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「子育ても仕事も、もっと自然体で私らしく」あべなるみさんのはじめの一歩/ICOREマガジン#5

誰にでも、はじめの一歩がある。

今を輝くあの人がどんなプロセスを経て自分らしい生き方を実現していったのか。その「はじめの一歩」にフォーカスし、ストーリーを紐解く連載企画!

第五弾は、ICOREのブランディング講座講師でもあり、2つの会社を経営されているあべなるみさんです。「人生をごきげんに生きることが、自分らしく生きる秘訣」そう語るなるみさんの軌跡について、お話しを伺いました。


1.自分らしさを見つけたかった

お姉ちゃんとは違う「自分」を探して


━━現在、「らしさ」や「食」に携わる事業を軸に会社を経営されているなるみさん。その2つを意識し始めたのは、いつ頃からでしょうか?

食について考えるようになったのは、大学の進路を考えたタイミングでした。高校生の時、しいて言うなら「食」が好きだったので。

幼少期からずっとお姉ちゃんの真似をして生きていたので、「これがめっちゃ好き!」と思うものがなかったんですね。根っからの妹気質なので、姉が作ってくれた正解の後ろで楽してたんです(笑)でも、それが段々苦しくなっていったんですけど。


━━苦しかった?それは何故でしょう?

学生時代の”良し悪し”って、勉強ができるかどうかとかで判断されがちですよね。私は姉と同じように生きてるのに、いつも姉よりも点数が低くて。自分は人間的に劣るのでは?と劣等生であると感じてしまったんです。


━━その経験がきっかけで、”自分らしさ”を模索し始めたんですか?

そうですね。自分にしかない魅力や、自分らしく生きられる方法はあるはずだって、もがきたくって。だから、進路選択をする時、ちょっとずつ姉の軸からずらしてみてたんです。そのひとつが「農学部で食を学ぶ」ということでした。


━━”しいていえば”で選んだ結果、農業に魅了されたんですね。

まさに!農学部に行って、畑に行ってみたことをきっかけに、食の奥にある農業の魅力に熱中していきました。今も続いている農学系サークル「でこべじカフェ」を立ち上げたりしながら、食と農業を繋ぐ活動をし始めたんです。

━━その後、そのまま農業の道へ進まなかったのは何故でしょうか?

大学3年生の就活のタイミングに、私にしかできないことってなんだろうってすごく考えてたんです。姉と比べて苦しくなった過去があるから、「すごい人に劣等感を抱きながら生きるなんて絶対嫌だ!もう勘弁してくれ!」って思っていたので(笑)

でこべじカフェを通して気付いた「新しい提案軸で農業の魅力を伝えること」なら、誰かと競争するのではなくて、楽しんでやっていけるんじゃないかなと思ったんです。



自分軸があるから頑張れた起業前の修行期間


━━苦しんだ過去の経験から、自分の人生の軸を考えることを大事にされてきたんですね。

なるべく競争に飲み込まれないように考えていましたね。それこそ、広告代理店に勤めてた時。同期の女の子は完成されたキラキラな人ばかりの世界だったんですよ!一方私は、化粧も上手くできないし、トレンドを追ったファッションもできなくて。仲の良い同期にも「お前は来る場所間違えとるw」と、いじられたことがあるくらい(笑)

ただ、私はいつか、農業の魅力を伝える人になるために、修行だと思って来ていたので、ここでの競争軸では戦わないって決めていました。逆に、この会社に骨をうずめるって決めていたら、きっとボディメイクから始めて、自分改造に必死になっていたと思います(笑)


━━”修行”ということは、最初から起業することは決めていたんですか?

社会人になる前は、夢を叶える方法が起業なのかどうかは全然想像できていなくって。ただ、会社に入ってみて、ここで自分のやりたいことだけをやるのは難しいと分かりました。

お母さんになることも夢だったので、「子育てと会社で求められる大きな仕事、それから、農業の魅力を伝える夢の実現、3つの両立は、物理的に無理」とさとってしまったんです。とはいえ、見渡す限り私がやりたいことをやっている会社がなかったので、「つまり、起業するってこと、なのか。」となった感じですね。

進みたい道を、自分で創ると決心。やりたいを全部叶え、今では二児のお母さんに!


2.「自分のために」踏み出したはじめの一歩

初めてのセルフブランディング


━━広告代理店での修行を終え、次に踏み出した一歩が「個人」として創業間もないSHElikesのブランディングに携わることだったんでしょうか?

そうです。博報堂にいる時に起業することは決めたけど、未知すぎて半年ぐらい足踏みしてたんですよ。「安定したお給料も福利厚生も手放すのは怖いし、やり方も分かんないー!」って。

それでも何か変えたかった時に、当時SHEの代表を務めていた友人に声を掛けてもらって。全く考えてなかった第三の選択肢だったけれど、これは有難い機会なのでは?!と思い、5ヶ月という期限を決めて仲間になったんです。


━━大手に所属する自分ではなく、個人でやってみる。少しずつステップを踏んでいったんですね。具体的に、起業のために何から始めたんですか?

Twitterでセルフブランディングから始めました。それまで大きな会社のことしかやってこなかったので、その時初めて自分の名前で発信をし始めたんです。

私の中のTwitterは、大学時代の「腹減った~」とか、どうでもいいことをつぶやくためのものという認識で止まっていました。だから、「140文字で刺さることを書いて、自分をブランディングしていく?面白いじゃないか!」と、セルフブランディングのためのTwitterに夢中になりました。

楽しんで発信をしているうちに、農業の魅力を伝えたい人のいるコミュニティや、農家さんでブランディングに着手したい方と繋がれたり。最初のお客さんや仲間は、Twitterで繋がっていったんです。



3.完璧じゃない私も見せて行こう

マイルール「ごきげんでいること」を守るために


━━正直、インタビューする前に過去のなるみさんの記事を拝見して「順調に夢を叶えた方」という印象を受けていました。でも今、起業までの間は、もちろん強い想いはあるけれど「とりあえずやってみた連続」だったんだなと、びっくりしています。

分かります!自分にそう感じさせてしまう要因があったなって思っています。これまでは、自分の葛藤している姿とか、イケてない、悩んでてどうしようもない自分を見せるって勇気がいるというか。その方が共感を得られるって分かっていても、なかなか腹を割って話せなかったんですよね。

弱さを見せることが、どうしても怖かった。

「しいていえば、食かな」から始まって、とりあえずもがいて、今できることをやってみて、やっと「愛食(食を愛でて食べること)」が言語化できた。全てが繋がっている”風に”見せているだけで。もがいてる時でも筋道通っているように喋っていたと思うし、かっこいいことばっか語っちゃってました(笑)


━━なかなか腹を割れなかったのは、何故でしょう…?

周りからの「大企業を辞めた、そこで戦えなかったやつ」とか、親に対して「せっかく入った大企業を辞めて申し訳ない」とか。他の目を気にして、かっこつけようとしていたんだと思います。

あと、”子育てと仕事を両立する=自分が強くなってコントロールできる状態でいることが必要だ”って気張っていたところもあって。


━━意識が変わったきっかけには、何があったんでしょう?

2021年の10月に、初めて人からプロデュースを受けたことが自分のチェンジポイントだったなって思います。

今までのやり方では頭打ちになって「もうどうしたらいいんだ!」って悩んでた時に、川原卓巳さんモーニングハウスに出会って。そうだ、巨人の肩に乗ろう!と思って(笑)その時、「なるみちゃんって強く見せてるよね」って言われて「わー!恥ずかしー!」って思ったんですよ。

時を同じくして、一緒に仕事をやりたいって言ってくれる人が現れたんですね。カタログギフト作りたいっていう私の思いを聞いて「それなら、プロジェクトを立ち上げよう!」って、ひょいひょいと仲間を集めてくれたんです。

そこから、人に頼れなかった私が「助けて」って言うリハビリを始めたんです。

去年の2月、カタログギフトの展示会をやった時、「こんなに大きな夢があるんだけど、ひとりじゃできないから助けて!」って来てくれたみんなに言って。その2ヶ月後から始まったクラファンを通して、「人に頼っていいんだ」って思えたんです。

この1、2年ですね、肩の力が抜けてきたのは。すっごい強がりだし、カッコつけだしプライドも高かったけど、そんな私が、今では自分のスケジュール調整とかもしなくなってて(笑)

でも、それでも心地よく生きれる人になったんです。どんどんひとりじゃ生きていけなくなったんですけど、そっちのほうが幸せというか。


━━人に頼る自分を許せるようになって、周りの人と補い合える関係性が築けるようになって。なんだか、誰かと戦ってる状態から、自分のやりたいを、人生を実験的に面白がっている、なるみさんが子どもに戻っている感覚なんだろうなって感じました。

そうー!でも、本当に今は楽しんでるんだと思います。人間くさい自分で繋がれた方が良いじゃんって気付けたし、プライドとかそういうのを脱ぎ捨てられた感じ。わーい!なんか嬉しい!!

インタビュー中「わーい!」と大喜びのなるみさん(左)

━━なるみさんらしくいるために、他にも意識されていることってあるんですか?

それはもう、「ごきげんでいること」!ごきげんでいるために、毎朝のルーティーンを心地良くこなしているとか、スケジュールに余白があるとか、タスクを溜めてないとか。そしたらやっぱり、自分ひとりで抱え込んでる場合じゃないんですよね。

自分の余白を持っていないとごきげんでいられないってなったら、どんどん人に頼るしかないんです。


━━やりたいことと、子育てもあると大変ですよね。

子どもは沢山の気づきや幸せを与えてくれるので、良いことの方が多いのですが、ペースを崩すきっかけはつきまとうものではあります。そういう時は、間違いなく「愛食」が助けてくれています!

最近だと、仕事を通じて人柄に惚れた農家さんの新玉ねぎを買って「新玉やっほい♩」ってなっていたり、出産祝いに、キノコ農家の友人がキノコを贈ってくれたり。やっぱり、取り戻すきっかけは「食」ですね。


━━「らしさと食から ごきげんを広げる」まさに、成美さんの提唱する愛食が幸せを循環しているんですね!

愛食の循環/なるみさん記事より
いのちを中心に、まず自分を満たし、半径5mの人へごきげんをシェアしていく。 それを続けることが世界平和を実現していく社会のあり方。



4.もっと愛食文化を波及していく

突き抜けていこう!


━━最後のお話を聞いて、お恥ずかしいことに、忙しいと真っ先に食を疎かにしてしまう自分を反省しました…。

恥ずかしいことじゃないですよ!みんなそうだと思います。食べるものをつくるのに時間をかけるだけじゃなくて、今あるものに感謝して頂くことも「愛食」なので!

それこそ、ここは私自身の頑張りどころなんですけど、「丁寧な暮らし」と「愛食」をしっかり分けていきたいなと思っています。「愛食」って、手間をかけて丁寧に食事をすることじゃなくて「時短なんだけど、愛は取り込む」という考え方なんですね。

仕事も子育てもごきげんに♩

私自身も、料理はそんなにできなくて、普段は夫の方がしてくれているし、農家さんが作ってくれたレトルト食品とかめっちゃ食べてるんですよ。ってくらい、愛食って難しいことではなくって。


━━愛食の考え方ができるだけで、どんな人でも自分に取り込める愛が増えていくんですね。

愛食でもっとごきげんになれる人っているんじゃんって思うんです。もっともっと救える人がいるって言ったら偉そうですけど。なので、愛食の旗振り役としてもう一段二段突き抜けたいなって思っていて。それがどうやってっていうのは、まだ分かってないです(笑)分かってないんだけど、次はもういっこ上に行くというか…そんな意欲が湧いてます!


━━やりたいことをやり続けた先、愛食の文化を広げた先に、その突き抜ける瞬間が待っているのかもしれませんね?

そうですね。宗教家みたいに、愛食っていう考え方を布教できたら良いなって思います(笑)一歩ずつ、一歩ずつ。ダライ・ラマさん目標で!(笑)

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あとがき/インタビューを終えて…


「しいていえば」で始まった自分らしさの先に、心からときめくものを見つけられた。やってみるごとに想いが強まっていったそのプロセスから、最初のきっかけは些細なものでも良いんだと、一歩踏み出す勇気をもらえた方もいるのではないでしょうか。

「完璧じゃないのに完璧ぶってごめんなさい!(笑)」こんなにも正直に、今日までのストーリーを話してくださるなるみさんが、とってもキュートで。私も、そんななるみさんのように「ごきげん」でいるために、「愛食」の考えを、まずは自分の大切な人と一緒に、日常に取り入れていこうと思います。

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インタビュアー/記事:廣田彩乃(Ayano Hirota)「今ここにいるひとりひとりの 今ここにある想いをつなぐ」という理念のもと、インタビューライターとして活動中。人やモノ、サービスに込められた”想い”にフォーカスしたストーリーを紐解き、未来に向けて遺します。Instagram

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