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~第84回 ~「新嘗祭の話」

11月23日は「新嘗祭」。
大祭であるため、神職は神社に参籠し潔斎の上、奉仕を致します。
また本殿の御扉を開け、神楽を特別に奉奏し、併せて氷川神社敬神講社の講社大祭も行います。

新嘗祭は「にいなめさい」「にいなめのまつり」または「しんじょうさい」とも呼ばれる大祭です。
その年の収穫に感謝をして新穀を神様にお供えし、そして来年の豊穣を願います。
「新」は新穀を、「嘗」はお召し上がりいただくことを意味し、収穫された新穀を神様に献じ、その恵みに感謝し、国家安泰、国民の繁栄を祈るのです。

もともとは宮中の祭祀で、古くは旧暦11月の2回目の「卯の日」に行われていました。
現在では全国各地の神社で新暦11月23日に行われていますが、これは明治6年(1873)年に新暦に移行した際、祭日が新暦の11月23日になったことによるものです。
戦後、稲作だけではなく全ての勤労に感謝する祝日「勤労感謝の日」に定められ、現代まで続いています。
国民の祝日に関する法律(祝日法、昭和23年法律第178号)第2条には、「勤労をたつとび、生産を祝い、国民がたがいに感謝しあう」ことを趣旨としていますが、本来は人に対しての感謝というより、神様に対して恵みを感謝する日でした。

神々への感謝。自然への感謝。人への感謝。
感謝の心をこれからも大切にしたいですね。

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〔 Word : Keiko Yamasaki Photo : Hiroyuki Kudoh 〕

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