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4年目の学習者用デジタル教科書

私が初めて学習者用デジタル教科書を使って授業をしたのは2018年のこと。そう、もう4年目なんですよね。

学習者用デジタル教科書を使っている学校は、文科省の事業によって今年から爆発的に増えているわけですが、2018年当時はまだまだ珍しかったと思います。そもそもGIGAスクール構想などという言葉が出てくる前ですから、一人一台タブレット環境自体が十分にレアでした。

そんな年に第一回のICT×インクルーシブ教育セミナーを開いて「学習者用デジタル教科書を活用することで、読み書きに困難を抱えた子も学びを進められる授業ができる!」と提案したのでした。今、思えばなかなかの冒険ぶりです。(今もそう主張し続けていますけどね。)

それからずっと継続的に学習者用デジタル教科書を使ってきているわけですが、いくつか忘れ難い実践があります。まずは、これ。コロナ禍直前に行った宮沢賢治の「やまなし」です。

これは5年生の時から学習者用デジタル教科書を使い倒してきたクラスにとって最後の単元でした。楽しかったですねぇ。いや、その時は大変でしたが、ふり返ってみると子供たちが全然、私の想定通りに動かなくて(苦笑)単元の流れが子供たちの声でどんどん変わっていく。でも、ちゃんと学ぶべきことは学んで「やまなし」を読んでいく。そんな単元になったのでした。

本当はこの実践の後、「宮沢賢治の物語の場面をマイクラで作って朗読を重ねる」という実践をする予定だったのですが、それはコロナ休校で流れてしまったのでした。残念。

2020年に行った「大造じいさんとガン」も手応えのある実践になりました。この時は、学習者用デジタル教科書のマイ黒板機能を使ってまとめた自分の考えを、大型ディスプレイに表示してグループ毎に発表するということをやったのでした。55インチのディスプレイが埋め込まれたテーブル5台、70インチのディスプレイ2台を使うという、かなり贅沢な実践で、うっかりするとそちらに目がいきがちですが、実はマイ黒板に自分の考えをまとめるところこそが肝なのでした。学習者用デジタル教科書様様です。

そうした学習者用デジタル教科書を使う意味をセミナーで語ったこともありました。

「GIGAスクール時代のキラーアプリ」とか言っていますが、まさかその後、文科省の事業で全国の4割くらいの学校に学習者用デジタル教科書が入るなんて夢にも思わなかったのでした。最近は展開が速いですね。

でも、世の中は全然、それについてきてくれていません。特に、全国紙に載る記事のトンチンカンぶりは目に余ります。紙メディアが断末魔の叫びをあげるのは勝手ですが、学習者用デジタル教科書に向けることはないだろうと思うのですが。やれやれ。やはり、正しい情報をもっともっと発信し続けていかないといけないでしょうね。

その一環で行う7月17日のオンラインセミナーでは、「時計の時間と心の時間」の実践を発表します。既に300人近い方にお申込みいただいていることから、学習者用デジタル教科書への関心の高さがうかがえます。発表者としては緊張してきましたが、参加された方にとって一つでも二つでも発見があるようなセミナーになるよう最大限の準備をして臨みます。

お申込み、まだの方は下記よりぜひ!


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