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一石二「鳥」クイズ その4 視覚・聴覚編

回答していくだけで野鳥に詳しくなれる&野鳥への愛が深まる、「一石二鳥」のクイズです。3択形式で、問題の後に解答と解説を記載しています。ご自身の回答をどこかにメモしながら、読み進めていただければと思います。
初めて一石二「鳥」クイズに挑戦いただく方へ


【問題編】

Q1 はるか上空から獲物を見つけ、捕らえるワシ。人間と比べて、およそどのくらいの視力があるとされているでしょうか。

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ハクトウワシ。アメリカの国鳥でもある
(Dave EslingerによるPixabayからの画像)

①1.5倍
②3倍
③5倍


Q2 人間よりも視力が高いワシは、色については人間のおよそ何倍見えるでしょうか。

①0.6倍
②6倍
③16倍


Q3 カケス(カラスの仲間)のような大きな声で鳴く鳥は、鳴き声の大きさで自分の耳を傷めてしまわないために適応しています。当てはまるものをすべて選んで下さい。

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ステラーカケス。アメリカなどに分布
(Beth LindleyによるPixabayからの画像)

①あごが開くと同時に、外耳道が閉じて音をシャットアウトする
②耳の内部の気圧を高めて、鼓膜の振動を弱める
③耳とつながっているあごの骨の動きが、鼓膜の緊張を緩めて音を和らげる


Q4 音のプロセスを聞き取る機能について、鳥は人間の何倍あるでしょうか。

①0.5倍
②1倍
③2倍


Q5 鳥のさえずりは種によってさまざますが、どうやって自分と同じ種のさえずりを覚えるでしょうか。

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チャガシラヒメドリ。同じ高さの音をすばやく繰り返してさえずる
(Jennifer BeebeによるPixabayからの画像)

①遺伝的に他の種のさえずりを無視し、自分と同じ種のを学ぶようにメカニズムされている
②親鳥の体内にいる間に覚える
③先祖代々伝わる楽譜があり、それを読んで練習する


Q6 ナゲキバトというハトは、飛び立つときの羽ばたきで鋭い音がするそうです。この音は求愛の時の他に、もう一つ使い道があるそうです。それはなんでしょうか。

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ナゲキバト
(Bernell MacDonaldによるPixabayからの画像 )

①遠くまで響くので、群れに自分の居場所を知らせる
②高い音が出るほど群れの中で優位に立てる
③一段と速い羽ばたきで高い音を出すことで、仲間に危険を知らせる


【解答・解説編】

Q1 はるか上空から獲物を見つけ、捕らえるワシ。人間と比べて、およそどのくらいの視力があるとされているでしょうか。
①1.5倍
②3倍
③5倍

解答 ③5倍
解説
 ワシは光を感じ取る眼の細胞を人間の5倍も多く持っており、視力が5倍にもなるそうです。
英語には「eagle-eyed」(イーグル アイ、eagle=ワシ、eyed=~の眼を持った)という慣用句があります。「細かいことも見逃さない」といった意味があり、ワシの眼の良さは500年以上前から研究で分かっていたそうです。
5倍の双眼鏡を使うと、ワシの視力を体感できそうですね。


Q2 人間よりも視力が高いワシは、色については人間のおよそ何倍見えるでしょうか。
①0.6倍
②6倍
③16倍

解答 ③16倍
解説
 人間も鳥類も眼の網膜にある錐体細胞(すいたいさいぼう)が色覚に役割を果たしています。人間の錐体細胞は赤、緑、青の3色に反応し、これらを組み合わせることで色彩を作り上げています。一方鳥類は、この3色に加えて紫の光(紫外線)を感じ取ることができるため、人間より多くの色を見ることができていると考えられています。野鳥の色覚関する参考サイトはこちら。

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ハクトウワシ。こちらが観察しているつもりが、実は人間の5倍の視力と16倍の色彩を判別できる眼で観察されているかも
(Andreas HojaによるPixabayからの画像)

ここではワシを取り上げましたが、鳥類は基本的に人間よりも視力が優れているそうです。


Q3 カケス(カラスの仲間)のような大きな声で鳴く鳥は、鳴き声の大きさで自分の耳を傷めてしまわないために適応しています。当てはまるものをすべて選んで下さい。
①あごが開くと同時に、外耳道が閉じて音をシャットアウトする
②耳の内部の気圧を高めて、鼓膜の振動を弱める
③耳とつながっているあごの骨の動きが、鼓膜の緊張を緩めて音を和らげる

解答 ①②③すべて当てはまる
解説
 もし私たちの耳の中でカラスが大声で鳴いたとしたら、ジェットエンジンから60m離れたところに立っているのと同様の騒音だそうです。鳥類の耳は羽に隠れて見えないことが多いですが、耳の位置は口から2.5㎝ほどしか離れていないこともあり、こんなに大きな声を日常的にあげていても耳を傷めないよう、耳の構造が適応しています。
その仕組みは、選択肢①~③のように、あごが開くと同時に外耳道が閉じて音をシャットアウトし、それによって耳の内部の気圧が高まって、鼓膜の振動を抑えます。そして耳とつながっているアゴの骨の動きが鼓膜の緊張を緩めて音を和らげるそうです。

さらに、耳を傷めてしまった場合でも、耳の中の毛細胞が新たに生長することで、回復させることもできるそうです。


Q4 音のプロセスを聞き取る機能について、鳥は人間の何倍あるでしょうか。
①0.5倍
②1倍
③2倍

解答 ③2倍
解説
 鳥類の脳は、人間の2倍以上のスピードで音を処理することができるため、鳥たちには音がより詳細に聞こえているそうです。私たちにとっては同じように聞こえるオスのさえずりも、実は鳥にとってはその違いが判別できるのでしょう。だからこそメスは、オスのさえずりを聞くことでパートナーとしてふさわしいのかどうかを判断できているのかもしれません。


Q5 鳥のさえずりは種によって様々ですが、どうやって自分と同じ種のさえずりを覚えるでしょうか。
①遺伝的に他の種のさえずりを無視し、自分と同じ種のを学ぶようにメカニズムされている
②親鳥の体内にいる間に覚える
③先祖代々伝わる楽譜があり、それを読んで練習する

解答 ①遺伝的に他の種のさえずりを無視し、自分と同じ種のを学ぶようにメカニズムされている
解説 さえずりは、オスがメスに求愛する手段の一つで、種によってさえずりが異なります。例えば、ウグイスオオルリを聞き比べてみると、音が異なることが分かると思います。
さえずる鳥は、生まれたときにはまださえずりを覚えておらず、成鳥(大人の鳥)に近づくにつれて覚えます。つがいとなるパートナーを探す(求愛する)のは春に向けてなので、自分と同じ種以外のさえずりも同時期に聞くことになりますが、他の種のさえずりは遺伝的に無視するようにメカニズムされているため、混ざって覚えてしまうといったことはないそうです。


Q6 ナゲキバトというハトは、飛び立つときの羽ばたきで鋭い音がするそうです。この音は求愛の時の他に、もう一つ使い道があるそうです。それはなんでしょうか。
①遠くまで響くので、群れに自分の居場所を知らせる
②高い音が出るほど群れの中で優位に立てる
③一段と速い羽ばたきで高い音を出すことで、仲間に危険を知らせる

解答 ③一段と速い羽ばたきで高い音を出すことで、仲間に危険を知らせる
解説
 ある実験では、ナゲキバトが飛び立つときの音を録音し、ナゲキバトと他の鳥の反応を見ました。
通常のリラックスした状態での羽ばたき音を聞かせたところ、なんの反応もありませんでしたが、高い音で速い羽ばたきの音を聞かせると、警戒して逃げてしまったそうです。
ハトの警笛のような羽ばたき音は、身の回りの危険を他のハトたちに伝えるのに重要な役割があるようです。


最後までお読みいただきありがとうございました。


【クイズ作成に参考にした書籍】

WHAT IT'S LIKE TO BE A BIRD

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この本のレビューはこちらで紹介しています。

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