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~第111回 ~「スサノオノミコトの子孫神たちと仏教との繋がりの話」

氷川神社の主祭神・須佐之男命(スサノオノミコト)は全国的に信仰を集める神様ですが、その子孫神たちもまた、全国に信仰が広がっております。 氷川神社の境内には稲荷神社があります。

稲荷神社の御祭神は宇迦之御魂神(ウカノミタマノカミ。『日本書紀』では倉稲魂命)。

宇迦之御魂神は食物を司る神で、宇迦(ウカ)は食物を意味します。

『古事記』では須佐之男命が稲田姫命の次に娶られた神大市比売との間に生まれた神様とあり、兄神に大年神(オオトシノカミ)がおられます。

大年神の「とし」は穀物の意味であり、収穫に1年を要するところから穀物が年を意味するようになったとも。

歳神でもありますので、一年の変わり目である正月に訪れ、新しい1年の実りをもたらす神様でもあります。 この大年神の子に大山咋神(オオヤマクイノカミ。山末之大主神、ヤマスエノオオヌシカミとも。)様がおられます。

この神様は山の地主神とも、神が依り憑く棒を神格化した神ともいわれます。

近江の日枝山(今の比叡山)を守護する神であり、また鳴鏑(なりかぶら)を持ち、葛野の松尾神社に鎮座している神でもあります。

比叡山に天台宗の延暦寺ができ、大山咋神・大物主神は地主神として延暦寺の守護神とされ、延暦寺がこの両神を「山王」と称したことから「山王さま」とも言われるようになりました。 スサノオノミコトの系譜をたどると、比叡山延暦寺にもご縁がつながっております。

数多の神様が日本で生きる私たちを幅広く御護りくださっていることの証でもありますね。



〔 Word : Keiko Yamasaki Photo : Hiroyuki Kudoh 〕

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