地上波の一つを英語放送に!
4 財政破綻を回避するための処方箋
② 既得権益を排し大胆な規制改革を行うことによって、経済の停滞から成長に
提言3 地上波の一つを英語放送にする。そして英語と論理的思考を標準装備にする
これは、規制改革というよりも新しいものを取り入れて改革するものです。惰性や忖度ではなく論理的に考え意思決定することや世界の生情報をダイレクトに捉え、世界中の人々と意見交換できるようになることは、30年停滞して井の中の蛙になってしまっている日本の社会を変えるには必要です。
私は、日本に来ている外国人(短期の研修生や大学の留学生、レストラン経営者など)と話す機会がよくあります。彼らの多くは母国語と日本語以外に英語も日本人よりもうまく話せますし、Facebookを見ると千人以上の“友達“とつながっていてインターネットツールを使いこなしています。またネパールやインドネシアなどアジアの発展途上国から来ている人でも兄弟がアメリカやオーストラリアで働いていたりします。
日本は国内市場が大きいので、日本語のみを習得し目を向けるのも日本国内のことだけで済みますが、アジアの国の中流よりも上の人達は、自分の国や日本を飛び越して世界とつながっています。
今の日本人が日本国内だけに閉じているというのは、特にテレビ番組に感じます。
・島田紳助さんの番組から、おバカタレントが重用され、知識のないことがが悪い事でなくなった
・NHKも番組を作った「カワイイ」ことが最も大事な事の一つになった
・『サンデープロジェクト』『TVタックル』等、政治家が議論する番組がなくなった
・代わりにワイドショーでは専門家ではなく、芸人やタレントが笑いを交えながらコメントしている
・『Youは何しに日本へ?』『世界が驚いたニッポン!スゴ〜イデスネ!!視察団』など、日本を持ち上げる番組が増えた
2008年のリーマンショック以降にテレビ番組の制作予算が削減されたこと、第二次安倍政権の時に総務大臣がテレビ局の電波停止を示唆して圧力をかけたこと、クールジャパンや大阪万博など政府や自治体の仕事に吉本興業が多く携わることになったこともあってか、安直な番組が増えたように思います。
日本のテレビ番組の問題点については、脳科学者の茂木健一郎さんが、勇気を持って頻繁に問題提起をされています。
(独自)官邸内で検討されている日本のメディア改革について 茂木健一郎youtube チャンネル
官邸や総務省あたりから聞こえてきている話があるので、それについて話してみたいと思います。このところの国際情勢を見ていると日本の知力・行動力が低下していて、もはや発展途上国並みだと言うことが憂慮されているんですね。
このような状況を生み出す上で、メディアのレベルが低いと、これが大きな問題だということをついに官邸も認めざるを得なくなったって言うことなんですよね。何かしなくちゃいけないということで思い切ったメディア改革を進める決断に至ったということなんです。
今回特に地上波テレビについてどういうメディア改革をすべきかというこが議論されているかということについてお話ししたいんですけど、まず NHK なんですけれども、民放が作るようなバラエティ番組か増えているけれども、あれは芸能事務所との付き合いもあるだろうからいきなりゼロにするのは難しいだろうけれども、全体の20%以下したいということなんですよね。吉本興業とかジャニーズ事務所などの所属タレントが出てくる番組を週に5本までに制限するということなんですよ。・・・
(茂木健一郎youtube チャンネル 2021年4月1日)
これはエイプリルフールの番組のようですが (笑)、茂木さんの言いたいことがよくわかります。
私は、日本のテレビ番組の改革として、地上波の一つを海外で制作された英語の番組を英語の字幕付きで放送すべきと考えます。世界のニュースやドキュメンタリーはNHKのBS放送でこっそりと放映されていますが、これを地上波で英語のみで見ることで、世界中から選りすぐった番組を見ながら英語と国際的な感覚を身に着けることができます。
私はイギリスに住んでいた時に、残念ながらテレビを見ても内容はあまりわかりませんでしたが、唯一理解できたのはヒンドゥー語のインド映画で英語字幕付きのものでした。英語の字幕があれば聞くだけよりもずっと簡単に理解ができます。
また、私が好きな番組に、紅白にも出演したスーザンボイルさんを見出した、才能(タレント)発掘番組ブリティッシュ・ゴットタレントがあります。
この番組は、歌手やダンスパフォーマンス、マジックなどのパフォーマーを発掘するオーディション番組で、イギリスで始まりアメリカや韓国、中国、チリ、ロシア、アフリカ、アラブ、アジアなど(Wikipediaによると)71の国や地域でそれぞれ独自の番組が作られているようです。(日本版がないのは、芸能事務所の都合もあるのでしょうか?...)
また、アジア版のアジア・ゴットタレントは、シンガポールで制作され、フィリピン、インドネシア、タイなど東南アジア15か国で英語で放送されているようです。パフォーマーは、東南アジアの国に加え、台湾、韓国、日本などの国からも参加していています。
この番組を見ると、1980年代まではアジアで唯一の先進国だった日本でしたが、今はシンガポールを中心とする東南アジアの方が、世界とつながっているように感じます。
英語で放送する地上波チャンネルでは、ブリティッシュ・ゴットタレントやアジア・ゴットタレントなどの世界のパフォーマンスの番組や討論番組、ドラマなども英語の字幕付きで放送するといいでしょう。
英語と共に大事なのは、論理的思考(ロジカルシンキング)能力です。
国の方向性を決める大事な“政治”を見ると、日本では2017年の流行語大賞になった『忖度』が意思決定の大きな要素になってしまっています。
コロナ禍で強引にGoToトラベルキャンペーンを推し進めたり、多くの国民が反対する中で東京オリンピックを観客を入れて開催しようとしたりと、旅行業者との関係、IOCとの関係の中で、論理的で明確な説明がないままで、ズルズルと国民の命に係わる事が進んでいってしまいます。
また経済界においては、企業では採用に当たって、“コミュ力”が重視されるようになりました。
本来コミュニケーション能力と言うのは、相手の話をしっかり聞いて理解し、自分の意見を正確に伝え、物事を進めていく能力のはずですが、日本企業では、飲み会の付き合いや上司の意向に沿ったことをすることがコミュニケーション能力の高さに結びついてしまっています。
NTTドコモや東芝など日本の大企業がアメリカの企業を買収することがありますが、論理的な思考ではなく、忖度やコミュ力で出世してきた日本人トップが、アメリカ企業の会社員を動かそうとしてもうまくいくはずはなく、多くが失敗しています。
2ch創設者で、今は論破王と呼ばれ人気のひろゆき氏はYouTubeの質問に対する回答で、
質問者)私は、ひろゆきさんと勝間和代さんお二人とも好きなのですが、お二人の YouTube を見ていると、言い方、アプローチこそ違いますが同じようなことをおっしゃっていると感じることが多々あります。どうしてでしょうか?
ひろゆき)僕は答える時に、なるべく何か根拠があるものを根拠を元に「そういうものだと思いますよ」って答えるようにしてるんですよ。専門家ではないので全てのものに対して根拠があったりとか正しい意見を言ってるとは限らないんですけど、同じアプローチをする人がいると同じ質問に対して同じ答えをすると思うんですよね。一般的にこういう解がありますよとかこういうニュースがありましたよみたいな。
なので、論理的な解を出そうとするタイプっていうのはだいたい同じ感じになると思うんで、勝間さんってすごい論理的な人なので同じ感じになるのは当然かなと思います。
(ひろゆき切り抜きより 1分35秒頃)
と述べています。
欧米の企業の上層部は、英語とロジックで意思疎通をしています。アジアの国々も含めて今後益々世界の交流が盛んになり、また競争もボーダーレスになる社会では、後進国にならないためにも、高校卒業までにはある程度、英語とロジックを使えるようになるような環境を整備する必要があります。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?