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赴任先からの引越しを終え想う事

2024/8/29に宮城県の赴任先からの引越しが終わったので、今の想いを書き残そうと思う

今回の引越しは、8月末の定年退職に伴い、会社が提供している単身赴任者用住居を退去する為のもの

これまで赴任終了の引越しは3度目で、1度目は名古屋の3年間、2度目は静岡の2年間、途中、東京の4年間は自宅から通えたので、今回の宮城11年間が3回目となる
(2-3ヶ月の長期出張の引越しは多いのでいれない)
毎度、引越しの準備は大変だけど、どちらかと言うと楽しみの方が大きい。
その時の生活に終止符が打て、やり遂げた達成感がある
次に何が待ち受けているか不安もあるが、嫌な事もリセットできる
気の合う仲間との別れは寂しいが、面倒な人間関係を断ち切れる(面倒な人間関係なんかはどこにだってあるものだけど…)

名古屋も静岡も仕事・住居の拠点はそれぞれの場所にあったのだが、月曜日以外の4日間は各地へ出張しホテル住まいだったので、どっぷりと生活の場となっていた訳ではない。むしろ週末と月曜日の3日間の為に構えていただけで仮間宿って感じだった。
週末には家族がいる神奈川の自宅へ帰れたので、引越しの荷物の量も思い出の数も、今回の宮城県の11年間とは比べ物にならない

宮城に赴任してから家族のいる自宅へはせいぜい1-2ヶ月に一回、帰省するだけなので、生活はどっぷりと宮城に根ざしていた
当たり前だけど自分の身の回りの物も、大事な私有物も自宅ではなく赴任先に移っていった
子供は赴任した当初まだ小学生だったので離れて暮らすのは寂しかった。毎週末帰省できたこれまでの赴任とは違い、次回会うのは1ヶ月以上先の距離感がある
実際の距離も神奈川-仙台間は片道450kmあり5時間以上かかる。年に一度の旅行の移動ならともかく、帰省する度に900kmの大移動はきつい
新幹線でも車でも往復3万円以上で金銭的にもちょいちょい帰れる距離じゃない

そんな状況の中、一人で何でもするようになった良い点もある
最初はスーパーで主婦達に紛れて買い物をしたり、ネギや大根の葉っぱが買い物袋から飛び出していたり、いい歳をしたオジさんが主婦じみていている様に感じて恥ずかしかった。
レジの女性に「このオジさん今日は麻婆豆腐を作るのね!」なんて悟られた様な気持ちにもなった(そんなのは勝手な妄想だと思うが…)
それが慣れてしまえば、仕事帰りにスーパーへ寄ると「さて今日は何を作ってビールを飲もうか!」なんてワクワクしたりする
今日は冷凍餃子が安いな〜なんて思ったり

妻が作ってくれた美味しい料理を黙って食べるのが一番だけど、自分でスーパーで選んだ物で作った、イマイチな料理を食べるのも悪くない
前は一人だと人目が気になっていた外食も、一人で店に入る事に抵抗がなくなった
人目なんて気にする程、人は自分の事なんて気にしちゃいないって事に気付いた
これって歳をとって図々しくなったって事かな?笑

妻は仕事、子供も大きくなり勉強や部活で忙しくなり、いつしか帰省した時に唯一大歓迎してくれた愛犬もいなくなった2018年。
以降、自分にとって一番の場所は宮城の家になった気がする
あの時が節目だなと
夏冬長期連休後は宮城に戻るとホッとしたものだ

あれから6年、正直この生活が終わって清々する気持ちもあるけど、寂しい気持ちもある
不動産業者の最後の内検が済んだ後は、自分の家を取られた気分に少しなった
継続雇用を選べばまだ5年間この生活を続けられたのに…
でも自分は終わりを選んだ
より幸せな方に決めたはずなのに、何だか変な気分だった

長旅を終える気分にも少し似てる様な
旅を続けたいけど、帰ってゆっくり風呂に入り自分のベットでぐっすり寝たい
ハーブがのったピザ・パスタや香辛料の効いたシシカバブもイイけど、炊き立てのご飯で納豆を食べたい

荷物を片付けながら、
生活で使ってきた家具や家電を処分するたびに終わりに近づくのを実感し寂しくなった
11年間はこうして呆気なく終わるんだなと

引越し業者が搬出を終え、不動産業者の内検までの数時間、昼寝をしようと車から寝袋を持ってきて、最後の昼寝をした

何も無い部屋に寝袋を敷く
妙に広く感じる

ここでの11年間の生活は自分の人生にとって大きな出来事であり、多くを経験させてもらった
赴任当初は会社を恨んだ事もあったが、今ではこの機会を与えてくれた事に、恩さえ感じる

旅とは生活する場所を離れて見聞する事
と言うが

まさに11年間の長旅が終わった様な
そんな気持ちになった1日でした

終わり

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