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僕は飲み会が嫌いだ。飲み会すれば皆のやる気が出ると思っている管理職に告ぐ! - Inspired by #これマネ -

僕は会社の飲み会が嫌いだ。正確に言うと、なんとなく皆で集まってお酒を飲むのが非常に苦手だ。しかし世間一般では飲みに行って親睦を深めると仲良くなって仕事がスムーズに進むらしい。僕は全くそう思わない。

- 日々のコミュニケーションが良好であれば飲み会なんてなくてもよい

- 成果にやる気は関係ないし、そもそも他人のやる気をコントロールしようとすることが間違っている

これが僕の持論だ。

キャスター取締役COOの石倉さん(@kohide_I)の「 #これからのマネージャは邪魔をしない 」(以降 #これマネ と表記)を読んだ。僕のなかでモヤモヤしていたものが明文化されており、迷いが吹っ飛んだ。僕と同じような考えを持っている人や、飲み会は大事だろ!と思っている方々に向けてこの記事を書く。

モチベーションは上げなくていい

僕が#これマネの中で最も刺さった考えだ。こんなことが書かれている。

モチベーションが必要ないと言うつもりはありません。ただ、モチベーションを上げることがマネージャーの仕事になってはいけないと思うのです。そもそも他人のモチベーションをなんとかしようと考えることが間違いです。

心の底から共感する。最高だ!

仕事をする上でモチベーションは大切だ、それは間違いない。しかし、それは各々が自身の中で高めるものであって外から与えられるものではないはずだ。社会の多様性が進む中、仕事にかけるモチベーションなんて人それぞれだ。お金のため、自身の成長のため、社会貢献のため、皆バラバラだ。それをコントロールして一つにまとめるなんてしちゃいけない。

逆に言えばやる気やモチベーションは自分で高めないといけない。あなたが仕事に対してやる気でないなーって思うのであれば自分でどうにかしないといけない。マネージャーはあなたのやる気の低下を防ぐことはできるが、上げることはできない。

けしからん勘違いを図解する。

#これマネでも語られているが、モチベーションが上がるのは成果が出るからだ。「マネージャーの仕事は成果の出し方を教えることだ」と記されている。成果こそがやる気を出すために必要なものだ。

僕が言いたいのは「飲みに行って互いを知ればモチベーションが上がって成果が出るなんて幻想に甘んじていてはいけない」ということだ。飲みに行きたくなるというのは、達成した喜びを皆で共有したかったり、悩みを相談したかったり、何らかの心の揺れの先にあるものだ。さらに引用する。

「モチベーションが高い=成果が出やすい」は幻想

モチベーションと成果は関係がない。成果が出るのは、正しい方法にのっとって行動するからだ。どうすればより効率的に成長し成果を出すことが出来るのか、それを伝えることが最も重要だ。

阿部共実さんの漫画「空が灰色だから」の一コマ。もう本当にこの通りだと思う。僕の行動指針の一つだ。他人のやる気に期待してはいけないとつくづく考えさせられる。

補足するが、僕が飲み会が嫌いなのは自身の性格の問題だ。目的のない会話がとても苦手なので何を話して楽しんだらいいのかよくわからないからだ。「最近どうだ?」「いやーまあ、あはは」みたいな。逆に目的があればいくらでも話し続けられる「酒飲みながらデータベース設計しようぜ」とかならものすごく楽しめると思う。あと気心の知れた友達と一緒にお酒を飲むのは大好きだ。

酒を飲んで親睦を深めたり、互いのことを知るってのは意味があるとは思う。でもね、「うちの職場は毎週飲み会やってるから仲がいいし、モチベーションも高い!」みたいなのは違うよね。

ルールではなく、文化を作る

「チーム一丸となって」という言葉が巷に溢れており、美しい考えとして称賛されている。ここでの一丸となるものは「ビジョン」だ。モチベーションではない。ビジョンとは目的だ。この組織やチームとして何を成し遂げたいのか、何を提供したいのかだ。ビジョンは皆が同じものを見る必要がある!そしてビジョンは皆が合意したものでないとバラバラになる。

対して先に述べたようにモチベーションは一つにできない。だいたいの場合ビジョンは合意されていない。上が決めたビジョンが合意なしにふってきて、それに向けて皆のモチベーションを一つにしよう!とするから組織やチームがバラバラになる。やっていることが逆だから皆のやる気も下がる。合意していないビジョンに対して人はがんばれない。

当章の目次である「ルールではなく、文化を作る」は#これマネのなかで語られるこれからの組織の在り方だ。

会社経営は、ルールで縛るのではなく、文化でつくるものだというのが私の考えです。文化の形成において、リーダーは上に立つ人ではなく、前に立つ人でなければなりません。

その通りだと思う。勿論ルールは絶対に必要だ。しかしルールで縛ったところで上辺では従うだろうが、それだけだ。ルールから文化は生まれない。リーダーが言行一致のふるまいをすることで皆がそれに続き文化が成熟される。

文化こそが組織やチームの価値を彩るものだと思う。

合意されたビジョンに向かってリーダーをはじめ皆が行動することで文化が生まれ、チームは同じ方向に進むことが出来る。そして僕は「チーム一丸」となる必要はないと思っている。方向は同じ、想いはバラバラ、それで成果が出ればいいじゃんって。多様性を受け入れない環境はしんどい。人の想いにまで踏み込むのはおこがましいことだ。

飲み会なんていらない

飲み会が好きとか嫌いとかやめようなんてことではない。日々のコミュニケーションが良好であれば対面で酒を飲まずとも心地よい環境は生まれるということが言いたい。

#これマネではリモートワークでのコミュニケーションの章にキャスターでの取り組みが書かれている。チャットでのコミュニケーションが主体であり3種類のチャンネルが存在するそうだ。

1. 業務の話をするところ
2. 業務に関する軽い相談や壁打ちをするところ
3. プライベートな内容を含む雑談をするところ

そして、コミュニケーションが活発に行われる環境のために大切なこととしてこう述べられている。

メンバー全員が「どんどん自分でやっていい」という雰囲気にすることが大切です。また、会社に雑談を根付かせようと思ったら、マネージャーやリーダー自らが雑談をする必要があります。

飲み会を求めるマネージャーやリーダーは、飲み会でしかコミュニケーションをとれない方々なのではないだろうか?普段業務以外の話が全然できていないことを飲み会で補おうとしているのではないだろうか?それは怠慢だ。普段たわいもない話をしていない人間とは酒の場になったからと言って会話が弾むわけがない。飲み会でのコミュニケーションが特別なのではなく、普段のコミュニケーションがよろしくないのだ。

僕の飲み会なんていらないって主張は、普段から仕事以外の雑談が十分に出来ているのであればわざわざ酒の席を設けなくとも健全な環境は作れるでしょ!ってことだ。日々の怠慢を飲み会で挽回しようとしちゃいけない。日々良好なコミュニケーションが行われているメンバーだから飲みに行きたくなるし、酒の席が楽しいのだ。そこを勘違いしてはいけない。

さいごに

主張はこれで終わりだ。僕はよくドライな人間だと言われたりするので自身の考えは変なのかとずっと思い悩んでいた。僕はJBUGというコミュニティを運営しており、Backlog World 2021というカンファレンスの委員長を務めている。そして僕のチーム作りはここまでに述べた哲学を持って行っている。これが正しいやり方なのかずっと不安だった。

#これマネに出会ってこれからの組織の在り方や人間関係の考え方、そして大きな勇気をもらった。組織の在り方に悩む人にはぜひ読んでほしい一冊だ。

告知

ここまで読んでくださってありがとうございます。少々過激な物言いとなりましたが皆さまの考えに一石を投じることが出来たのであれば幸いです。

Backlog World 2021 旅 ~Journey~ では石倉さんが基調講演として登壇します。石倉さんの執筆された「コミュ力なんていらない」を読んでどうしても話をしてほしいと思い依頼しました。激動するこの時代での新しい働き方について素晴らしい話が聞けると、僕自身非常に楽しみにしています。

「コミュ力なんかいらない」は僕みたいに飲み会が苦手な人にはうってつけの内容です。おすすめです。

Backlog World 2021での基調講演タイトルは「ワークスタイル・トランスフォーメーション」

オンラインでの参加費無料のカンファレンスなので、是非皆さまに参加していただきたいです。新たな考え方に触れる素敵な場にすることをお約束します。絶賛申し込み受付中です。以下のリンクよりお申し込みください。

長々と書きましたが、飲み会なんてなくてもいい感じに働ける環境にしていきたいですね。あ、僕はお酒大好きなんで。好きな人との飲み会も大好きなんで。飲み会にコミュニケーションを頼ったりそれでやる気出るって考えは間違いだよってことを伝えたかっただけなので、この記事を読んで「あいつを飲み会に誘うのはやめよう」ってならないことを祈ります。ではでは。


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