一石二「鳥」クイズ その2 羽編
回答していくだけで野鳥に詳しくなれる&野鳥への愛が深まる、「一石二鳥」のクイズです。基本的に3択形式で、問題の後に解答と解説を記載しています。ご自身の回答をどこかにメモしていただきながら、読み進めていただければと思います。
【一石二「鳥」クイズに挑戦いただく方へ】
・野鳥に詳しくない方にこそ野鳥に興味を持ってもらえるように、という思いで作成しました。もちろん、詳しい方にもチャレンジしていただけたら嬉しいです。
・書籍やネットで知りえた情報をもとに紹介しています。参考にした書籍やサイトなどは記載していますが、内容によっては諸説あることをあらかじめご了承いただけますと幸いです。
・このクイズは正解数の多寡に関わらず、公に野鳥の知識を保証するものではありません。野鳥に関するトリビアとしてお楽しみいただけたらと思います。
【問題編】
Q1 スズメ大のサイズの鳥で、羽はおよそ何枚ほどあるでしょうか。
↑スズメ
(OldiefanによるPixabayからの画像 )
①700枚
②1,300枚
③2,000枚
Q2 1枚の羽の先端が黒いのは、鳥類全般で一般的なものです。それはなぜでしょうか。
①黒は最も生成しやすい色素だから
②破れたりちぎれたりしやすい羽の先端に強度を持たせることができるから
③飛翔することで太陽に近付き、強い紫外線を受けることでどうしても生じてしまうから
Q3 鳥の中には冬にかけてくちばしが黒っぽくなるものがいます。なぜだと考えられているでしょうか。
↑ウタスズメ。冬はくちばしが黒くなる野鳥の一種
(Jack BulmerによるPixabayからの画像 )
①冬は日照時間が短く、くらい時間が長いため、より敵に見つかりにくくするため
②冬はパートナーを探す時期ではないので、地味な色でも問題ない
③冬は種や木の実など比較的硬いものを食べるため、色素によってくちばしの強度をプラスしている
Q4 鳥は生きていくのに不可欠な「飛ぶ」ことを可能にする羽をよく手入れします。では、1日におよそどのくらいの時間を羽繕いに割くでしょうか。
↑羽繕いするマガモのオス
(mycolによるPixabayからの画像)
①30分
②2時間半
③4時間
Q5 羽は定期的に生え替わるようになっていますが、一般的にはどの季節に行われるでしょうか。
①春:羽は2,3日で生え替わり、パートナーを探す時期に最も美しい状態でアピールするため
②夏:羽が生長するスピードは1日に数㎜なので、保温が必要なく巣作りや渡りをしない夏に済ませる
③冬:羽は新しい羽が完全に成長してから古いものが抜けるので、二重に生えることでより保温効果が高まる
【解答・解説編】
Q1 スズメ大のサイズの鳥で、羽はおよそ何枚ほどあるでしょうか。
①700枚
②1,300枚
③2,000枚
解答 ③2,000枚
解説 2,000枚の内訳は、おおよそ下記です。
ー頭部 約400枚
ー表面 約300枚
ー内側 約600枚
ーつばさ部分 片方に200枚ずつで、ほとんどはつばさの先端部(雨覆い(あまおおい)と呼ばれる部分)の小さな羽
ー脚部 約100枚
ー尾羽 12枚
ただ、体温調節のため、夏はやや少なく、冬は多くなるなど、時期によって変動するそうです。羽の数は体の大きさや種によっても異なり、カモなどの水鳥は羽が比較的多いともいわれています。
Q2 1枚の羽の先端が黒いのは、鳥類全般で一般的なものです。それはなぜでしょうか。
①黒は最も生成しやすい色素だから
②破れたりちぎれたりしやすい羽の先端に強度を持たせることができるから
③飛翔することで太陽に近付き、強い紫外線を受けることでどうしても生じてしまうから
解答 ②破れたりちぎれたりしやすい羽の先端に強度を持たせることができるから
解説 黒い色は、メラニンという色素によるもので、メラニンは強度を持たせることができるそうです。生え変わった(古い)羽などが落ちているのを見てみると、白い部分は劣化して少なくなっていても、黒い部分は比較的劣化せずに残っていることもあります。
Q3 鳥の中には冬にかけてくちばしが黒っぽくなるものがいます。なぜだと考えられているでしょうか。
①冬は日照時間が短く、暗い時間が長いため、より敵に見つかりにくくするため
②冬はパートナーを探す時期ではないので、地味な色でも問題ない
③冬は種や木の実など比較的硬いものを食べるため、色素によってくちばしの強度をプラスしている
解答 ③冬は種や木の実など比較的硬いものを食べるため、色素によってくちばしの強度をプラスしている
解説 Q2の答えと理由は同じで、メラニンという色素で黒くし、強度を持たせています。
例えば、昆虫を食糧にしている鳥の場合、春から夏にかけては昆虫(比較的柔らかい食糧)がメインですが、冬場は昆虫も冬眠するため、植物の種や木の実といった硬いものを食べなければなりません。それに合わせて、くちばしの強度が高まるように適応したと考えられています。
Q4 鳥は生きていくのに不可欠な「飛ぶ」ことを可能にする羽をよく手入れします。では、1日におよそどのくらいの時間を羽繕いに割くでしょうか。①30分
②2時間半
③4時間
解答 ②2時間半
解説 2時間半というと、1日の約10%の時間を羽繕いに割いていることになります。
羽繕いは主にくちばしを使って行われます。汚れを落としたり羽同士が絡まってるのをきちんと整えたり、お尻の近くから分泌される特別な脂を使って羽に塗り、水をはじくようにしたりしています。
羽は鳥にとって生命線。手間暇かけてお手入れするんですね。
Q5 羽は定期的に生え替わるようになっていますが、一般的にはどの季節に行われるでしょうか。
①春:羽は2,3日で生え替わり、パートナーを探す時期に最も美しい状態でアピールするため
②夏:羽が生長するスピードは1日に数㎜なので、保温が必要なく巣作りや渡りをしない夏に済ませる
③冬:羽は新しい羽が完全に成長してから古いものが抜けるので、二重に生えることでより保温効果が高まる
解答 ②夏:羽が生長するスピードは1日に数㎜なので、保温が必要なく巣作りや渡りをしない夏に済ませる
解説 羽は1日に数㎜しか生えてきません。そして鳥類の中には「渡り」と言って主に春と秋、食糧や子育てする環境を求めて、海を越えてほかの大陸へと移動する種類がいます。何千km、何万㎞もの移動を伴うこともあるので、その時期は羽は万全の状態でなければなりません。
孵化させるために卵を温める必要がある春と、体を寒さから守る必要がある冬を避けて、生え変わるようになっているようです。
羽が生え替わることを「換羽(かんう)」とも言います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
【クイズ作成に参考にした書籍】
WHAT IT'S LIKE TO BE A BIRD
この本のレビューはこちらで紹介しています。
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