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【#4 アカデミー】 真のニーズを引き出すためのインタビュースキル! 聞く力・問う力を学ぶ

2021年5月22日(土)、「にいがたヘルスケアアカデミー・課題追求コース」の第4回講義が開催されました。今回は『知りたいを深掘りするスキル演習』というテーマで、「情報検索」と「インタビュースキル」の二手に分かれて進められました。

「情報検索」の講師には、BSNアイネットの清元ありさ氏、「インタビュースキル」の講師には、ハイズ株式会社の河村由実子氏をお迎えしました。

本記事では、アカデミー第4回講義の「インタビュースキル」の様子を簡単にお伝えしていきます。アカデミーに興味のある方、新潟のヘルスケアを良くしたいという思いをお持ちの方、医療課題に対してアクションを起こしていきたいと思っている方は必見です!


『課題追求コース』 全体スケジュール

2021年4月から始まった課題追求コースは、下記スケジュールで進んでいます。

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講義 『インタビュースキル』 河村由実子氏

■ 河村由実子(かわむら・ゆみこ)氏
ハイズ株式会社 / リハノワ.com代表 
広島県出身。2013年理学療法士免許取得後、亀田総合病院にて勤務。2017年から県立広島病院のICU専任理学療法士として勤務。病院で働く傍ら、FMラジオで医療系トークバラエティー番組「医どばた食堂」メインパーソナリティーとして活動。また、自ら取材・編集を行う医療系Webメディア「リハノワ.com」を運営。2020年春、ICUにおけるオンライン面会システムを発起人として構築。2020年夏、一級建築士とともに離島の空き家をバリアフリーリノベーションし宿屋を作るというプロジェクトを立ち上げる。2021年春より独立。


本日は、現場の真のニーズを捉えるために欠かせない『インタビュースキル』を、レクチャーとロール・プレイングを通して学んでいきました。

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講義の流れ

1. 新潟ヘルスケアICT立県実現プロジェクト活動報告
2. 導入レクチャー
3. ワークショップ

まずは、BSNアイネットの小林二朗氏より、新潟ヘルスケアICT立県実現プロジェクトの活動報告がありました。プロジェクトを進めるにあたり重要な情報探索(文献検索+インタビュー)が、実際の現場ではどのように役立っているのか、また、どのように苦しんできたかについて話されました。今回のテーマでもあるインタビューに関しては、”事前の準備の大切さ” を痛感したそうです。

河村氏による導入レクチャーは、「現場の明らかになっていない声(真のニーズ)を、対談を通して「具体的」かつ「本質的」に引き出せるようになる」ということを目的に進められました。

具体的かつ本質的に引き出すための ①事前準備(背景リサーチ、質問設計、事前のすり合わせ)と、限られた時間の中で聞き出すための ②インタビュースキル(姿勢、順番、引き出すコツ、共感、話が脱線した時)について順に解説されました。河村氏のこれまでの経験談やスキルを活用した際の具体的な効果も交えた実践的な内容が伝えられました。

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その後のワークショップは、ロール・プレイングで進められました。ロール・プレイングとは、現実に起こる場面を想定して、複数の人がそれぞれの役を演じ、擬似体験を通じて、ある事柄が実際におきた時に適切に対応できるようにする学習方法です。

今回は、3人1グループとなり、インタビュワー・インタビューイ・オブザーバーに別れ、それぞれシナリオにそって進められました。インタビュワーのシナリオには、患者の状態と悩みが記載されおり、事前準備やインタビュースキルを意識しながら実際にインタビューを行い、課題を特定します。

その後、チーム内や全体で感想や特定された課題の発表、フィードバックを行いました。

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講義の雰囲気

ワークショプは、限られた時間の中で参加者一人ひとりがとても真剣にかつ積極的に取り組みました。

インタビュワーは、背景のリサーチや質問を設計し、実際にインタビューに挑戦。言葉のキャッチボールを丁寧に行いながら用意された質問を時間内に投げかけるのは、本当に大変な様子でした。しかし、インタビューが進むに連れ、よりスムーズにインタビューを進めることができるようになっていきました。

インタビューイは、シナリオ設定が難しかったにも関わらず、内容をしっかりと読み込み、患者さん役に入り込んでいました。(あまりの名演技に運営側も驚かされました・・・!)

オブザーバーは、第三者的視点からインタビュワーの質問設計やインタビュースキルについて評価をしました。的確なフィードバックに、インタビュワーの方も新たな気づきを得ることができたようです。

全体を通して、非常に和気あいあいと、楽しい雰囲気で進められていたのが印象的でした。全体での振り返りの時間には、ふだん様々な領域で活躍する参加者から自身のバックグラウンドや経験を活かしたコメントが共有されました。参加者同士で共に振り返りを行うことで、多様な視点に触れ、学びをより深めることができました。


インタビュースキルのポイントを厳選して紹介

姿勢
インタビューをするにあたり、相手から「なんかノリがあう」「なぜか話したくなる」という印象を持ってもらうことは非常に大事です。具体的には、相手に合わせるスキルである「ペーシング」や「ミラーリング」の手法を使うと良いでしょう。また、「あなたの話をしっかりと聞いていますよ」の態度で挑み、誠意を見せることも大切です。また、ニコニコと面白そうに聞く、というのも大切です。

■ 共感
問いを投げかけたり、引き出したりする言葉を投げても、「聞いていないな」と思われると相手は不安になり話す事ができません。そこで、安心感を与えるためにも「共感」のスキルを使うと良いでしょう。一般的な共感のスキルとしては、相槌や頷き、語尾をあげないオウム返し(例:悩んでるんだ....。悩んでるんですね。)などがあります。

さらにワンランク上の共感としては、「言い換えの技」や「引っ張ってくる技」というものもあります。「言い換えの技」とは、相手の話していることを自分の言葉で言い換えることです。「引っ張ってくる技」とは、相手が少し前に言っていた言葉を、もう一度今の文脈に使うことです。これらの共感を使うことで、相手はしっかりと伝わっている事を確認でき、安心感をもって話すことができるでしょう。

講義で紹介されたインタビュースキルのエッセンス

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次回アカデミー

次回のアカデミーは、6月17日(木)19:30 からオンラインにて開催します。テーマは『定量分析』。講師は、ハイズ株式会社コンサルタントの後町陽子氏です。

次回もお楽しみに!

にいがたヘルスケアアカデミー
受講生:新潟のヘルスケアをより良くしたい!と考えている県内外の方々
主催:ヘルスケアICT立県実現プロジェクト
運営:株式会社BSNアイネット・ハイズ株式会社
後援:新潟県
Twitter:アカデミーの活動や関連情報、新潟のヘルスケア情報や潜在的な課題などを発信しています。

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