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一周回って授業の時代

朝日新聞主催のオンラインセミナー「新たな時代の個別最適で協働的な授業」に登壇しました。朝日新聞では、長く連載された「花まる先生 公開授業」に登壇した先生を講師に迎えて「花まる先生と考える『未来の教育』プロジェクト」というのを進めるそうなのですが、今回はそのプロローグセミナーという位置づけなのだそうです。

そんなセミナーに呼んでいただけるとは何と光栄な、とまずは思うわけですが、登壇者を見てビックリ。こんなビッグネーム揃いだとは。

この中にいると、どう考えても私は小物感満載。今日のセミナーでは最初に「花まる先生」を振り返るPVが流されたのですが、いずれも「花まる先生」が楽しそうに子どもたちと授業をしていました。それに対して私は誰もいない教室でポツンとオンライン授業でしたからね。

私が登壇する第一部は「本も新聞も読まない子どもたちの国語力を上げる方法」がテーマ。弓削先生、私、青山先生の順で発表し、最後にディスカッションという構成でした。

国語教育ど真ん中を突き進まれているお二人に、なぜ「なんちゃって国語」の私が挟まれなければならないのか。プロデューサーである朝日新聞記者の宮坂さんの魂胆は明らかです。

「ここに置いておけば、鈴木はぶっ飛んだことを話すに違いない」

そうだ。絶対に宮坂さんはそう思っているに違いない。よし、ぶっ飛んでやる。国語プロパーには絶対できないような発表をしてやる!

私が謎の決意を固めたことを宮坂さんが把握していたか否かはわかりませんが、とにもかくにも第一部が始まりました。トップバッターの弓削先生は予想していた以上にガッツリと国語授業について語られています。それを聞きながら私はほくそ笑みました。

よし、前に話す人が真面目に語れば語るほど、俺のぶっ飛びぶりが際立つのは間違いない!飛ぶぞ!飛んでやる!

馬鹿です。「花まる先生」16年の歴史の中で、こんなことを考えるのは間違いなく私だけでしょう。ハア…。そして私はガッツリと生成AIの話をしました。

コロナ禍とGIGAスクール構想で、「Face to Face の教育から、学びのSide by Sideへ」と大きな変革が起こりました。生成AIは、早晩、子どもたちの学びのSide by Sideへと寄り添う存在になっていくでしょう。その時、子どもたちに求められる態度は? 人間の教師がすべきことは? といった話をさせていただきました。

途中、ChatGPTに仮想会議をやらせたのですが、ああいうハンズオン的なものはどうだったのでしょうか。青山先生も弓削先生も宮坂さんも真剣に見てくださっていたようですが。アンケート結果が気になるところです。

しかし、それより何より今回、「登壇させていただけて良かった」と思ったのは、「やっぱり授業を語らなければダメだよな」と改めて確認できたことでした。GIGAスクール構想が始まった頃は、とにかく日常化を成し遂げなければならないので、ある時にはICTを使うことが目的化したって構わないという状況もありました。ツールの紹介をバンバンやることに重きを置くのが必要な時期もありました。

でも、GIGAももう3年目です。そろそろ一周回って授業の話をしませんか? そう言える根拠を得たような、そんなオンラインセミナーでした。
(井上先生と川上先生のセッションについても書きたいのですが、また今度…。)



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