵が。描いた覚えがないと泣くシャロンちゃんを慰めているとT-1000に似た警官に見咎められる。どうやら誘拐犯と勘違いされたようだ。後で分かるがこの人はめちゃくちゃ熱い心の持ち主でいい人である。あとT-1000に似ているが女性である。
 追ってくる警官を振り切って、閉鎖されているサイレントヒルへの道へ突っ込む母親。その時である。ラジオ先輩がガリガリとノイズを放ち、外には霧が立ち込めた! Welcome to Silent Hill……。イカれた街へようこそ。
 街の入り口で何かが道を横切り、車は事故る。母が目覚めるとシャロンちゃんはいない。そして灰が降りしきる霧に沈んだ無人の廃墟。原作にもよくあるギンゴンギンゴン鳴る怖いBGMを背景にシャロン? と追いかけっこをする。いや絶対に娘じゃないでしょそれ。しかも地下に行くし。ホラーで地下はダメだ。
 その時街にサイレンが鳴り響き、世界が裏返る。サイレンで裏世界に入るとか別のゲームを思い出しますねえ。広がるのは血と錆と汚水に塗れた異界で、明かりとなるのはライターのみ。序盤の絶体絶命都市かよ。こんな世界に入った時点で俺なら一歩も動けずジ・エンド・オブ・メキシコだが、母は強し。逃げる娘のようななにかを追いすがる。しかし唐突に出てきた内臓がまろび出たまま磔にされている人間(しかも生きている)を見て絶叫。更には大量のクリーチャーに襲われて逃げ惑う。バールはないのか! 母が襲われるシーンはエロスを感じる。
 最早これまでかとなったところで裏世界が終息してクリーチャーは消える。扉を越えたから所謂「管轄外」だったに違いない。とりあえず街の入り口まで戻るがそこは断崖絶壁。サイレントヒルからは逃れられない。
 入口付近で第一村人発見! 見た目がかなりヤバく、シャロンちゃんのことを私の娘だとかいうおばさんである。ダメそうですねこれは。
 現実世界でのお父さんパート。静岡にいるお母さんからの電話の録音はノイズ塗れでめちゃくちゃ怖くなっているのであった。でも電波は届くんだね。ちなみにお父さんパートは原作ゲームでもよくある「かつてサイレントヒルに何があったのか」を解き明かす役割である。しかしお父さんは霧立ち込める方のサイレントヒルには入れず、廃墟と化した現実の町並みをさ迷うしかないのであった。そしてお父さんパートで過去の謎を解き明かすということは、お母さんパートでは世界は謎のままガンガンクリーチャーに襲われるだけである。この分断が悲しいラストへと続く。ちなみにお父さんはボロミアだ。だから死ぬかと思いながら観ていたが別に死ななかった。
 さてお母さんは酸攻撃をするクリーチャーに襲われるもT-1000と合流し助かる。がT-1000はまだこちらを疑っているので手錠を掛けられてしまう。しかしその状態でも気合いで逃げ切り、娘の怖い絵をヒントに廃校へと向かう。
 何故か電池が腐食していない懐中電灯をゲットしたりガスマスク装備の変なやつらに追い回されたりしているうちにトイレに逃げ込む母。そこからは女の子の泣き声が……ああもう怖い。わざわざ見に行くのナンデ!? 扉を開けたらババーン! キャー! 鉄条網塗れの男の死体が。口の中から次のマップのヒントとなるアイテムをゲットしたりしていると再びサイレンが鳴り裏世界に。
 壁とか床が日焼けした皮膚が剥がれるように捲れて、錆だらけの工場みたいな場所+巨大ファンが現れるのはかなり原作ゲームっぽくていい。さっきの死体がさっそくクリーチャーになるが足が遅いので割と余裕で撒く。
 そしてさ迷っているうちに▲様が! かっけえ!
 説明しよう。▲様とは正式名称レッドピラミッドシングであり、大体の登場作において最強クリーチャーなのだ。でかい三角のフルメンポを装備しており手には巨大刃物、上半身裸のマッチョである。映画の▲様は大量のゴキクリーチャーを引き連れており、趣味は生きた女の皮を剥ぐ事である。

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 下のエプロンは人皮で出来ているらしい。 
▲様は当然倒せないが裏世界終了で撒くことに成功する。ガスマスク装備の奴らはゴキに貪られていた。
 男の死体の口から出てきたアイテムに従い次のステージはホテルへ。そこではこのサイレントヒルに取り残された住人に遭遇するがあまり役に立たない。ホテルは悪魔の庭だの言っている。
 隠し部屋を発見しそこから隣のビルへと向かう一行。また女の子の泣き声に導かれる。声の主はアレッサ、冒頭でシャロンを呼んでいた娘。かつてサイレントヒルの教団に魔女として火炙りにされた悲劇の子だ。
 そうこうしているうちに再び裏世界の兆候が。サイレンはサイレントヒルのカルト教団員たちが立て篭もる教会が鳴らしていた。逃げ遅れるホテルで出会った信者は哀れ▲様に捕まり皮を剥がされてしまう。
 母とT-1000は教団員たちにクリーチャーを連れてきたことを詰られてあわや魔女狩りに遭うところだったが、再びホテルへ向かうことで合意する。ホテルの地下には何かがあるが、生きて帰った者はいないのだ。ガスマスクを装備する教団員たち。今までちょくちょく出てきてたのは探索してた教団員だったのだね。
 ホテルの地下に降りた後のマップの道順を教えてもらうのだが「右左右左右右左左」となんかコナミコマンドっぽい。そういやコナミのゲームでしたわこれ。
 ここまで来てもやっぱり裏切ろうとする糞教団員たちをT-1000が抑えてる間に母は地下へ。そこはゲームでもお馴染みのマップ廃病院が広がっていた! そして廃病院といえば「一番エロいクリーチャー」で有名なバブルヘッドナースの登場である。本作でもその魅惑のボディを見せ付けてくれる。ちなみに映画のクリーチャーは非人間型のものを除いて全て特殊メイクを施した人間が演じているらしい。このおっぱいと太ももも生身か……。バブルヘッドナースは光を当てている間だけ動くのだが、光を消されて止まる際に結構ぷるぷるしている。懐中電灯を床に置くことで振り切ることに成功。
 病院の奥でついに真実と対面する母。気が狂っていた第一村人はアレッサの母親であり、彼女の姉が教団の長だったのだ。アレッサが苛められて魔女呼ばわりされているのは父親が誰だか分からないせいであった。ちなみに学校で鉄条網巻きになって死んでた男からは性的虐待まで受けてたっぽい。ひどすぎる。執拗な姉の言葉責めでついに娘を教団の生贄に捧げてしまう第一村人。生きたまま焼かれるアレッサ……だがその炎が燃え広がり火事に。ちなみに焼かれ方がえぐい。直接火に放り込むのではなくケバブめいた炙り焼きにされる。しかしアレッサは黒焦げだが生きていた。病床で全てのものに対して恨みを抱くようになったアレッサはやがて生霊・ダークアレッサを生み出し、裏世界を作って教団員たちを霧立ち込めるサイレントヒルに閉じ込めるのであった……。
 教団の糞共はアレッサそっくりのシャロンを火炙りにしたら助かると思い込んでいるらしい。全く懲りない悪びれない。ちなみにT-1000もぼこぼこにされて縛られている。そしてT-1000がまず火炙りに……。やたら高い棒に縛られているのをゆっくり火の傍に降ろして焼くんだけども、棒が高すぎて(吹き抜けの二階くらいまであるので多分6メートルくらい)めちゃくちゃ大掛かりなのがシュール。そこまでせんでももっと楽に焼く方法あるよね!?
 教団のアホたちは幼女の前で人を焼いて大喜びである。第一村人も見ていることしか出来ない。さあ次はお前だシャロン、となったところで母親登場。娘を助けに向かうが躊躇なきサイコ教主に刺されてしまう。
 しかしその血をきっかけに、世界が錆びてゆく。聖域だったはずの教会が裏世界になってゆく。母の中に入り込むことで、今まで進入不可能だった教会にダークアレッサがやってこれたのだ。
 そしてついにアレッサ本尊が登場。鉄条網に縛りつけられた聖女といった感じ。ここからは本作最大の見せ場、教団員大虐殺のシーン。教主の股に鉄条網が浸入! 引き裂く! 教団員に撒きつく! 引き裂く! 血飛沫を浴びて嬉しそうにくるくると舞い踊るダークアレッサが可愛い。正直教団があまりにカルトすぎたのでアレッサの復讐成就はめちゃくちゃすっきりする。ゴアだけど。
 娘を抱いたまま気絶する母。そして抱かれたシャロンの元へダークアレッサがやってきて微笑み……。
 起きた時には全てが終わっていた。死体は裏世界に消えたので何も残っていない。ただ第一村人だけが残されていた。裏切られとしても、娘にとって母親とは神なのだ……。
 車に乗り、サイレントヒルから脱出する母子。しかし辺りは霧がたち込め、電話はノイズだらけ……。自宅に帰ってくるが、誰もいない。現実パートでは自宅のソファで憔悴した父親が眠っている。はっと目が覚ますが、妻と娘はやはり見えない。そして最後、なにやらシャロンの表情がダークアレッサっぽい感じになって終わる……不穏!
 何も解決していないが、どうやら続編があるようだ。いずれ観ようと思います。

 霧に沈むサイレントヒルの街並み、シリーズでお馴染みのクリーチャーや血と錆に塗れた『裏世界』の再現度の高さなど中々満足度は高かったのだが、どうも再現度の方に目がいってしまい純粋に怖がれた気がしない。▲様ご登場とか「よっ! 待ってました!」って感じでしたもの。
 ちなみにアマプラで観れます。
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B01B6WTBVY/ref=atv_dp_share_cu_r

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