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感想に関する或る感想#2「“ユーザーレビュー”は偏見でいい」 | 森田一郎の毎日戯文 #30

毎日戯文とは

ドーモ、森田一郎です。
えー、前回の記事「“感想/レビュー”と“批評/クリティーク”の区別」がめちゃくちゃとっ散らかったので、今回は簡潔にやっていこうと思います。

さて、私は普段、感想の述べる時でも「可能な限り客観的に、かつ自分の感じた事を正確に伝える」ということを意識しております。

そのため、かつてはAmazonやSteamなんかのユーザーレビューで、明らかに事実誤認や悪意、偏見に基づくレビューを見ると「てめえ、修正してやる」と鼻息を荒くしていたものですが、いつ頃からか気にもならなくなりました。

それどころか、今では「まあ、それってユーザーレビューのあるべき姿だよね」とさえ思っております。

と申しますのも、ユーザーレビューというのは中央値を出すために存在するからであります。

ゲームの好き嫌いは人それぞれ、映画ランボーも「結局ファーストブラッドが至高だろ」という人もいれば「いやあれを踏まえての2のバカさ加減がいいんだろ」という人もおります。

そういった好き嫌いを均し、おおむねのゲームの質を計ろうという試みがユーザーレビューです。したがって、偏見と誤解と無理解に溢れていても全然オッケーなのです。

逆に、ユーザーレビューはゲームの質を担保してはいませんし、ゲームの内容を的確に評しているとは限りません。

例えば、同ジャンルのゲームをたらふくプレイしてきた人からすると「何だこれ、ここは○○を真似てるけど内容薄いし、システムは××の真似だけど調整が大味でイマイチだな、あと前作と比べて全体的に収集要素とかの水増しが効いてテンポが悪い」というゲームがあったりします。

それでもそのゲームはメガヒットになっていたりします。そしてそれ自体は悪いことではありません。恐らくあなたと同じゲームプレイ経験がある人は同じ感想を抱くでしょうし、そういったレビューも実際にあるでしょう。しかし、それは初めてそのジャンルに触れる人々の「好評」レビューに埋もれます。

それ自体は、新しいプレイヤー層を開拓しているということですから、喜ばしい事でしょう。玄人も納得する最高の傑作しか売れない市場は、健全とは言えないと森田は考えます。

まあつまり、84%で「非常に好評」のそのゲームは、あなたにとっては0%で「圧倒的に不評」のゲームだという事です。しかし、それがユーザーレビューの原則なので、腹を立てても仕方ありませんね。

なんかとっ散らかって来たぞ。大丈夫か森田。

逆に、「ままにきいたけど あそびかたがわからない くそげー」とか「開発者の顔が気に入らない、おすすめしません」みたいな、友達だったら後頭部をおもいっきりはたいてツッコミを入れるレベルの感想がそこそこあっても、ある程度の母数が集まれば正当な中央値に均されていくということです。

ただ、意識したいのは小規模インディーゲームの滑り出しなど、レビューの母数が少ない場合の投稿ですね。

一票一票が重く、また開発者にも直接届くと思いますので、入念に率直な感想を書きたいところです。

またあした。(これを言うと勝手にしまった感じになるからいいなあ)

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