18-子供が親を選ぶ


 

子供が親を選んで生まれてくるという話を聞いたことがあるでしょう。それは間違いのない事実です。事例の虐待を受けていた田中さんもそうでした。あの優しく厳しいお母さんを、自分が選んでいたのでした。


他の方のセッションでも、いくつかの前世を明らかにした後、三人に一人ぐらいの割合で「あなたが、今のお母さんのおなかの中に入る前、今回の人生の計画をしている場面へと戻ろう。」と誘導します。


そして「あなたはなぜ、そのお母さんの子供になろうと思ったのですか?」と質問をすると、「お母さんに厳しさや強さを教わりたかった。」「優しさを身につけたかった。」「お母さんを助けたかった。」など、いろんな理由を言われます。


さらに「では、あなたがそのお母さんを選んだのですね?」と聞くと、皆さん間違いなく「そうです。私が選びました。」と、涙ながらに口をそろえて言われます。

そうなんです。どんな厳しい両親であろうが、どんなにだらしない両親であろうが、間違いなく皆さんは今のご両親を自分が選んで生まれてきているのです。さらに事例のように、ご両親にいろんなお願いをして生まれてきている場合が多いようです。


そうであるならば、あなたも「大金持ちで、財産がいっぱいあって、優しいご両親で、一生働かなくていい家庭」を選ぶことも可能だったのです。実際にそういう家庭はありますからね。しかしほとんどの方がそうではないところを選んで生まれてきます。


貧しい家庭を選べば、惨めな思いをするということは、分かっていたのです。

仲の悪い両親を選べば、悲しい思いをする。暴力的な親を選べば怖い思い、悔しい思いをする。忙しい親を選べば、寂しい思いをする。頭ごなしに何でも押し付けてくる親を選べば、悔しい思いをする。それもこれも、全て分かっていたのです。

分かった上で選んで生まれてくるのです。どれだけの勇気ある魂なのでしょう!


実は選ぶのは両親だけではありません。親を選べば、兄弟や親戚、さまざまな環境も大体決まりますよね。それだけでもなくて、自分の肉体も、顔も、脳みそも、色んな才能も、全て自分で設定をして生まれてくるのです。

 

そうであるならば、スタイル抜群で、顔もきれいで、成績優秀で、運動神経抜群で、歌も上手で、絵も上手で・・・。そういう自分を選ぶことも可能だったのです。悔しいけど実際にそういう人いますものね。しかし、ほとんどの方がそうではない肉体を選んで生まれてくるのです。


ずんぐりした体を選べば、皆からバカにされる。実は分かっているのです。

運動神経が悪ければ、みじめな思いをする。これも分かっている。

回転の悪い脳みそを選べば、皆から苛められるかもしれない。これも分かっている。

障害や病気のある肉体を選べば、不自由でつらい人生になる。これも分かっている。


分かった上で選んで生まれてくるのです。どれだけの勇気でしょう。どれだけ強い魂なのでしょう。どれだけの素晴らしい魂なのでしょう。


それがあなたの真の姿なのです。そんな自分をけなしたり否定したりする必要は、全くありません。そういう体験を選んだすばらしい魂なのです。

そんな素晴らしい魂の存在である自分を、そして全ての人がそうであることを、そろそろ思い出しましょう。そして、その視点で今までの物事を見てみましょう。そうすると、今までとは違うものが見えてくるはずです。

 

しかしほとんどの人が、教科書や台本の中にとどまったまま、「この苦しい出来事をどうしたらいいですか?」と相談にいらっしゃいます。

残念ながらその状態では無理なのです。だって、その教科書や台本は、辛さや苦しさを体験する場所なのですから。教科書の中にとどまったままでは、その体験、ストーリーが続くだけの話です。


ですから、その教科書を手放して、その世界から出てくる必要があります。教科書を高い次元から眺めてみることなのです。そうすると本当の意味が見えてきます。あなたが、辛く苦しい教科書を通じて何を学ぼうとしたのか。どういう自分になろうとしたのか。


今までの教科書や台本は 「私がなりたい私になるために、私が望んだ素晴らしい出来事」だったということに気づくことができます。それが、あなたの魂レベルの思考なのです。その思考に基づいて、今生きている世界の出来事が起きていたのです。


確かに辛く苦しい出来事はあったけど、悪いことが起きていたわけではなかった、ということに気づき始めます。感謝に変わり始めます。そうすることで教科書を手放すことができます。

「教科書を通じて学んでいる自分。それを選択した勇気ある自分。」それが本当のあなたなのです。

あなたは実はもともと完璧なのです。完璧なあなた、「◎」のあなたが「×」という体験をしに来ただけなのです。あなた自身が×なのではありません。×という体験を選択するということは、とても勇気がいることです。その勇気ある存在、それがあなたなのです。


ですから、×から〇になる必要などないのです。本来の自分に気づくだけでいいのです。実は全てが『〇』だったんだということに気づくだけでいいのです。


そうすることで、教科書を手放すことができます。そうすると、教科書に書いてあるストーリーは起きなくなってきます。そういう体験をしている人は沢山います。人生が一八〇度変わり始めるのです。

それではまた一つの事例を紹介させていただきます。

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