【ショートショート】夢悔いの碧色
いちばんはじめに鼻がつぅんと痺れた。
続けて真っ白な天井が見えてくる。眼鏡を付ける時みたいに、もやのかかった視界の中から突如現れた白。
仰向けに寝転んでいるようだった。手を動かそうとして、まずは羽根のように軽い自分の腕に驚く。
指を一本ずつ折り曲げて力を込めてみる。動かした気がしない。具体的に言えば指の付け根の筋肉が動作していないような。それなのに爪を突き立てた手のひらは痛んだ。
意識を失っていたはずなのに頭も重くはない。と、自分の見ている光景に何処か違和感を感じて飛び起