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焼き鳥屋を開業して軌道に乗せるまでの流れ

職人目線ではなくお客様目線で考える

福岡の大繁盛店での約4年間の修行を終え、出店先に選んだのが誰も知り合いのいない山口県宇部市。人口16万人のこの街から僕の焼鳥屋ストーリーは始まりました。

2014年に宇部新川に9.8坪 22席の焼鳥一力を開業し2年後に30坪 44席への移転を経て繁盛店まで導き、2019年10月には焼鳥&ワイン「RICKY」・2020年3月には、焼鳥一力小野田店を20坪 38席でオープンさせる事ができました。
そこで今回は、僕が焼き鳥屋を開業し軌道に乗せるまでの流れを、気付きや心構えと合わせてご紹介します。

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業態を決めたのはオープン1か月前。たまたま友達と食べに行った焼鳥屋での彼らの反応に衝撃を受けたことがきっかけだった。
その店は、スライスした豚バラ肉に野菜を巻いた「野菜巻き串」に特化した焼鳥屋。福岡県の焼鳥は、串に刺せばなんでも焼鳥と言うぐらいメニューのラインナップは豊富で、バラエティーに富んでる。だから、野菜を豚バラ肉で巻き串に刺した焼鳥にも馴染みはあったが、本格焼鳥で勝負をするつもりの僕からすると、そんなオシャレな串は邪道だとワンランク下げた評価を勝手にしていた。
オーダーの仕方は、風呂桶ほどのカゴの中に入った30本の串。その串から好きなネタを選ぶスタイル。この店は福岡の繁盛店でそのスタイルも知っていたので僕は何とも思っていなかったが、一緒に行った友達はその目で楽しませるスタイルにとても喜んでいた。こんなにも喜ぶのかってほど喜んでいた。その喜んでいる顔を見た時に、お客様には味だけではなくエンターテイメントの要素も提供しなければならないのだと気付いた。
職人目線のこだわりを貫き「うまいからこれ食べてみろよ」ではなく、一般のお客様の目線に立ち喜ばれることを提供することも飲食人の仕事だと衝撃を受けた。お客様目線をベースに考えなければ、その先に繁盛はないと改めて気付かされた。
友達が喜んだこの反応を山口県の人に味わってほしいと思い、本格焼鳥で打ち出す予定を急遽オープン1か月前に変更し、山口県にはまだない『野菜巻き串』で勝負に出ることにした。

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トラブルは想定しておく

友達と共同で事業をすると必ず揉めるというのは飲食店のあるある。僕も、25歳でカフェを経営していた時、仲の良かった後輩に料理を任せていたが、お互いの小さな不満の積み重ねでたった3ヶ月で辞められてしまい、飲食店なのに料理人がいないという、めちゃくちゃ困った状況に陥った経験がある。
この経験を踏まえ、修業先で僕が意識したのは

すべての業務を自分一人でもできる状態にしておくこと。

料理、接客、クレーム対応、お金のことなど店の運営に関わるすべてを頭に叩き込んだ。


が、修行後にオープンした一店舗目で雇ったオープニングスタッフの料理人も、方向性の違いからわずか1カ月で辞めてしまう。もしかしたらという想定はあったが、ここで俺の本領発揮だ!と勇んだが22席の店を一人でまわせるわけもなく、たまたま見つかった料理が趣味の大学院生と元々いたアルバイトの女の子の3人で何とか営業をすることができた。
僕がこれから飲食店を始めたい人にお伝えしたいこと…それは、


・スタッフが辞めてしまうことは予め想定しておく
・何か起こった時のために、自分ひとりでも対応できる手立てを修行時から身に付けておく


この2点を意識することが重要だ。

あらゆるトラブルを想定しておくこと。
それと、自分では手が回らない業務を代わりに行ってくれるスタッフの存在を大切にしなければならない。
過去の経験からある程度のトラブルは覚悟していたが、やはり自分一人の力で店を運営することはできない。
一緒に働いてくれる仲間には、常に感謝の気持ちを持って接することもまた重要なのだ。



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