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一石二「鳥」クイズ その1

 回答していくだけで野鳥に詳しくなれる&野鳥への愛が深まる、「一石二鳥」のクイズです。問題は基本的に3択形式で、問題の後に解答と解説を記載しています。ご自身の回答をどこかにメモしながら、読み進めていただければと思います。

 【一石二「鳥」クイズに挑戦いただく方へ】
 ・野鳥に詳しくない方にこそ野鳥に興味を持ってもらえるように、という思いで作成しました。もちろん、詳しい方にもチャレンジしていただけたら嬉しいです。
 ・書籍やネット上で知りえた情報をもとに紹介しています。参考にした書籍やサイトURLなどは記載していますが、内容によっては諸説あることをあらかじめご了承いただけますと幸いです。
・このクイズは正解数の多寡に関わらず、公に野鳥の知識を保証するものではありません。野鳥に関するトリビアとしてお楽しみいただけたらと思います。

【問題編】

Q1 体重が5.5g(10円玉と1円玉各1枚ずつくらいの重さ)の鳥が1日に食べる量は、人間の割合にするとどのくらい?

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↑体重が5.5gほどしかないキクイタダキ
(NickyPeによるPixabayからの画像 )

①Lサイズのピザ1ピース
②Lサイズのピザ1枚
③Lサイズのピザ25枚


Q2 シジュウカラという鳥は、ヒマワリの種が好物です。しかし、生まれたばかりのヒナには、なぜかクモ(虫のクモ、spider)ばかりを与えます。なぜでしょうか。

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シジュウカラ。都心部でもよく見かけるスズメほどの大きさの鳥
(OldiefanによるPixabayからの画像 )

①脳の発達によいから
②いつでも豊富にとれるから
③ヒマワリの種に似た味がして、ヒナが食べられる柔らかさだから


Q3 あるカラスの仲間は、外壁の塗料をはがして食べます。なぜだと考えられている?

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ステラーカケス。アメリカなどに分布
(Avia5によるPixabayからの画像 )

①人間へのイタズラ
②外壁の中に住んでいる虫を食べている
③塗料には体に必要な成分が含まれているから


Q4 樹に穴をあけて巣を作り、ヒナの子育てをするキツツキは、巣の中を清潔に保つある工夫をしています。それは何でしょう。

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↑キツツキの仲間 アカゲラ
(ray jenningsによるPixabayからの画像 )

①排泄用のスペース(トイレ)を巣の中に作る
②ヒナのフンが膜に覆われており、つまんで捨てやすくなっている
③穴の外にフンをするようにヒナをしつける


Q5 樹にくちばしを打ち付けるキツツキは、なぜ脳震盪を起こさないのでしょうか。当てはまる理由をすべて選んでください。

①脳の重量が軽いから
②脳が前後の衝撃を吸収するようにできている
③くちばしの形状が頭蓋骨に直接振動を与えない構造になっている


Q6 フクロウは暗がりでも獲物を捕るために、優れた聴覚を持っています。それを可能にしているのは次のうちどれ?

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メンフクロウ
(Jean van der MeulenによるPixabayからの画像 )

①お面のような顔面で音を集めている
②左右の耳の位置が非対称になっており、音の位置をより正確にキャッチできる
③首を250度以上回転させることができ、獲物の位置と距離を測れる
④①~③すべて当てはまる


Q7 フクロウは聴覚が優れていますが、完全な暗闇でも獲物(ネズミ)を確実に捉えられるのは最大どのくらいの距離でしょうか。

①4m
②9m
③15m


Q8 ロードランナー(Roadrunner、オオミチバシリ)という名前の鳥がいます。その名の通り、走るのが得意な特徴がありますが、この鳥が飛ばずに地面を走るスピードは、100m走にしてどのくらいでしょうか。

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ロードランナー。アメリカなどに生息する
(PublicDomainImagesによるPixabayからの画像)

①高校生の平均並み(13秒)
②ウサイン・ボルト選手並み(9.58秒)
③ダチョウ並(5.2秒)


Q9 世界には、およそ何種類の鳥がいるでしょうか。

①4,300種
②6,800種
③11,000種


Q10 頭頂部に「冠羽」(かんう)と呼ばれる羽を持つ鳥がいます。この羽はたてがみのように立ったり、寝かされていたりしますが、どのような理由だと考えられている?

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↑頭頂部に冠羽を持つ、ショウジョウコウカンチョウ
(TheBirdBirdによるPixabayからの画像 )

①風になびかせて風向きを知るため
②リラックス時は寝ており、緊張・興奮すると立つ
③特別な理由はない


【解答・解説編】

Q1 体重が5.5g(10円玉と1円玉各1枚ずつくらいの重さ)の鳥が1日に食べる量は、人間の割合にするとどのくらい?
①Lサイズのピザ1ピース
②Lサイズのピザ1枚
③Lサイズのピザ25枚

解答 ③Lサイズのピザ25枚
解説
 キクイタダキという小さな鳥が厳しい冬を生き延びるためには、たくさんの食糧が必要です。人間の割合で1日にピザ25枚以上分(しかもLサイズ)と同じという、その量にも驚きですが、彼らはそれを自分たちで自然の中から調達しなければならないことを考えると、とてつもないエネルギーなのではと想像します。
たくさんの量を食べることを「馬のように食べる」と例えますが、実は「鳥のように食べる」とも言えそうですね。

Q2 シジュウカラという鳥は、ヒマワリの種が好物です。しかし、生まれたばかりのヒナには、なぜかクモ(虫のクモ、spider)ばかりを与えます。なぜでしょうか。
①脳の発達によいから
②いつでも豊富にとれるから
③ヒマワリの種に似た味がして、ヒナが食べられる柔らかさだから

解答 ①脳の発達によいから
解説 
クモには脳によいとされる「タウリン」という成分が豊富に含まれており、ヒナの生後1、2週間はクモを見つけ出すために力を注ぐそうです。タウリンは人間の母乳にも多く含まれ、発達に関わるとされていることを考えると、我が子を育てるということに関して、鳥も人間にも共通するものを感じます。
ヒマワリの種が好物ではありますが、年間を通して食事の半分は捕まえた(休眠中の)小さな虫、卵、幼虫などでまかなっています。

Q3 あるカラスの仲間は、外壁の塗料をはがして食べます。なぜだと考えられている?
①人間へのイタズラ
②外壁の中に住んでいる虫を食べている
③塗料には体に必要な成分が含まれているから

解答 ③塗料には体に必要な成分が含まれているから
解説
 特に明るい色の塗料にはカルシウムが含まれることが多いそうです。なぜカルシウムが鳥にとって必要なのかというと、カルシウムは特に卵を産むメスにとって、殻を形成する上で不可欠な成分だからです。
本来、自然の食糧の中でカルシウムを摂取できるはずなのですが、酸性雨などの影響でカルシウムが摂れず、そのため外壁の塗料をはがしてしまうそうです。塗料をはがされるのを止めたければ、卵の殻をエサ台(bird feeder)に砕いて置いておくと効果的です。

Q4 樹に穴をあけて巣を作り、ヒナの子育てをするキツツキは、巣の中を清潔に保つある工夫をしています。それは何でしょう。
①排泄用のスペース(トイレ)を巣の中に作る
②ヒナのフンが膜に覆われており、つまんで捨てやすくなっている
③穴の外にフンをするようにヒナをしつける

解答 ②ヒナのフンが膜に覆われており、つまんで捨てやすくなっている
解説
 ヒナのフンはゼラチン状の膜に包まれたひとまとまりの状態になっているので、巣の中がフンだらけになることはありません。親鳥はこのヒナのフンをくちばしでつまんで、30メートルも遠くに捨てに行きます。巣の近くに捨てると、天敵にヒナがいることがばれてしまい、狙われやすくなってしまうからです。

Q5 樹にくちばしを打ち付けるキツツキは、なぜ脳震盪を起こさないのでしょうか。当てはまる理由をすべて選んでください。
①脳の重量が軽いから
②脳が前後の衝撃を吸収するようにできている
③くちばしの形状が頭蓋骨に直接振動を与えない構造になっている

解答 ①②③全てすべて当てはまります。
解説
 人間の脳は重いですが、キツツキの脳はそもそも重量が軽いです。また、人間の脳はジャンプした時などの上下の振動を吸収するようにできていますが、頭部を前後に動かして樹に穴を開けるキツツキの場合は、前後の振動を吸収するように適応しています。
また、キツツキのくちばしは、下くちばしの方が上よりもやや長めになっており、そのため下あごでまずは衝撃を受ける仕組みになっているので、直接頭蓋骨に衝撃が加わらないようになっています。
上あごの根本にはスポンジ状の骨の層があり、衝撃を緩和していることや、樹に対して常に真っ直ぐにくちばしを打ち付けるので、加わる力はいつも同じ方向になっていることも、脳震盪を起こさない理由に関係しています。

Q6 フクロウは暗がりでも獲物を捕るために、優れた聴覚を持っています。それを可能にしているのは次のうちどれ?
①お面のような顔面で音を集めている
②左右の耳の位置が非対称になっており、音の位置をより正確にキャッチできる
③首を250度以上回転させることができ、獲物の位置と距離を測れる
④①~③すべて当てはまる

解答 ④①~③すべて当てはまる
解説
 お面のような顔は、パラボナアンテナのように音を効率的に集めるのに役立ちます。
また、左右の耳の位置が非対称とは、左右でそもそも耳の高さが異なるのと、耳の穴が開いている方向も上下で異なっているのです。

フクロウの首は360度回る、とよく誤解されますが、360度はさすがに回りません。ですが、どちらの方向にも270度回転させられるそうです。

ちなみに、フクロウに限らずすべての鳥が首を180度以上回せます。中には人間の3倍も多く首の椎骨を持つものもいるそうです。

Q7 フクロウは聴覚が優れていますが、完全な暗闇でも獲物(ネズミ)を確実に捉えられるのは最大どのくらいの距離でしょうか。
①4m
②9m
③15m

解答 ②9m
解説
 フクロウが活発に狩りをするのは、真夜中というよりも夕暮れどきです。優れた聴覚を駆使するのはもちろんですが、狩りには基本的には視覚も必要とします。
とはいえ、目隠しした状態で、生きている(しかもすばしっこい)獲物を捕らえられる聴覚とは、驚きです。

Q8 ロードランナー(Roadrunner)という名前の鳥がいます(アメリカ)。その名の通り、走るのが得意な特徴がありますが、この鳥が飛ばずに地面を走るスピードは、100m走にしてどのくらいでしょうか。
①高校生の平均並み(13秒)
②ウサイン・ボルト選手並み(9.58秒)
③ダチョウ並(5.2秒)

解答 ②ウサイン・ボルト選手並み(9.58秒)
解説
 日本語ではオオミチバシリと呼ばれる、カッコウ目カッコウ科アメリカジカッコウ亜科ミチバシリ属に分類される鳥。北アメリカ大陸南部に分布し、体長は50~60㎝ほど。
脚(羽毛が生えている部分)が太くてがっしりしている印象があり、確かに速そう。ダチョウは鳥類最速の脚を持つことでよく知られていますが、ボルト選手並みに走れる鳥がいるとは。

Q9 世界には、およそ何種類の鳥がいるでしょうか。
①4,300種
②6,800種
③11,000種

解答 ③11,000種
解説
 ちなみに、日本で見られる野鳥は約600種ともいわれています。
参考までに、哺乳類は約5,500種、爬虫類は約10,000種、両生類は7,300種、魚類は約32,000種、昆虫類は約100万種。

Q10 頭頂部に「冠羽」(かんう)と呼ばれる羽を持つ鳥がいます。この羽はたてがみのように立ったり、寝かされていたりしますが、どのような理由だと考えられているでしょうか。
①風になびかせて風向きを知るため
②リラックス時は寝ており、緊張・興奮すると立つ
③特別な理由はない

解答 ②リラックス時は寝ており、緊張・興奮すると立つ
解説
 冠羽は、意思によって上げ下げできるもののようです。観察や写真を撮る際には、冠羽を逆立てないように(緊張させないように)行いたいものです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

【このクイズを作成するのに参考にした書籍】

WHAT IT'S LIKE TO BE A BIRD

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