閃きは現場にあり!課題から考えるヘルスケアビジネス vol.4 <3/20フォーラム開催報告>
2021年3月18日(木)・19日(金)・20日(土)の3日間にわたり「にいがたヘルスケアベンチャーフォーラム 〜閃きは現場にあり!課題から考えるヘルスケアビジネス〜」がオンラインにて開催されました。
vol.3に続く本記事では、3月20日(土)に行われた講演やケースディスカッションの様子を簡単にお伝えしていきます。(当日のアーカイブ動画はこちら)
ヘルスケアやICT、起業に興味のある方、そして何より新潟をよくしたいという熱い志を持った方は必見です!
ゲスト紹介
◇ 青木武士(あおき・たけし)氏
株式会社キャピタルメディカ・ベンチャーズ 代表取締役
造船会社でバイオマス発電事業等に携わった後、ソフトウェア開発会社を経て、(株)エス・エム・エスにて事業開発に携わり、M&Aやインキュベーションプログラムの運営を行う。また、訪問看護ステーションの設立・運営など医療・介護現場のオペレーション経験も有する。その後、キャピタルメディカが運営支援する病院や介護施設をテストフィールドとして活用することで事業を創造するCVC(注1 )を立ち上げ、現在はその代表としてベンチャー投資を実施している。
(注1)CVC:Corporate Venture Capitalの略語で、事業会社が自己資金でファンドを組成し、主に未上場の新興企業(ベンチャー企業)に出資や支援を行う活動組織のこと
◇ 裵英洙(はい・えいしゅ)氏
ハイズ株式会社 代表取締役 / 慶應義塾大学 特任教授
1998年に医師免許取得後、金沢大学第一外科に入局、金沢大学をはじめ急性期病院にて外科医・病理医として勤務。勤務医時代に病院におけるマネジメントの必要性を痛感し、10年ほどの勤務医経験を経て、慶應義塾大学経営管理研究科に入学。主席で修了しMBA(経営学修士)を取得。現在、ハイズ株式会社代表として、各地の病院経営の経営アドバイザーとして活躍中。また、アカデミックの分野では慶應義塾大学特任教授をはじめ複数の医学部客員教授を務め、病院経営に関して教鞭を取る。さらに、厚労省「医師の働き方改革に関する検討会」や「医師需給分科会」の公職を歴任。
講演 〜株式会社キャピタルメディカ・ベンチャーズ 代表取締役 青木武士氏〜
青木氏には、「ヘルスケアベンチャーの今」というテーマでご講演いただきました。
<キャピタルメディカ・ベンチャーズについて>
キャピタルメディカ・ベンチャーズは、医療機関をテストフィールドとして提供できる国内唯一のヘルスケア特化型ベンチャーキャピタルです。EUCALIAというブランドで病院経営支援サービスを提供しています。合計4000床におよぶ病院や介護施設を運営・支援しており、病床数において大手医療法人グループと比して第2位グループにつけています。また、SDGs(注2)の対応としてインパクトレポートの発行をおこなっています。ヘルスケアスタートアップ投資を通じた社会的アウトカムを定量的・定性的に可視化することで、ファンド出資者と投資先企業に対して高い付加価値を提供しています。
<ヘルスケアベンチャーが生まれる背景>
ヘルスケア領域には沢山の社会課題があり、ここ数年でヘルスケアベンチャーは勃興しています。その誘引の一つとして、ヘルスケアベンチャーにお金が回りはじめたことが挙げられます。ベンチャーキャピタルが運用しているファンドが多くのお金を動かしていますが、大学がもっているベンチャーキャピタルも大きなお金を動かすようになってきました。また、ヘルスケア領域のスタートアップに出資をする会社が増えてきたり、医療の卸会社がヘルスケアベンチャーにお金を回すようになってきたり、医療とは関係のない会社がCVCを作って参入してきている流れもあります。
ヘルスケア領域は関連投資の対象として豊富な投資機会が存在するため、利回りと投資機会の観点から、SDGsと関連投資参入時に選択肢の一つとして注目されています。ヘルスケア領域におけるイグジット(注3)件数は増加傾向にあり、特にM&Aによるイグジット機会は良好に推移しています。
また、政府や行政によるヘルスケアスタートアップ支援も強化されています。政府機関や行政が主導となり、支援組織・施設の新設、支援・育成プログラムの実施など、スタートアップエコシステムの形成を後押しする様々な政策が実行されています。
<whithコロナ禍でのヘルスケアサービスのテーマって何?>
2020年を振り返ると、海外で一番伸びたのはオンライン診療系のサービスで、日本でも同様に大きくなっています。遠隔医療のスタートアップは本当に増えてきており、規模感も大きいものが多いです。しかし、プレイヤーが多いと差別化が難しくなってくるため、今後は差別化を図るため何かに特化したものが増えてくる可能性が高いでしょう。
(注2)SDGs:Sustainable Development Goalsの略語で、持続可能な開発目標
(注3)イグジット:ベンチャービジネスや企業再生などにおいて、創業者やファンドが株式を売却し、利益を手にすること
ケースディスカッション 〜ハイズ株式会社 代表取締役 裵英洙氏〜
<はじめに>
ケースディスカッションとは、特定の学習目標を達成するために、意図的に構成された教材を用いて、学習者同士の討議を繰り返すことで実践力を身につける教育手法。受講生はケース( 組織が有する経営課題を記述した教材 )を事前に読み、それぞれの視点で分析し、課題に対しての意思決定の内容やその理由を発表し、他の受講生や教員と論議します。
本日は、当フォーラムのために新しく書き下ろされた裵氏オリジナルのケースをもとに、オンライン上で議論が進められました。
裵氏の温かくもリズミカルなファシリテーションのもと、参加者からは積極的に意見が飛び交い、非常に盛り上がりをみせました。アンケートでは、「裵先生のディスカッションがとても勉強になりました」という声も聞かれました。
フォーラム全日程におけるアンケート結果
本フォーラムの全日程における申込み総数は191名でした。また、参加者のアンケート結果では満足度は98%でした。
最後に
2021年4月15日「にいがたヘルスケアアカデミー」が開講しました!アカデミーの様子は、当noteやTwitterにて発信していきます。
受講生:新潟のヘルスケアをより良くしたい!と考えている県内外の全ての皆様
主催:ヘルスケアICT立県実現プロジェクト
運営:株式会社BSNアイネット・ハイズ株式会社
後援:新潟県
Twitter:アカデミーの活動や関連情報、新潟のヘルスケア情報や潜在的な課題などを発信しています。
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