道場の意義について

前のめりだけど無力なのが若者だ。

例えば初心者の人が強くなりたいと思って道場に入ってくるけど、最初のうちは先輩には敵わないよね。でも必死に強くなろうと努力しているうちに自然と強くなっていく。

人生も一緒だ。社会に出て自分の無力さにうちひしがれている若者は多いと思うが、必死にもがいているうちに自然と実力は付いてくる。実力がついたらその先は?また更なる上を目指してもがく。僕も今でも常にもがいている。もがくことで更に強くなれるからね。

若者にとっての道場の役割とは、結局はこういったことを擬似体験させてあげることなのかなと思っている。

柔術黒帯という目標は、努力するプロセスを学ぶには最適な距離感だと思う。これが全日本王者とか世界王者とかになると、どんだけ努力してもたどりつけない人がほとんどだ。一方、柔術黒帯は決して簡単に取れるものではないが、努力の量と方向性を間違えなければ、きちんとたどり着くことが出来る目標だ。

正しく努力をする、ここを間違えると成功には繋がらない。無駄な努力をしてもダメだけど、でもその無駄を経ないと行き着けない境地もある。そういった上達するためのプロセスを楽しみながら自分で考えていくことが格闘技に限らず何の世界でも大切だ。

格闘技を通じてあれこれ試行錯誤しながら道なき道を切り開いていく経験は、様々な素晴らしい挫折を安全に経験することが出来、なおかつそれを乗り越えていくことでどんどん強くたくましくなる。そして、最終的に人生を豊かにしてくれると僕は信じている。

皆さんにとっての道場もそういった場所であると嬉しいな。

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