ブラジリアン柔術にウエイトトレーニングは必要か?

「柔術に力は必要ない」なんて言葉をよく聞く。逆に「強い人はみんな力が強い」なんて言葉も然り。じゃあバーベル等の器具を使ったウエイトトレーニングはした方がいいのか、しなくともいいのか・・


まず、トレーニングといっても様々なトレーニングがあるし、人によってトレーニングの目的もそれぞれ違うだろう。

多くの場合、ざっくり下記の3タイプに分かれる。

1、筋量を増やすためのトレーニング(バーベル等を使いストリクトなフォームを心がけ10回程度)
2、瞬発的なパワーの向上と体感の安定を目的としたトレーニング(高重量のクリーンやデッドリフト、爆発的に5回程度)
3、筋持久力、心肺機能等の向上を目的としたトレーニング(ロープトレーニングやサーキット、タバタ式等)

ここからは思いっきり個人的な意見を書いてみる。断っておくが僕は特にトレーナーの資格などはないので基本的に素人の戯れ言なのだが、一応現役時代にはかなり高名なトレーナーの方に5年間トレーニングを見てもらっていた。様々なことを教わった上での考察だ。

この3つのパターンのうち、1のパターンは柔術にはあまり必要ないと個人的には思う。階級制の競技なので下手に筋量を増やしてしまうと減量がきつくなるので上の階級に上げたい人以外は必要ないのではないか。ただ、あまりにも体力がない場合は基礎体力をつけるためにやるのもいいかもしれない。

2のトレーニングは軟体な人には向かない。瞬発力というものは体をしっかり固めることで爆発的な力を生み出すのだが、いかんせん軟体な人はこの体を固めることが苦手だ。故に2のトレーニングを行っても効果を実感しにくい。逆に軟体な人は様々な技を会得しやすいし、ガードワークも得意になりやすい。こういう人は下手にパワーをつけようとせず、自分の特性を上手く生かして戦うことが大切だ。

3のトレーニングは基本的にやった方がいいと思うが、自分のスタミナに自信があって、スパーリングでも最後までスタミナが持つ人には必要ないのかもしれない。
僕自身は2と3のトレーニングを複合的に行っていた。

そういえば最後にこんなエピソードを。
昔、軟体の代名詞とも言えるミヤオ兄弟のセミナーに参加した時のこと。最後の質問コーナーで「筋力トレーニングはしていますか?」と質問が出た。それに対する彼らの答えは「握力を鍛えるトレーニングをしている」と。
「具体的にはどんな種目ですか?」との問いに彼らは「ベンチプレスだ」と答えた。

ベンチプレスって胸のトレーニングじゃん、ミヤオ兄弟もなかなかオチャメな返答するな。僕と同じように思った人も多く、会場には笑いが溢れた。それをみた彼らは「何がおかしいんだ?」と困惑と不機嫌を足して2で割ったような表情を見せていたのが印象的だった。

まあどんなトレーニングでもそれを信じてやれば、一定の効果はあるだろう。そういう意味ではトレーニングはサプリメントに近いのかもしれない。

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