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~第5回~ 「八雲紋の話」

(今回はスサノオノミコトが高天原から日本に降りてきてからのお話です。) 

スサノオノミコトは、「天岩戸」や「八岐大蛇退治」など有名な神話に登場する神様として全国でその名を知られておりますが、

武蔵一宮氷川神社は全国の一宮の中で唯一、スサノオノミコトを主祭神にしております。

その氷川神社の社紋(神紋)はスサノオノミコトの神話に由来する「八雲紋」です。

この「八雲」は、八岐大蛇を退治した後、スサノオノミコトがイナダヒメ(稲田姫)とご結婚された時に、出雲の根之堅洲国にある須賀にて詠んだ

御歌「八雲たつ 出雲八重垣 妻籠み(つまごみ)に 八重垣作る その八重垣を」(『古事記』上つ巻・『日本書紀』巻第一神代上第八段)に由来しております。

この八雲紋は大宮の地のみならず、世界との道筋も護ってきました。昭和5年(1930)に誕生した「日本郵船 氷川丸」です。

30年間に亘り、日本とアメリカを繋ぐ船として太平洋を254回横断し、現在は横浜の山下公園に係留されています。

この氷川丸は、その名の通り氷川神社から名付けられた船です。

そのため、船内の神棚には氷川神社の御祭神が祀られ、さらに、船内の装飾には氷川神社の神紋「八雲」が用いられています。

実は、スサノオノミコトが詠まれた御歌は、日本で一番最初に詠まれた和歌でもあります。

スサノオノミコトは『言葉に想いを込めて歌うこと』を私たちに授けてくださった神様でもあるのです。

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〔 Word : Keiko Yamasaki Photo : Hiroyuki Kudoh 〕

         


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