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中学卒業後の進路が不安になったときは

〈中学卒業後の進路ってどんな道があるの?〉

 中学卒業後の進路は、大きく分けると高等学校(以下、高校)進学と就職の2つ。細く分けると8つの選択肢があります。
 ⑴高校進学(全日制)
 ⑵高校進学(定時制)
 ⑶高校進学(通信制)
 ⑷就職・高校進学(定時制)
 ⑸就職・高校進学(通信制)
 ⑹就職・高卒認定受験
 ⑺就職のみ
 ⑻無職

〈高校に行くメリットってあるの?〉

 8つの進路にはそれぞれメリットデメリットがありますが、個人的にはどのような方法でも高校への進学をおすすめします(⑴〜⑸)。なぜかというと、単純にメリットが大きいからです。
 高校は義務教育ではありません。つまり、行っても行かなくてもいいのです。ではなぜ、多くの人が高校に進学するのでしょうか?そのメリットとデメリットをまとめてみましょう。全日制・定時制・通信制、公立・私立の違いもあるので一概には言えませんが、一般的に考えられることを挙げてみます。
 メリットは、
 ・卒業と同時に高等学校卒業資格が取得できる。
 ・授業料が安く、勉強するには一番コスパがいい。
 ・学習のカリキュラムを管理してもらえる。
 ・大学受験科目以外の学習カリキュラムが受講できる。
 ・同世代との交流ができる。
 デメリットは、
 ・社会に出るのが遅れる。
 ・長期間、長時間通わなければならない。
 ・自分のペースで学習ができない。

〈高等学校卒業資格って何?〉

 高校進学の最大の目的は、”高等学校卒業資格を取得すること”です。あまりイメージがないかもしれませんが、”高校は資格を取るために行く”のです。
ではこの資格、何に役立つのでしょうか?一般的に、以下のメリットがあります。
 ・大学をはじめとした高等教育機関への受験資格となる。
 ・高卒以上しか募集していない職がある。
 ・中卒よりも賃金が高い場合がある。
 ・高卒以上しか取得できない資格がある。
 つまり、こういったことが自分の人生に必要であれば資格を取った方がいいですし、逆に必要なければ資格も要りません。もし高校の学習内容を習得したいだけであれば、独学か学習塾に行くだけでいいのです。

〈高校に行かない道なんてあるの?〉

 前述の通り、高校は義務教育ではないので行かなくてもかまいません。必要なら行けばいいし、必要ないなら行かなくていいのです。
 しかし、どちらにしても、自分の道は自分で決めなければいけません。自分は何のために高校に進学するのかを考えなければいけません。なんとなくで進路を決定してはいけないのです。正しい知識を持ち、自分で考え、周囲と相談し、最後には自分で決定するということがなければ、大人にはなれないのです。高校に行くのは当たり前だと思ってはいけません。自分で考えて決めるのです。
 自分で決めさえすれば、どの選択するのもあなたの自由です。

〈高等学校卒業程度認定試験って何?〉

 高等学校卒業資格と似た制度に、”高等学校卒業程度認定試験”があります(平成16年までは大学入学資格試験(いわゆる大検)という名称でした)。これは”高校を卒業していないが、高校卒業と同等程度の学力を認定する”ものです。この試験に合格すると、大学・短大・専門学校の受験資格が与えられます。なんと、高校に行かなくても、大学などにはいけるのです。※ただし進学をしない場合、学歴としては中卒です。
 前述の通り、私は高校進学をお勧めします。でももし、高校の雰囲気が合わない時は、全日制・定時制・通信制問わずに転校していいと思います。高校は、卒業すればいいのです。そして、もう高校になんて行きたくないと思った時は、無理をして行かなくていいです。大学に行きたかったら、高等学校卒業程度認定試験を受ければいいのです。一人で受験を闘うのは簡単なことではありませんが、助けてくれる人はたくさんいます。自信を持って生きましょう。

〈社会や高校が求める人材とは?〉

 皆さんは18歳になれば嫌でも社会から大人として扱われます。
 では、その社会というものは皆さんにどんなスキルを求めているのでしょうか。分かりやすいように、ここでは会社組織が従業員に求めるスキルを挙げてみましょう。

 ①身だしなみが整っている。
 ②体力があって、体調管理ができる。
 ③コミュニケーション能力がある。
 ④やることを自分で決めて毎日実行できる。
 ⑤ミスが少ない。ミスをしても挫けずに取り組み続けられる。
 ⑥基礎学力がある。

 簡単にまとめると、体力があって精神力があって人と話せて基礎学力のある人材です。
 こういったスキルを付けたりベルアップさせることで、人の役に立つ仕事ができるようになります。あなたがレベルアップすることで、社会にとってよりよい仕事をできるようになっていくということです。
 さて、これらのスキルは、高校が皆さんに求めていること同じだと思ってください。こういった能力を中学生のうちにどれくらい身につけられているかによって、行ける高校が決まってくるといっても過言ではありません。決してIQが高くなくても、スポーツの才能がなくても、6つのスキルがある程度身についている人は、内申点も高いし、入試本番でも高得点を狙えるのです。

〈普段何をすればいいの?〉

 それでは、①〜⑥のスキルを付けるために、具体的に何をすればいいのでしょうか。

 ①身だしなみを整えるために。
  ・毎日お風呂に入る。
  ・洗濯をする。
  ・寝る前に身の回りの片付けをして、翌日の準備をする。
  ・朝に顔を洗い、髪型を整える。
  ・定期的に散髪をする。
  ・靴が汚れたら洗う。
  ・服や下着を自分で選んで買う。
 ②体力を付けて、体調管理ができるようになるために。
  ・早寝早起きをする。
  ・栄養バランスよく食べる。
  ・外で遊ぶ。
 ③コミュニケーション能力を付けるために。
  ・家族と話し、自分の考えや感情を伝える。
  ・人の話に耳を傾ける。
  ・親や学校の先生以外の大人と関わりを持つ。
  ・車移動ばかりでなく公共交通機関を利用する。
 ④やることを自分で決めて毎日実行するために。
  ・今自分ができることを把握する。
  ・それを紙に書き出したり家族に共有したりする。
  ・定期的に見直し、次にできるステップアップを考える。
  ・続けられたら自分を褒めてあげる。
 ⑤ミスを少なくして、ミスをしても挫けずに取り組み続けるために。
  ・ミスしたことで落ち込まない。ミスしたことを責めてくる人の話を聞かない。
  ・どこでミスをしたのかを調べる。分からなかったらすぐに人に聞く。
  ・もう一度やり直す。
 ⑥基礎学力を付けるために。
  ・知らない言葉を暗記する。
  ・興味のある本を読む。
  ・計算問題の正確性とスピードを上げる。
  ・家事をする。
  ・好きなことに没頭できる時間を作る。
  ・迷路やパズルで遊ぶ。適度にゲームをする。

 生活上の基本的なことばかりですね。勉強は、やるべきことの一つに過ぎません。当たり前のことを毎日一つずつ取り組むことが、一番のレベルアップなのです。家族や友だちと協力しながら、丁寧な日常を過ごしましょう。
 現状のテストの点数が低くたって、何も気にすることはありません。朝少し早く起きて顔を洗ってみたり、家族に朝のあいさつを言ってみたり、帰ってきたらすぐに宿題に取り組んでみるだけで、それだけであなたは変わっていくのですから。

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