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ホール・ウォーズ〜グローリーホールの没落〜

 俺の肛門がワームホールの出入り口と判明した。出すのはいい。本来の機能だ。宇宙の彼方からの通信筒であっても便秘に苦しむよりかはマシだ。問題は入れる方で、俺がNASAにどんなに入れやすい形にしてくれと頼んでも「異星人に卑猥な形状の物を送る事は出来ない」の一点張りで聞き入れてくれない。
 医者にも理由の分からなかった便秘の正体は、俺の直腸付近でワームホールが発生しているせいだった。つまり腸の内容物は漏れなく異星人に送られている訳で、今更ディルドの一つや二つ送っても問題はないのと思うのだが。
 異星人との通信を俺は見せて貰っていないが、職員が段々と険しい顔で俺にキバれと命令してくる様になったので何か拙い事態が進行中らしい。
 そしてその日が来た。なんとNASAが俺の肛門を閉鎖するというのだ!
 俺は接触を固く禁じられている肛門を自ら開き異星人にメッセージを送った。「僕の肛門が閉鎖されそうです」と。
 返信はシンプル。
「グワーッ!」
 鋭い痛みと共に出てきたのは、光線銃だった!

「はぁっはあっ」
 エリア51の基地からの脱出まで後一歩という所で、そいつはやって来た。
「オゲーッ!」
 軍服を着た女がゲロを吐いている! 頭がおかしいのか? 違う、噴出するゲロの中に──光線銃!
「『グローリーホールズ』に貴方も入れるかと思っていたけど、見込み違いだったようね」
 俺も覚悟を決める。もう二度とまともな排便が出来なくなってもいい──だから強力な武器を!
 スモウレスラーのシコの様な体勢で全力でキバる! ブシューッ! ガスを伴い排泄されたのはパワードスーツ一式であった! 俺は血塗れのそれを着装する!
「これは私も負けていられないわね」
 ギラリと目を光らせた女は、オロロロロ! 噴水の如く天高くゲロを噴射! 出てきた武器はCビーム砲!
『切れ痔に良くぞ耐えた。君を選んで正解だった』
 スーツの内蔵スピーカーが突然オン! この甲高い声は……エイリアン!?

【続く】

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