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公用車広告③~他市の公用車広告。船橋市とは全然違う

 2020年9月末時点で、船橋市は公用車広告の情報を一切公表していなかった。ホームページに載っていたのは、2年前に終わった広告代理店募集の告知と募集要項だけである。募集の結果、どこの代理店が事業を請け負ったのかも公表していなかったことは、前章で書いたとおりだ。
 いったい市は誰に向かって事業を行っているのだろう。

 わからないことだらけのなか、とにかく他の自治体のやり方を調べることにした。

どこの自治体もホームページで情報公開

 インターネットで検索すると、事業を行っているところは、自治体のホームページに「広告料」「広告の大きさ」「掲載期間」「申込先」「手続き方法」といった基本情報が載っており、市民が誰でも事業に参加することができるようになっていた(約20自治体を調査)。

 そしてほぼすべての自治体が申込先を自治体としており、つまり市と市民が直接契約する「直営方式」を取っていた。言うまでもなく、この方法なら事業者が払う広告料は全額市が受け取ることができる。

 松戸市や相模原市は掲載までの流れを図示する親切ぶりだ。
◆松戸市のホームページより

松戸市フロー3000

◆相模原市のホームページ

 私が調べた中で唯一広告代理店を使っていたのは苫小牧市だったが、担当の財政部管財課・車両担当にメールで問い合わせたところ、代理店には広告主の募集や手続きの代行などを委託しており、手数料として広告料の20%を支払っているとのことだった(代理店手数料方式)。広告紙面の制作はどこの業者に頼んでもいいのだそうだ。

 市のホームページで広告料等の基本情報を公開しているのはもちろん、申込先の広告代理店の名前も連絡先も、きちんと開示していた。

◆苫小牧市のホームページ

 みなさんもインターネットで公用車広告を行っている自治体を検索してみてほしい。きっとどこの自治体も市民に情報を公開し、広く広告主を募っていることがわかるだろう。船橋市とは大違いである。

東京都はデジタルブックで情報公開

 日本の首都たる東京都はどうだろう。「公用車広告はやっていませんが、都営地下鉄と都営バスは広告を取っています」とのことなので、参考までにご紹介しよう。媒体の数がものすごく多いので、職員による直営方式ではなく、代理店を使っているとのこと。

 教えられた東京都交通局のホームページを見てみると、デジタルブックなどで、広告主を募集している媒体、広告料、大きさ等、必要な情報を写真入りで開示していた。

東京都

 また広告を出したい都民は、都が指定する広告代理店約30社から好きなところを選び、手続きをする。広告紙面の制作は、その代理店に頼んでも頼まなくてもいいそうだ。
 余談ながら指定代理店の中には電通が入っていて、さすが東京、と変なところで感心してしまった。

 これだけたくさんの代理店から好きなところを選べるのは都民にとってありがたいし、代理店は仕事を得るために、他社より良い仕事をしようと努力するだろう。

広告リスト

 情報開示といい、代理店を選択できることといい、他の自治体の(公用車)広告事業は、公平で透明性のあるものだった。


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