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物件は探しの鉄則。不動産経由で探さない!

飲食を始めてから知ったことだが、良い物件というものは不動産屋に情報が出る前にすでに契約が決まってしまっているということ。その情報を掴んでいるのが飲食店に関わりのあるその地域の酒屋、厨房機器屋、おしぼり屋などの取引業者。飲食店との日々の会話から情報を仕入れ、それが広がり内輪で次の入居者が決まってしまうことが多い。

つまり未契約のまま不動産屋に出ている物件は、飲食人に人気のなかったあまりもの物件ということが多い。(全てがそうとは言えないが)

なので、取引業者と仲良くなり、移転や2号店目を考えていること、いい情報があれば教えて欲しいということを自らが発信することが大事だ。また、繁盛店を作る実績があるということは、物件を探してもらう取引先への信頼につながる。信用も信頼もない他人と取引するより、関係性を築き上げてる人と取引した方が、お互い好都合。酒屋でも、厨房機器屋も、おしぼり屋も、繁盛店が出店したほうが長く契約してくれ、長く取引でき、長く繁盛してくれたらwinwinですよね。だから、繁盛店を作ることでおのずと物件紹介の話が回ってくるようになり、高物件で結果を出しやすくなり、おのずと評価も高まるって流れだ。

移転前は繁盛していたのに、移転後に景気が悪くなったという話はよく聞く。空きテナントが出るという状況は、前入居者の経営がうまくいかなくなって撤退したパターンが多い。だが、前の店がうまくいかなかったという理由で、その物件の立地が悪いと決めてしまうのは良くない。

その物件に、過去一度でも大繁盛した経歴があれば、その物件自体には悪い理由はなく、その土地の持つパワーはいいものがあると僕は判断する。僕が今回移転先に決めた物件の前々回に入っていた店は、そこで10年続き大繁盛をし、その後違う場所で自社ビルを建てたと聞いた。

そのことから、この土地と場所は繁盛する土俵が整っていると感じ、移転先に決めた。あとはその土俵の中でいかに自分が戦うか。こっちのやり方次第だ。


移転先として決定した物件は、同じビルの隣の店舗だった。この物件にした理由は、小道の奥に隠れた店という現在の一力の立地イメージを変えたくなかったからだ。

移転先は、既存店の3倍の広さの30坪。前は焼肉屋で、焼鳥屋をやるにはほぼ全ての内装を崩さなければいけなかった。一度全部崩して新しいものを作るということは、莫大なお金がかかるということは素人ながらにも分かったいたにも関わらず、前のオーナーにそこの設備を300万円で買ってくれと頼まれた。使わない設備にお金を払うことに納得はできなかったが、断ってしまうと交渉権が違う人へ渡ってしまう可能性がある。せっかく見つけたこの物件を何としてでも手に入れたかったため、その条件で買うことに決めた。

少しでも安く、少しでもいい条件で物件を手に入れたいのはみんな同じで、手放す側もいい条件で買ってくれる人をみつけるのが望ましいだろう。取引の交渉で心痛するぐらいなら、少しぐらい高くてもとっとと物件手に入れて、少しでもそこで早く商売を始め、軌道に乗せお客様に喜んでもらえることを考えた方がいい。という考えで、交渉を進め契約した。

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負けを早めるだけの工事には要注意。

移転先は30坪44席、開業費は1500万円だった。1年半前には運転資金10万円しかない状態での出店だった僕からすると、相当な勇気と覚悟のいる決断だった。

初期投資を抑えるために居ぬき物件を探して、いかに工事に手をかけないで安く出店できるかにこだわるオーナーさんは多い。繁盛することは確定されていないし、大きな借入返済に勇気が持てないからだ。しかし、お金をかけず居抜きのまま出店すると、街の人には前の店の残像が残ってしまう。手軽くやったなというイメージも残るし、インパクトを与えることができずに失脚していまう可能性もある。小さなジャブを打って大きな利益を得ようと欲張ると、小さな利益すらえれず借金を残しサラリーマンに逆戻りするのは目に見えてる。

僕がこの大きな決断をすることができたのは、大繁盛店で修行してきた経験が大きい。味、接客、お客さんが来てくれる様々な仕掛けなどをつぶさに見てきたため、場所は違えどそのサービスを喜んでくれる人が絶対にいるという自信が、大勝負に出させてくれた。

やる前から弱腰で保険をかけてしまうと、その時点で負けを意識している。だから負けの方に引きづられてしまうのだ

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