初めて道衣の袖に手を通した日

ソラニンという音楽映画をご存知だろうか?僕が10年前に見た映画で本当に本当に心を鷲掴みにされた映画だ。劇中で主人公の彼氏が「初めてエレキギターを手にした時に無敵になれた、と感じたんだ」と呟くシーンが今でも心に焼き付いている。

今から30年前、15歳の僕が初めてエレキギターを手にしたその日、この世の全てを手に入れたかのような万能感を感じた。あの瞬間の僕は正しく【無敵】だった。当然フレーズなんて何一つ弾けなかったけど、鏡の前でギターを抱えカッコよくポーズを取り、いっぱしのギタリスト気取りだった。そして今日に至るまでの30年、そこそこ弾けるギタリストにはなったと自負している。初めてエレキを手にして鏡の前でカッコつけたあの時から僕のギタリスト人生は始まった。

柔術も同じだ。道衣の袖に腕を通した瞬間から柔術家人生が始まる。是非とも道衣姿のまま鏡の前でカッコつけてほしい。柔術道、とか柔術家、とか聞くと大層なものに感じるかもしれないがそんなことは深く考えなくともいい。

https://note.com/ichirokanekobjj/n/ne19ccfcfcace
以前にも柔術道についての記事を書いた。

【道】なんて付くと大層なものに聞こえるが、所詮は自分が歩んだ結果、勝手に出来た獣道だ。【家】も同じだ。黒帯じゃないと柔術家じゃない、とか何年位はやってないと柔術家じゃない、なんて考えもたまに聞くけど、そんな考えはベテランのファンがにわかファンに対して上からマウント取ってるような感じでナンセンスだと僕は思っている。そんなことを言う奴は僕がトンカチで頭を優しく撫でてあげようじゃないか。

僕は30年前に初めてギターを抱えて鏡の前でポーズを取ったその時からギタリスト人生がスタートし今に至っているし、15年前に初めて柔術衣に身をまとった時から柔術家人生がスタートした。

今年も日本全国何百人と新たな柔術家が生まれる。道衣を着たらその日から君も立派な柔術家だ。偉大なる一歩を踏み出した記念すべき日だ。

柔術家デビューおめでとう、僕はあなた達を歓迎するぜ。

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