見出し画像

ショートスリープ 睡眠とは何か?

短眠「ショートスリープ」は可能なのか?そもそも、睡眠にどんな意味があるのか?
著者:堀大輔氏「睡眠の常識は嘘だらけ」を考察します。


私たちは、睡眠に対して大きな勘違いをしているかもしれません。

今回は、私が日頃なんとなく疑問に思っていた睡眠や疲労に関する理解に、一石を投じるきっかけになりました。

今回のお話は、睡眠を短くして行こうというお話ではありません。
睡眠は、場合によっては短くてもよいというものであって、短い睡眠という選択肢を得る事によって、より満足感が得られる生活が手に入るかもしれないという期待感を説明するものになります。

どちらかというと、睡眠に対する適正な向き合い方を指南するようなものになるかもしれませんね。

今回、私が期待するベネフィットとしては、不眠の悩みがある人はそれを解消するということ。
活動時間が足りないと感じる人は、その時間を増やすことが出来るという事。
要するに、自分の理想に一歩でも近づける可能性があるという事でしょうか。

著者:堀大輔氏「睡眠の常識は嘘だらけ」を読み、リサーチし考察した結果ですが、私なりの結論から申し上げます。

まず、この本の著者である堀さんの説明には、十分な説得力があるという事。
要するに、私自身が納得できる内容が多く含まれているという事です。

今回の話を聞いてどう思うか、どう行動するかは皆さん次第ですが、めちゃくちゃ面白かったと言っておきましょう。

少なくとも、私が日常疑問視していた事や、なんとなく考えていた事と一致する部分が多く、大変参考になりました。

睡眠とは何か?

wiki調べでは、眠ることとは、周期的に繰り返す、意識を喪失する生理的な状態のことであるそうです。

体の動きが止まり、外的刺激に対する反応が低下して意識も失われているが、簡単に目覚める状態のことをこう呼んでいるそうです。

ヒトは通常は昼間に活動し、夜間に睡眠をとる。
動物界では夜間に活動し、昼間に睡眠をとるものも多い。

ヒトの睡眠中は、急速眼球運動(レム, REM)が生じ、ノンレム睡眠であるステージIからステージIVの4段階と、レム睡眠を、周期90~110分で反復するとのこと。

睡眠は、心身の休息、身体の細胞レベルでの修復、また記憶の再構成など高次脳機能にも深く関わっているとされます。

下垂体前葉は、睡眠中に2時間から3時間の間隔で成長ホルモンを分泌し、
放出間隔は睡眠によって変化しないが、放出量は多くなる。

したがって、子供の成長や創傷治癒、肌の新陳代謝は睡眠時に特に促進され、
睡眠不足は身体にとってストレスであると考えられています。

特に主観的なデータによる統計データや、睡眠は8時間必要であることを前提にした情報ばかりなので、この話題に対しては、睡眠に関わる権威や出されている論文をエビデンスにしていくことは、ほとんど意味をなさないと思いますので、よりもっともらしい、物理現象や事実だけを元に、論理的に、このショートスリープについての考察をしていきたいと思います。

したがって、ご自身で感じた事や、考えたことの帰結に対して、それらの情報を調べ補強する程度と考えたほうが現実的です。

良い睡眠に私たちは何を期待しているのか?
何を目的にしているのか?

厚生労働省の記事を一部抜粋してご紹介します。

”質の悪い睡眠は、生活習慣病発症のリスクを高め、かつ症状を悪化させることが分かっています。
そして、睡眠問題は、睡眠習慣と睡眠障害の問題に分けられます。
日本人は、世界と比べて最も睡眠時間の短い国です。
10時間たっぷり寝るのに比べて、4時間程度の睡眠を2日続けただけで、食欲が増大させてしまいます。
実際に慢性的な寝不足状態にある人は糖尿病や心筋梗塞や狭心症などの冠動脈疾患といった生活習慣病に罹りやすいことが明らかになっています。”

と、このようなことが書いてありました。

病気をしない、健康的な生活を目的として、人は十分な睡眠を求めていて、日中の仕事においても、その他のアクティビティーにおいても、パフォーマンスを十分に発揮できるのではとの期待しています。

したがって、寝不足に対して恐怖すら覚えますよね。
睡眠は、三大欲求として扱われますが、食欲、性欲、睡眠欲。

どれも、生命として欠かせない欲求だと思います。
しかし、睡眠だけ毛色が違うのが分かるでしょうか?

食事行為と性行為は、外部から取り入れる獲得や消費に関する行為です。
これは、生命が活動を継続するために行う行動に属しますね。

睡眠が休息であるとするならば、停止という調整機能と言えます。
したがって睡眠は、ほとんどの環境で自己完結可能です。

ウイルスや微生物が眠ったりすることは無いと思いますが、神経細胞を持つ高等生物なら、ほとんどが睡眠をとると思います。

一般的には活動したら休む。
体は、動きさえしなければ寝なくても休息させることが可能です。
対して、神経細胞で出来た脳は、起きている間活動している訳だから、脳に休息を与えるために寝ているのだろうというのが自然な発想ですね。

そもそも、疲労とは何でしょうか?
どういう理由や目的で疲労が起こり、どういうメカニズムで疲労が起こるのか。
これを明確に答えられる人は、おそらくこの世に居ません。

このトピックについては、私なりの見解があるので、後程ご紹介したいと思います。

寝る子は育つ

動物は、若ければ若いほど睡眠時間が長いことは知られています。
ある程度大きくなると、睡眠時間が短くなります。

ここには、成長度合いと睡眠時間に相関があるため、寝ている時間が長い子「小さい時期」は育つという体験からもしくは、そういう印象が残り生まれた慣用句だと思います。

寝る時間が多い子がよく育っていることは事実だし、間違ってはいませんよね?
しかし、なんでしょう。。。寝る量を増やせば育つという風にも聞こえます。

ものの認識や役割というのは、常に二つ以上あるという事です。

この話題を取り扱うにあたって、皆さんと共通した認識を持っておきたい事があります。

たとえば物理学は、数理モデルで表すことが有益な分野です。
それぞれが、無機的で法則通りにしか動かないものだけを相手にしています。

対して、生物というのはカオスです。
それぞれの個体や、細胞、たんぱく質が、それぞれの思惑で動き、その相関関係の量は天文学的数字です。

それを、なんらかの法則に当てはめようとするならば、必ず、恣意的な要素を含んでしまいます。

そう、目的に即した法則で解釈してしまうという事です。
とはいえ、それが分かっていれば問題ありません。
そういうものだと言うことが分かっていれば。

しかし最悪なのは、この生物学や生理学というものを、物理学と同等の数学的正確性や普遍性を持っているものであるとどうしても勘違いしてしまう事です。

したがって、睡眠に関するほとんどのエビデンス、特に臨床実験や、統計から生まれたエビデンスを、主張の根拠にすべきではありませんね。

この本にも書かれていることですが、ほとんどの臨床実験や統計に使われる環境というのは、常に特殊環境です。


根拠にするなら、目的に左右されない野生動物の観察結果や、生命進化論、確実に観測可能な化学変化などの情報のみで考察すべきでしょう。

根拠にならないエビデンスを使うくらいなら、少ない情報でも、より信頼のおける情報から論理的に推論するほうが理にかなっていると思います。

私はもともと、睡眠の質であるとか、あるべき生活習慣、非認知能力とかいう、印象だけで人を振り回す言葉が大嫌いです。

この本が述べている事を一言で言うと、「睡眠自体が目的化しているぞ」という事なのではないかと思います。

本の中では、いろんな説明ありました。
短眠のメリットや、突然死するんじゃないか、ポテンシャルが下がるのではないか、ショートスリーパーは遺伝で決まっている等、そういう認識に対して回答する形で、実に論理的に解説があります。

世の睡眠に関する認識が起こす不利益に対して、多くの解説があった印象があります。

皆が、長い睡眠をとる事、その事がゴールになっているんですね。
健康に生活するためによく寝ましょう。

そして、調子が悪くなったら睡眠不足です。みたいな。
体調不良を訴える人のほとんどは、睡眠不足が原因ですよ。
医者に行っても、そう言われてしまうでしょう。

仕事が忙しいとかで寝れない人はいいですよ、時間取ればいいんだから。

世の中には、8時間も寝れない人だらけなんです。
だから、寝ることを目的に、睡眠薬は凄い量使われているし、不眠で悩む人というのは、年々増加しています。

もちろんこれは、高度な社会性動物である人間だから、時間に沿って生活し、皆が同調して生産活動を行う故の悩みでもありますね。

まだあります。
うまく睡眠時間を確保できた場合でも、沢山の人が、やはり睡眠不足と感じるんです。

そうすると、睡眠時間は取れたけれども「それ睡眠の質が悪いんだ」と大抵は言われてしまいます。

どんな睡眠がいい質で、どんな睡眠が悪い質であるってどうやって分かりますかね?

私は、良く寝たのに次の日眠かったとか、疲れが取れていないとか、そういう基準で質が悪かったのかな~って思ったりはします。

でもですね、睡眠に質があるらしいよって聞くまでは、そんな事思ったこともありませんでした。(当たり前だけど)

この本に、眠気は疲労感だと勘違いしやすいと書いてありました。
確かに、連日長く働いている時期は、なんとなく寝不足に近い感じがします。

私の実体験で言えば、睡眠時間が短いときというのは大抵忙しい時です。
疲れていて当然であるとも言えます。

良く寝ていても忙しい日、特に執筆やリサーチをしていた日というのは、めちゃくちゃ疲れが出ていますね。

もともと、私は8時間は寝たいと思っている人間です。
次の日に自分のポテンシャルを発揮できないのは納得できないからです。

といいつつ、最近は大抵5時間ほどの睡眠です。
通常、1時から3時の間で就寝しますが、娘が高校生になってから、朝7時に車で学校へ送る事が多くなりました。

最初は、文句を言いながら送っていたんですが、いつのまにか朝早く起きて会社が始まる時間までTwitterしたり、YouTube観たり、ニュースみたり、原稿書いたり、ゆっくり自分に必要な事に時間が取れるようになると、メリットがあると考えるようになりまして、この5時間睡眠が普通になっています。

それもあってか、最近考え方が変わってきていました。
疲れる原因はデスクワークであり、眼を酷使することとの相関の方が、より説得力があるようになったからです。

さらに、日中に眠気が起こった時、それを回避する方法もいくつか準備しました。

なので、多少寝る時間が少なくてもまったく問題なく仕事が出来ています。

ただし、問題もありました。
眠気が排除できることをいいことに、あまり休ます延々作業をしてしまって、足から崩れ落ちたり、意識が一瞬飛ぶようなことも起こりました。

これは、眠気と疲労を混同していたために、疲労が無いから問題ないと感じていたからだと思うんですが、オーバーワークを起こしてしまっていたという事です。

それからは、忙しい日があまり続かないように調整しています。
今は、ほとんどコントロール出来ていると思います。

とにかく、この本を読むタイミングとしては、凄くよかったです。
丁度、そういう問題に直面していたし、疑問も抱いていましたからね。

疲労について

運動をあまり行わない私にとって、体の疲労は最小限です。
どちらかというと、眼精疲労が悩みでしょうね。

そもそも疲労のメカニズムについても良く分かっていませんよね。
筋肉や脳の疲労についても言及したことがありましたが、今回、少し詳しくみてみる事にしましょう。

疲労と言っても種類があるそうです。
というのも、人間の認知というのは、そもそも大雑把。

胃が痛いや頭が痛いは大抵、いくつかの別の原因であることが多いのと同じ。
疲労と一言でまとめてしまいがちです。

分かっている範囲で疲労には、末梢性疲労と、中枢性疲労があるそうです。

末梢性疲労

私たちは、筋肉や脳の疲労を金属疲労とか摩耗などと混同してしまいがちです。
常に代謝している生物の細胞が、金属疲労や摩耗のように劣化し続ける事は無いと思います。

したがって、疲労はエネルギー源の枯渇や調整機能の失調か、損傷に伴う炎症からくる機械的、科学的な刺激によるものの2つしかないと思います。

中枢性疲労

この中枢性疲労は、精神的な疲れで「痛い」とか「寒い」とかに似ています。
この疲労は、活動量と比例しないことが経験的に分かるでしょう。

スポーツで体を動かしても心地よさを感じることもあれば、退屈な会議でぐったり疲れてしまう事もありますからね。

九州大学と東京大学が行った脳の神経活動に対する観測で、脳は、安静時も活発に活動していることが、観測によって分かりました。
なお、なぜ安静時に活動しているのかは分かっていません。

推測するに、脳は寝ている間にも意識を持って活動していて、いつでも動き出せるようスタンバイしているのが普通だと思います。

呼んだら起きるしね。

もしかしたら、スタンバイしつつ感覚器を弱め、邪魔な情報を入れずに効率よく脳内だけで様々なシミュレーションをしたり、情報を整理したりしているのかもしれません。

私たちは、寝ている間も意識があって活動はしているものの、起きたときにその記憶を失っているだけかもしれません。

結果、意識が無かったと感じるのでしょう。
脳震盪の時と同じく、その場の意識はあったとしても記憶はありません。
したがって、睡眠中にも意識を喪失している事は無いと考えるのが論理的です。

こう考えると、私たちが認識している睡眠とは少し違ったものに見えてきます。

眠気について

この本では、眠気とは睡眠不足が生むシグナルではないのではないかと言っています。

確かに一理あると。

ただ、睡眠時間が短い場合、沢山あくびが出るし眠気もあります。
したがって、あなたは寝てください!という警告をしているというのが、我々の想像する眠気でしょうね。

まず、眠気に襲われるとめちゃくちゃ辛いですよね。
加えていうなら、眠い時に寝るというのは極めて気持ちのいいものです。

ここまで、人間を駆り立ててまで眠りに誘って来るのだから、当然、眠気はめちゃくちゃ重要なシグナルだろうと考えます。

これと同じく、三大欲求である食欲はどうでしょうか?
腹が減ると、めちゃくちゃ辛いですよね。

同じく、お腹が空いたときに食べるとめちゃくちゃ美味しい。

性欲も同じく、異性の凄い所を観たりすると、ムラムラして我慢するのが大変ですし、そのときに性行為に及ぶと、すごくあれですよね。

ここで言えることは、これらの欲求は生物として大変重要なシグナルであることは間違いないですが、食欲も、性欲も、必要に応じて制御するのが現代人だということくらいです。
原始時代の人間や動物なら、現代の様に自ら制限したりしないでしょう。

チャンスがあれば、すぐ食べてすぐ性行為に及んでいたと思います。

自然において生存に必要な食べる行為と生殖行為は、安定して存在するものではないので、そのチャンスを逃さないための仕組みでしょう。

したがって、現代の人間においては、それを制御しなければ肥満になったり性行為ばっかりになったり、自分の常態や生活に合わせて制御しなければ大変なことになります。

しかし、睡眠に関しては一律8時間です。
なんだったら、10時間寝たら十分に睡眠がとれてよかった。
という事になります。

私は、最近までずっと7から8時間ほど睡眠していましたから、この8時間の睡眠に何も問題を感じることはありません。

でも、ライフスタイルに合わせて、カスタマイズしてもいいのではとも思っています。

こういった、パラダイムシフトには、大抵おおきな障壁があります。
常識です。

大抵の人は、新しい発想を耳にすると、まずその問題点を探し始めます。

これは、商品開発における会議を開く意味がない理由と同じです。
誰もが、発想を広げることなく、比較検討を始めます。

これは、問題解決やリサーチにおける、大きな壁です。
このとき、ほとんどの人が、なにも生み出さない。

少なくとも、発想が浮かんだら、それを深く理解すべきです。
そうでないなら、話に加わる必要はありませんね。

話をもどしますが、睡眠を自分に合わせてカスタマイズまではいいと。
では、何故、動物は睡眠を取るのかという疑問について考察してみます。

ずばり、暇だからだと思います。

驚くかもしれませんが、ちゃんと根拠があります。
動物から、その根拠を探ってみました。

肉食動物は良く寝ますし、草食動物はほとんど寝ない事が知られています。
草食動物は、栄養価の低い植物を主食にしていますから、移動しながら長い時間をかけて食事をする必要があります。
また、肉食動物に食べられないよう覚醒している時間が長いと考えられます。

要するに、草食動物は「暇なし」なんです。

対して肉食動物は、栄養価の高い肉を食べますし、移動も最小限です。
更に言えば、草食動物ほど脅威が多くありません。

したがって、肉食動物は「暇」です。

当然、暇なときに無駄にエネルギーを消費する必要はないので、寝るのだと考えるのは論理的です。

動物視点で言えば、活動すると怪我などのリスクが増大する為、最低限の活動に制限する。

活動していないとき、脳の活動が無駄になります。
エネルギー消費ということだけではなく、無意味だから寝たほうがいいということになる。

厳密に言えば、意識はあるかもしれませんしね。

肉食動物であっても、場合によっては寝る時間を惜しんで活動しなければならない事は、随分多いと推測できます。
その時は、当然よく寝ている動物ではなくなりますね。

人間も肉食動物と同じく、脅威は最小限なので暇です。
人間だって、仕事していなければ沢山の睡眠時間に移行するでしょう。

人間の赤ちゃんは、一日のうちほとんど寝て過ごします。
その理由は、成長に必要な何かを、寝ているうちに行っているんだと考えてしまいがちですが、あかちゃんは究極に暇なんです。

赤ちゃんほど暇な動物はいないと思います。
なにせ、手足もろくに動かせなければ、しゃべることも出来ないので、泣いたり観察することくらいしか出来ないのです。

現代において、睡眠がなにか神格化されている印象すらあります。
もう少し、落ち着いて考えたら少し違った見方が出来るかもしれません。

少なくとも動物は、短い時間で一日に何回も寝ていますし、その内容は常に流動的です。

人間のように、決まった時間に決まった量寝なければならない動物は存在しません。
そんな動物がいたら、さっそく獲物になって子孫を残せないでしょう。

更に言えば、人間は何万年もほとんど変化していませんし、その頃の人間が他の動物と大きく違った性質を持っているとは到底考えられません。

したがって、動物を引き合いに出して検討する事は十分なエビデンスの上での検討であると言えます。

結局、人を使った正確な実験など、現代において不可能なので、ほとんどの睡眠に関する実験は動物実験です。
ねずみとかハエとかね。

人間を使った臨床実験がどれほど正確性を担保するのが難しいかなんて言うのは、学者さんなら重々承知していることだと思います。

寝れない事で起こるストレス

仮に、少しの時間寝れれば別段問題が無いとしましょう。
しかし、眠気というのはとても辛いものです。

同時に眠気と戦う時、とてつもないストレスがかかっています。
これは、だれしも実感できることだと思います。
ストレスとは主観的なモノなので、感じればあると言えます。

これは大きな問題ではありますが、その眠気が起こるメカニズムが分からなければコントロールすることが出来ないので、長時間寝ようがなにしようがストレスは起こります。

この本には、眠気を起こす仕組みは、おおよそ4種類あって、それぞれに対応することで、眠気をコントロール可能だと言っています。

詳しくは説明しませんが、

睡眠物質の分泌による眠気
本能が原因の眠気
脳波が原因の眠気
習慣性が原因の眠気

医者も含め、ほとんどの人は、眠気の主な原因を睡眠不足か、もしくは、睡眠の質が悪いと主張します。

この主張が合っているか間違っているかは、もはやだれにも分かりません。
しかし、これはなにも言っていないに等しい回答です。

解決する気があるんだったら、具体的な方法論によってアドバイスすべきでしょう。
この本では、より具体的にその方法論が紹介されています。
睡眠の質が悪いというアドバイスより随分価値は高いですね。
実践してみるのもいいかもしれません。

先ほど、基本的には忙しい時に眠くはならないので、暇なときに眠くなると言いました。

暇なとき以外にも眠気は襲ってきます。
それは、受動的な作業を行う場合です。

自分がやりたい作業だったり、大きな脅威やプレッシャーがある時、すなわち能動的な作業では、眠気が来ることはまずありませんが、やらされていたりやりたくもない作業では、眠気が襲ってきます。
動物は、基本的にやりたくない事を率先して行う事はありませんね。

人間も同じ動物なので、やりたくない作業は、暇であることと同じなんだと思います。
ちなみに、動物園の動物は良く寝るそうです。

この本に面白いエピソードがありました。
芸人のバカリズムさんのすべらない話で、トイレに行きたくなったときに、面倒だから一度ソファーに座ったまま、排尿してみようと思ってやってみたことがあるそうです。

この後、バカリズムさんは、オネショに2カ月間悩まされることになります。

体というのは、学習するんでしょうね。
たった1回で。

それくらい非常識な事であっても、その状況に合わせて変化するということです。

まとめ

本来、24時間のうち、睡眠時間を引いた時間が活動に使える時間なのではなく、24時間のうち、活動時間を引いた時間が睡眠時間なのかもしれません。

おそらく、睡眠時間はコントロール可能であり、一定の睡眠時間が必須のものではなさそうです。

北欧だと、夜が4時間~11時間と差があるため、近代の睡眠時間という概念によってストレスが生れてしまったという話もありました。

今回、痛烈に感じたことは、
常識を持つ、つまり常識的であるからと言って、常識を知っている訳ない。
そもそも、常識は、常識であって、疑う対象ではないという事。
常識を持つ事と常識を知る事は、違うのだと改めて思いました。


読んで下さってありがとうございます。