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散り桜 と 珈琲 綴 

やっぱりここに来ると、ほっとして泣きそうになる。

今日は少し暑いのもあって、軽めの爽やかな珈琲が飲みたかった。
インドネシアの中深煎りと、ガトーショコラを頼んだ。
飲んだ途端に、湿った土の匂いと、
青い草木が陽に柔らかく照らされてキラキラしてる山道が、
目の前にぶわっと広がって、
夏が始まりそうなわくわく感に微笑んでしまう。
ここの珈琲を飲むと、なんだかいつも情景が思い浮かんで、楽しい。
何度もその景色が見たくて、もう一口、もう一口って、どんどん飲んでしまう。

珈琲を点てるときの音がとても繊細で
あぁひとつひとつの動きがとても丁寧だからだと気づいたりして
暖簾の横から見える窓の外の緑とか、差し込む光とか。
そのひとつひとつすべてが、この穏やかな場所を作ってるんだなと思った。
どこまでもひとりの自分をただそのまま受け入れてくれる場所。

私、今は誰にも会いたくないんだな。
他人に期待するのも、
他人から期待されてるんじゃないかと感じてしまうのも、
もうしたくない。
誰かや何かと一緒にいる自分を好きになれる日なんて、くるのかな。

一頻り自分を吐き出して、
やっと、息ができるようになった。

帰り道、見えた山の桜が綺麗だった。
次はもう少し散る前に来たいな。


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