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独居の独り言

6月20日 日記 久しぶりの来訪者

 久しぶりに、長女、次女がわが山家に訪ねて来た。
駅まで定着時刻に迎えに出た。自分の所要も駅周辺で片付けたいことがあって好都合だった。数か月ぶりの娘二人との対面である。一人生活になって3年ほどになろうとしている。ゆっくり談笑できることに独居老境の心浮き立ちまた、娘と言っても中年ではあるが、妻亡き後老境にとってにぎやかで華やかな二人とであるなー・・と、うれしい限りであった。ちょうど昼食時での駅到着だったので、しいたけ弁当や鯛寿司弁当、かまぼこ、赤かぶ漬けなどを購入、まずタクシーでわがぼろの山家に来た。玄関に入るなり「これは玉縄」だよと二人で叫んだ。旧鎌倉時代の家の風紀と同様の気だと・・・。独居老人の僕の妻と住まい続けた鎌倉時代の雰囲気が漂ってくるらしい。
親子の絆もこのように融合感覚が発し合うのだろうか・・・と不思議な気分であった。
外は、緑いっぱいで、谷を挟んで、別荘や民家が緑の中に点々と見える、それを見ながら、家全体が書斎となっている様相に二人は独居老境の父の生活ぶりに安心したようだ。
この八十路を超えた父に日頃、子供たち(一男、三女)は常に独居の父と日々ラインで常に生きている証を確認しているのである。
 
そして、独居の僕の生活に関わる話題が多く、また何かと処理しなければならないことを、掌握してくれていた。
ふたりで、対面の民家を眺めながら気持ちよさそうにチョイ寝をしたりして、あっという間の滞在である。二人を駅まで送ることにして駅への狩野川修善寺橋を渡る前に高い評判の{Sや}と言う居酒屋に予約して立ち寄り、新鮮な「刺身の盛り合わせ、(キンメダイ、マグロ、アカイカ、エビ、アワビなど)やタコのから揚げ、地鶏のから揚げなどアルコール類を少々のみ三人とも、ここで食したことにひどく満足した。
娘二人は「メッチャうまい」を連発していた。
90分ほどで切り上げ、駅への橋をほろ酔い気分でわたり、18時42の駿豆線で三島へ去って行った。
 
 そのあと、このロートルは戸田行きのバスに乗ったのだが、少々アルコールが入った性か、降りるべきバス停を通過してしまい、気がついたらバスは暗闇のつづら折りの坂道を走行していた。車内はたった一人である。バスドライバーの方に訪ねると「ダルマ山」に向かっているという。結局、やむを得ずそこで降りて修善寺駅方面からタクシーをたのみ、高いほーけたバス代となってしまって自宅まで駅からタクシーなら20分とかからないところを、90分後の20時30分であった。
タクシードライバーも言っていたが熊も猪も出るという。
案の定、鹿が暗闇の車道に出ていた。鹿は直ちに去って行ったが時には直進してくることがあり避けるのが難しい時があるらしい。日中であれば駿河湾も、相模湾も富士山も鮮やかに見晴ことができるが、暗闇で夜の美しい湾岸を見ることが曇り始まって望めなかった。
               6月20日の日記
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


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