見出し画像

「朝日のあたる家」という話

割引あり

「朝日のあたる家」という話
"The House Of The Rising Sun"

The Animals - The House Of The Rising Sun 1964 (High Quality)
https://youtu.be/0Fy7opKu46c

英国のロックバンドのアニマルズ(The Animals)の代表作が「朝日のあたる家」です。

非行少年が"朝日のあたる家"に帰る曲ですが、歌詞がどうも変です。

少年が大人になり(罪を犯して)刑務所(?)に入るとしても、そんなことを歌うでしょうか。

人間は希望がなくなると、言葉にしません。黙るのです。

*****

ようこそ。門松一里です。静かに書いています。

いつもは、
「あまり一生懸命になるな」という話
https://note.com/ichirikadomatsu/n/n081dd28c9a6c
とか、
【「沈黙」という話/「東アジアの思想」という話】リスト(16+36+号外1)
https://note.com/ichirikadomatsu/n/n416e39d84b94
という話を書いていますが、本当はノワール作家です。

*****

人間は、絶望すると何も言えなくなります。

ウィリアム・シェイクスピアは戯曲『リア王』でこう語っています。

「もっと最悪になるね、これは。『最悪だ』なんて言えてるうちは最悪じゃあない」

"And worse I may be yet. The worst is not so long as we can say 'This is the worst.'"
King Lear 4-1

リア王は一番大切な愛するものを失い発狂し、多くの登場人物が亡くなり終幕します。

名曲の歌詞が歪(いびつ)であることなど、めずらしいことではありませんが、それにしても何か気になります。

『ブレードランナー』の"6人目のレプリカント"を探してみましょう。#joke
※本当は6人いたのですが、予算の都合で撮影されませんでした。

調べてみますと、元の歌詞は少年(boy)ではなく少女(girl)でした。

全然ちがうやん!

ボブ・ディランが歌う曲では、罪を犯した女性が、"朝日のあたる家"に帰ります。

それは、少女が傷ついたということですし、もう二度と人生を歩めないということでもあります。

帰る家が娼館だとすれば、"朝日のあたる家"は強烈な皮肉でしょう。

娼婦は昼まで眠っているからです。

ある種のアメイジング・グレイス"Amazing Grace"なのかもしれません。

Libby Holman - The House of The Rising Sun 1940s
https://youtu.be/C4ZGrlO7JU4

リビー・ホルマン(Libby Holman)も「朝日のあたる家」を歌っています。

ここから先は

829字

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

ご高覧、感謝です。 サポートによる調査資料(エビデンス)を使った「思考の遊び」――エンタテインメント(娯楽)作品です。 ※虚構も少なからず入っています。