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~第80回~「オオトシノカミとウカノミタマノカミの話」

氷川神社の主祭神・スサノオノミコトの妻といえばイナダヒメノミコトが最も有名ですが、他にも妻をめとられております。
例えば神大市比売(カムオオイチヒメ)です。

そのカムオオイチヒメとスサノオノミコトの間に生まれたのが大年神(オオトシノカミ)と宇迦之御魂神(ウマノミタマノカミ)です。
この二柱の神様は共に農耕に関係があります。

オオトシノカミの「とし」は、もともと穀物などの「実りや収穫」を意味しました。
後に、その収穫に1年を要することから「年」を意味するようになったと言われます。
年の始めにその年の豊作が祈念されるようになり、それが年神を祀る行事、正月行事になりました。
例えば正月の飾り物である「門松」は、年神が来訪するための依代です。

さて、そのオオトシノカミがお生まれになった後すぐ、ウカノミタマノカミがお生まれになりました。
ウカノミタマノカミは『古事記』では宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)、『日本書紀』では倉稲魂命(うかのみたまのみこと)と表記されますが、「ウカ」は穀物・食物を意味します。
こちらも穀物の神様で、今日では「お稲荷さん」として農業や商売繁盛の神として信仰されております。

スサノオノミコトご自身は日本中に樹が生えるきっかけとなった植樹の神様としてのお姿もあります。
樹木が生い茂る山があるからこそ、川が活き、里ができ、農業をして、私たちは日々の生活を送れます。
御子神もまた、私たちの生活に欠かせない農業・穀類の神様として日本人の生活を護ってくださっているのです。

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〔 Word : Keiko Yamasaki Photo : Hiroyuki Kudoh 〕

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