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〜第1回〜 「一宮 氷川神社 由来」

【由来説明】

関東の荒川流域を中心に、北海道から鹿児島まで約280社ある氷川神社。その総本社が大宮の氷川神社です。
御祭神は須佐之男命(スサノオノミコト)、そして稲田姫命(イナダヒメノミコト)、大己貴命(オオナムチノミコト)。
須佐之男命は天照大御神や月読命と共に伊弉諾命から生まれた神です。

第5代孝昭天皇の時代、孝昭天皇の御代3年(紀元前473年)4月未の日、水豊かな見沼を抱くこの大宮に創建された氷川神社。
2400年ほど古の時代から見沼の水神として時を刻み歩むと共に、日本武尊(ヤマトタケル)が東夷鎮定(東征)の際に祈願をされるなど、
古代日本の節目をも見守ってまいりました。
この時、氷川神社を詣でたことでヤマトタケルの足の負傷が治り、立てるようになったことから、
これを由来とした「足立」の地名伝承が今に息づいております。
その後、第13代成務天皇の時代(2世紀)に出雲から移住してきた兄多毛比命(エタケヒノミコト)が初代武蔵国造となり、
第45代聖武天皇の時代(8世紀)に武蔵一宮と定めされました。

そうして貴族や武家、地域の信仰を集めながら近代へ。
明治元年(1868年)、明治天皇より武蔵国の鎮守勅祭の社と定められ、祭政一致の詔を賜りました。
そう、氷川神社は近代国家への幕開けの証人でもあるのです。そして現代。古代から変わらずに祈りの場であります。そして未来も。

【単語由来】

「氷川」とは、古語で「神聖な泉」の意味。清らかな水あふれる見沼の泉への信仰を今に伝える言葉でもあります。
氷川神社への信仰は、自然と共に生きる日本人が支えた自然への敬意でもあるのです。
また、出雲から移ってきた際、出雲の大河である斐伊川(ひいかわ)に想いをはせて氷川(ひかわ)とした、とも言われております。
御祭神である須佐之男命(スサノオノミコト)への敬意や出雲への想い、自然への敬意。
さまざまな心が紡いで大切に育まれた氷川神社への信仰の篤さから神社は「大いなる宮」とも称えられ、
これが「大宮」の由来となったとも言われております。

【御祭神説明】
その氷川神社の御祭神は須佐之男命(スサノオノミコト)。八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を退治した勇ましい神であると同時に、
その時助けた稲田姫命(イナダヒメノミコト)を妻にした愛妻家。さらには疫病を防ぐ神、養蚕や樹木の神でもあります。

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〔Photo : Hiroyuki Kudoh Word : Keiko Yamasaki 〕

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